原著 | 543-552頁
高田 涼平,本多 祐也,西 佑記,福井 裕明,岡村 和哉,盛本 翼,井川 大輔,鳥塚 通弘,岡田 俊
向精神薬の服用,長期臥床,身体拘束など精神科入院患者で頻繁にみられる事項は,静脈血栓塞栓症(VTE)のリスク因子となるため十分な対策が不可欠である.奈良県立医科大学附属病院精神科では2023年4月から新たなVTE予防の取り組みを開始した.本稿では,取り組みの詳細やその効果,VTEの発生状況,身体拘束に与える影響などについて報告する.
原著 | 553-560頁
瀨川 亮,上條 貢,宮澤 正幸,鯉沼 卓真,長谷川 要,喜古 康博
ヒドロキシジン塩酸塩は第一世代のH1受容体のインバースアゴニストであり,不眠症状に対して経静脈的に投与できる鎮静薬として使用されている.しかし,せん妄に関する知見は十分ではない.本研究では,待機的手術目的で入院した高齢患者を対象に,既報のリスク因子を説明変数として調整した上でヒドロキシジン塩酸塩投与と術後せん妄発症の因果関係を検討した.
特集 | 561-592頁
古茶 大樹,玉田 有,滝上 紘之,越膳 航平
本特集では,「医学教育に活かす精神病理学」というテーマのもと,「医学教育のための純粋精神医学」,「初期研修医に伝えたい精神病理学」,「臨床現場における精神症候学教」,「精神病理学を総合病院で役立てる」について論じる.
2024年開催の第120回学術総会(札幌)の報告である.総会スローガンを「真に役立つ精神医学」と定め全体のプログラミングに反映させるなど,総会準備に工夫を凝らした.特別講演には駐日デンマーク王国大使が,会長企画シンポジウムには地方公共団体首長らも登壇した.演題応募数,参加登録者/現地参加者数は過去最高水準となりたいへんな盛会となった.