Advertisement第121回日本精神神経学会学術総会

掲載論文ハイライト

精神医学のフロンティア | 617-623頁
仲地 ゆたか,杜 建彬,加藤 忠史,文東 美紀,岩本 和也
統合失調症患者死後脳および母体免疫活性化動物モデルによる全エクソームシーケンス解析により,患者群で高アレル頻度を示した神経細胞特異的な体細胞変異や,動物モデルでの神経発達関連遺伝子の体細胞変異などが観察された.神経細胞分化初期における体細胞変異と統合失調症病態との関連と共に,母体免疫活性化による体細胞プロファイルへの影響が示唆された.
ICD-11では,心的外傷的出来事の種類で分類するのではなく,患者の示す症状によりPTSDとComplex PTSDを区別している.Complex PTSDと診断するためには,心的外傷体験があり,かつ6つの症状がすべてが揃った上で,社会機能の障害があることが必要である.
総説 | 633-644頁
竹内 崇,倉澤 健太郎,高橋 知久,根本 清貴,南 房香,相川 祐里,渡邉 博幸
本総説は,周産期メンタルヘルスの今後の発展すべき方向性について,行政の動き,子ども虐待のリスク因子の評価とそのマネジメント,最新のガイドラインに基づく周産期の薬物療法,心理療法の有効性,そしてコメディカルの役割といったテーマを中心に,産科医,精神科医,公認心理師といった異なる立場から論じられたものとなっている.
症例報告 | 645-653頁
児島 侑紀,清水 敏幸,豊田 佳菜子,石部 裕太,西本 大樹,南 翔太,柏木 陽介,中森 靖,嶽北 佳輝,木下 利彦,加藤 正樹
関西医科大学総合医療センターでは救命救急センターに精神科医が常駐しており,救命医と密接に連携を図ることで,身体合併症を有する精神疾患患者に,迅速で適切な医療を提供している.今回,悪性カタトニアに対して救急医学科と連携し,集中治療室で電気けいれん療法を施行した2症例を経験した.症例の詳細に加え,ICUでECTを行うことの課題や意義に関し検討する.
特集 | 654-682頁
青山 久美,成瀬 暢也,岡 知加,上田 裕子
本特集では,「アルコール使用障害の社会問題・健康問題」というテーマのもと,「虐待の連鎖から回復の連鎖へ」,「アルコール使用障害患者の自傷・自殺企図にどう対応するか」,「アルコール使用障害患者の肝移植前後の困難さ」,「精神保健福祉士として考えるアルコール使用障害をもつ患者への支援」について論じる.
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精神神経学雑誌表紙

最新号

2025年9月
特集:『アルコール使用障害の社会問題・健康問題』
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