Advertisement第122回日本精神神経学会学術総会

掲載論文ハイライト

精神医学のフロンティア | 669-678頁
三上 克央,宮島 祐,西野 良,福寿 宏樹,河添 有宏,木下 陽介,岡田 俊
日本人小児ADHD患者を対象とした第3相試験において,二重課題デジタルデバイスSDT-001を通常治療に追加した群では,通常治療群と比較して不注意症状をはじめとするADHD症状の有意な改善が認められた.治療効果は治療終了後も維持され,忍容性および安全性は良好であった.SDT-001はADHDの新たな治療選択肢となる可能性が示された.
総説 | 679-688頁
南 博也,西澤 由貴,西田 圭一郎,金沢 徹文
せん妄は高齢者医療で頻出し,一過性の意識障害を超えて長期的な認知機能低下や認知症の発症・進行を促すことがわかっている.神経炎症や神経伝達物質の不均衡が背景にあり,多因子非薬物介入(HELP等)で約30–40%は予防可能である.抗精神病薬は主要転帰を改善するとは断言しえず有害事象の懸念があるため,予防重視の多職種アプローチと早期同定・介入が重要である.
症例報告 | 689-694頁
若林 伊織,中島 公博,嶋岡 修平,富永 英俊,田辺 康
大麻関連嘔吐症(CHS)は慢性的な大麻使用に伴う反復性嘔吐を特徴とする.約3年間心身症として治療されていた20歳代男性について,大麻使用歴,入浴による症状軽快,周期的嘔吐からCHSを疑い,断薬後の持続的寛解を確認し診断した.原因不明の反復性嘔吐では,CHSを鑑別に挙げ,非断罪的に大麻使用歴を聴取することが早期診断に重要である.
山梨県立北病院では,精神科救急医療体制の強化を目的に,20年間で300床から188床へ段階的にダウンサイジングした.長期在院者428名が退院し,長期在院者比率は68.1%から13.8%,平均在院日数は226日から60.5日に減少した.減床しても新規入院受入能力は向上した.本稿では,急性期機能を重視した体制への構造転換の20年を報告する.
特集 | 711-744頁
日暮 憲道,西田 拓司,曾根 大地,池谷 直樹
本特集では,「てんかん診療実践の現在― 最新用語改訂から薬物治療・外科治療の実際まで―」というテーマのもと,「てんかん・てんかん発作型・てんかん症候群に関する国際分類・定義・用語 update」,「てんかんの薬物治療アップデート」,「幅広い年齢層と多様なライフイベントを意識したてんかん診療」,「てんかん外科の現状と展望―治療選択肢の拡大と過小利用の課題―」について論じる.
精神科治療の目標の1つとして,当事者視点に立ったパーソナルリカバリーが注目される.その実践のためには,治療効果と副作用のバランスへの配慮が必要である.その一例として,糖脂質代謝障害と認知機能障害の課題を取り上げた.両者は多くの精神疾患で共通してみられることから,今後,精神疾患の病態解明や治療開発の標的として重要な課題であると考えられる.
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2026年9月
特集:『てんかん診療実践の現在―最新用語改訂から薬物治療・外科治療の実際まで―』
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