Advertisement第121回日本精神神経学会学術総会

掲載論文ハイライト

刑事精神鑑定は,古くから司法精神医学の最重要課題の1つであり,『裁判員の参加する刑事裁判に関する法律』(裁判員裁判法)の制定・施行を契機として新たな議論がなされている.本稿では,近年の刑事精神鑑定をめぐる議論を解説・整理したうえで,今日の刑事精神鑑定の基本とされる可知論的なアプローチの実際について解説した.
討論 | 655-663頁
永田 利彦,西園マーハ 文,中里 道子,中尾 智博,三井 信幸,山田 恒,竹林 淳和,水野 雅文
摂食障害(摂食症),特に神経性やせ症は慢性化しやすく,死亡リスクも高く、慢性例の治療的負担は重い。解決には、生物学的基盤などの点から精神疾患であるとの認識に立ち、精神科医療が推し進めている入院中心から外来治療への転換を、神経発達症などの併存症にも目配りした支持的精神療法・地域包括などによって摂食障害治療にも変革をもたらすように、精神科医が主導的に取り組むべきである.
特集 | 664-692頁
中尾 智博,中村 敬,池田 暁史,原田 誠一
本特集では,「一般診療に活かす各種精神療法―学派を超えた通院精神療法の在り方―」というテーマのもと,「認知行動療法を一般診療に活かす」,「森田療法に立脚した「通院精神療法」―初診から終結までの診療のポイント―」,「精神分析と精神科外来診療」,「学派を超えた精神療法のエッセンスについて考えてみよう」について論じる.
著者は1975年に医学部を卒業し,当時の時代的背景ゆえに現在の研修とは異なる研修経験を通して児童精神科医となってきた.その基盤となったのは児童精神科臨床と精神療法の基礎を教えてくれた野沢栄司先生から学んだ精神力動的治療論ならびに心理的発達論であり,愚直に臨床経験を重ねることでそれらは児童精神科入院治療論や不登校論として結実してきた.
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最新号

2024年10月
特集:『一般診療に活かす各種精神療法―学派を超えた通院精神療法の在り方―』
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