小児欠神てんかん(CAE)と注意欠如・多動症(ADHD)を併存した10歳未満女児を縦断的に追跡した.VPAで欠神発作は良好に制御されたが,CAE発症前からの注意困難が明らかとなり,ADHD不注意優勢型と診断した.ATX併用後も発作の増悪はなく,ADHD症状と学習面が改善した.CAE児では併存ADHDの評価と個別化治療の重要性が示唆された.
資料 | 11-17頁
菱山 真広,藤井 泰,田口 遥,宮野 史也,木村 憲一,梅津 弘樹,幡 賢
精神科単科病院において,角化型疥癬患者を感染源とする集団感染(9名)を経験した.当初患者の訴える掻痒感が精神症状により軽視され,また地域特性から専門医に受診することも難しく,診断が遅延した.本症例では予防的投与は行わず最終的には終息に至ったがその過程では散発的再発が認められ,感染拡大防止の観点から予防介入の重要性が示唆された.
特集 | 18-49頁
黒木 俊秀,橋本 亮太,榊原 英輔,村松 太郎
本特集では,「精神疾患を理解する視点の多様化が研究,日常臨床,精神鑑定に及ぼす影響:DSM-5/ICD-11/RDoC」というテーマのもと,「もうパラダイムシフトは要らない!―精神科診断学の現在―」,「病態に基づく診断基準を精神科領域に導入する戦略とは何か?」,「カテゴリー診断とディメンジョン診断の臨床的有用性―哲学的観点から―」,「パラダイムシフトと精神鑑定」について論じる.
特集 | 50-78頁
竹内 崇,赤崎 安昭,安藤 久美子,茂木 太一
本特集では,「精神疾患をもつ女性と子育て:困難に寄り添う支援を考える」というテーマのもと,「統合失調症合併妊産婦の支援」,「うつ病/うつ状態の母親と子育て―刑事精神鑑定例から得られた教訓を臨床に生かす―」,「育児支援とアイデンティティの生涯発達」,「てんかんをもつ女性の育児をどう支援するか」について論じる.