Advertisement第122回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第127巻第11号

症例報告
家族療法の活用により治療中断を回避できたアルコール依存症の1例―「飲酒するのは妻が原因」と主張した患者へのアプローチ―
浅野 久木, 丸山 文夫
刈谷病院診療部
精神神経学雑誌 127: 783-790, 2025
https://doi.org/10.57369/pnj.25-122
受付日:2024年10月7日
受理日:2025年6月27日

 依存症治療が困難である要因の1つに初期の治療中断が挙げられる.また,「否認の病」ともいわれるアルコール依存症では,治療動機の低い患者が家族に連れられて受診することも多く,その際には家族同席での診察となる.しかし,患者と家族が対立している状況での同席診察にて,医療者がどう対応すべきかについての明確な指針は見当たらない.今回,妻に連れられて受診したアルコール依存症の症例で,当初には飲酒の理由を「妻が原因」として通院を拒否していたが,家族療法の活用で夫婦面接を続けることで通院中断を回避して,最終的には依存症治療を導入できた症例を報告する.本症例の経験を通じ,同席面接をいとわない特徴をもつ家族療法が,依存症治療初期の治療中断の回避に有効と考えた.

索引用語:アルコール依存症, 家族療法, 治療中断, 夫婦>
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