Advertisement第121回日本精神神経学会学術総会

掲載論文ハイライト

総説 | 447-457頁
太田 英伸,吉村 優子,安積 陽子,樋口 重和,菊知 充,長 和俊
前向きコホート研究・動物モデルから早産児の発達特性を検討した結果,発達早期の昼夜差のある明暗環境が乳幼児の安定した睡眠・覚醒サイクルを誘導し、身体発達を促すことを確認した.また,早産出生の幼児は昼間の多動性,夜間の中途覚醒といったADHDに類似した行動・睡眠特性をもち,行動実況中継賞賛法・CAREなどの昼間の早期療育,そして夜間の睡眠環境整備に配慮した1日の生活デザインが重要な視点であることを述べた.
現状のメンタルヘルスの評価は自己報告に基づくことが中心だが,様々なバイアスの影響を受けるなど精度の問題がある.その解決に寄与するのがデジタルバイオマーカー(デジタルデバイスから得られる日々の多様なデータ)である.本研究では,スマートウォッチによるデジタルバイオマーカーを用いてメンタルヘルス不調の予測ができることの可能性を実証的に示した.
外来森田療法では関わっている世界への適応不安とそこでの悪循環を扱う.介入技法の基本は,体験領域での受容の促進(「体験処方」)と行動変容の促し(「行動処方」)である.これを対として、「けずること」(「べき」思考の修正),「引き出すこと」(生の力を行動に結びつける),「ふくらますこと」(固有の感性,感覚の表現を促す)という介入を行う.
特集 | 473-509頁
西尾 慶之,大町 佳永,岩田(遠藤)邦幸,谷口 豪,村田 佳子
本特集では,「精神科と脳神経内科の壁について考える」というテーマのもと,「あいまい化する精神疾患と神経疾患の境界」,「認知症診療における精神科と脳神経内科の接点」,「精神症状を呈する神経疾患を通して精神科と脳神経内科の壁を考える」,「PNES(心因性非てんかん発作)―精神科と脳神経内科の壁と壁の間のno man’s landに位置する境界領域の疾患―」,「精神科と脳神経内科の壁となる精神症状」について論じる.
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精神神経学雑誌表紙

最新号

2025年7月
特集:『精神科と脳神経内科の壁について考える』
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