Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文全文

第120巻第9号

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討論
無視されてきたダイエットと痩せすぎの危険性―痩せすぎモデル禁止法に向けて―
永田 利彦1), 山下 達久2), 山田 恒3), 水原 祐起4), 水田 一郎5), 野間 俊一6), 田中 聡7), 崔 炯仁8), 和田 良久9), 岡本 百合10), 鈴木 眞理11), 宮岡 等12)
1)壱燈会なんば・ながたメンタルクリニック
2)からすま五条やましたクリニック
3)兵庫医科大学精神科神経科学講座
4)京都府立こども発達支援センター
5)大阪大学キャンパスライフ健康支援センター
6)京都大学大学院医学研究科精神医学
7)名古屋大学医学部附属病院精神科
8)いわくら病院
9)府中みくまり病院
10)広島大学保健管理センター
11)政策研究大学院大学保健管理センター
12)北里大学医学部精神科学
精神神経学雑誌 120: 741-751, 2018
受理日:2018年5月16日

索引用語:摂食障害, ダイエット, カロリー制限, 最低死亡率体重, メディアの影響>

はじめに
 摂食障害は,肥満を恐怖し,体型に過剰に囚われ,極端な摂食制限や排出行為,過剰な運動などによって過度の痩せを呈する神経性やせ症,過食,嘔吐といった異常な食行動を特徴とする神経性過食症などからなる3).いずれも,青年期,早期成人期女性に最も多く認められ,種々の身体的合併症,精神障害の併存症を伴い,日常生活に深刻な影響を与える40).さらに,無視できない割合の患者が慢性の経過をたどるだけではなく,命を落としている4).一方で,数々の治療研究にもかかわらず,その予後は改善されていない71)72).神経性やせ症に伴う極度の痩せに対しては摂食障害専門病棟での治療が「特効薬」的扱いであるが59),体重を回復しても,何ら治療を行わなければ退院後3ヵ月以内に8割が再び痩せに陥る36)59).加えて,摂食障害専門病棟での集中砲火的な治療は非常に高価であり40)59),日本での実現は事実上不可能である.このように,いったん発症・発病してしまうと,多くの患者・家族が治療困難と向き合うことになるので,「どのように治療するか」以前に,「どのように発症・発病させないか」が非常に重要である.
 その病因は,数多くの研究にもかかわらずいまだ解明されていないが,生物学的,社会心理学的な種々の要因が関与している60).そして欧米や日本を含む一部のアジアの青年期女性に好発することから,社会心理学的な視点が重要である.文化結合症候群(culture-bound syndrome)の1つとされるが,他の文化結合症候群と異なり,文化の変化によって惹起される.フィジー島にテレビがやってきてから3年後に病的な摂食行動や自己誘発性嘔吐がみられるようになったことは有名である9)
 このような重篤な精神障害でありながら,その発症要因である社会心理学的影響に対してわれわれは寛容すぎた.美容を目的とするダイエットをきれいに痩せる,健康的に痩せると許容してきたのではないか.明らかに神経性やせ症の診断基準に合致するほど痩せている女性がテレビの画面に映し出されても,元気そうならと見逃してきたのではないか.健康体重でのダイエット,痩せすぎの悪影響は即時的ではない.一方で,本論が示すように,長い人生において,そして次の世代への悪影響は看過できないほど大きいことから,われわれが毅然とした態度をとる必要がある.
 本論を始める前に言葉を説明したい.ダイエットとは体重減少・維持を目的にカロリー摂取量を意識的に制限することで,体重減少に成功するかどうかを問わない62).一方,体重抑制(weight suppression)は「ダイエットの結果,ある程度の体重減少が継続していること」49)である.実際の研究では「成人になってからの最高体重と現在の体重との差」49)74)とも,「少なくとも6~12ヵ月間継続する,10ポンド(4.5キロ)の体重減少」48)とも定義される.痩せすぎはbody mass index(BMI)〔体重(kg)/身長(m)2〕が18.5未満であることである83).カロリー制限は本論では対照群に比べて3割カロリー制限した食餌を与えたアカゲザルでの実験に関してだけ使用している54)

I.日本独特のダイエットと痩せの広がり
 痩せ礼賛(thin ideal)文化の広がりの結果,日本の多くの青年期,早期成人期女性がダイエットに勤しみ,痩せを呈している.
 2016年11月14日発表の平成27年国民健康・栄養調査では,成人女性の11.4%が「痩せすぎ」(BMIが18.5未満)であった42).さらに20~29歳女性の22.3%,30~39歳女性の15.5%が「痩せすぎ」であった.一方で太りすぎ(BMIが25以上)である割合は,20~29歳女性で10.2%,30~39歳女性で6.6%であった.日本の20~30歳代では,「太りすぎ」より「痩せすぎ」のほうが大きな問題である.世界的には肥満が問題で,大きく乖離している.世界規模では,女性の太りすぎ(BMI 25以上)は1980~2013年にかけて29.8%から38.0%となり,とくに発展途上国の小児期,青年期での太りすぎ,肥満の増加が問題となっている63)
 このような日本の痩せ問題は1970年頃から顕著であり,15~25歳の女性では1970年頃から身長は年々高くなっているのに,体重は増えず,1960年の平均BMIは21.5であったが1990年には20.7に低下していた39).このわれわれの国民衛生の動向(昭和37年,昭和57年,平成4年)をもとにした研究の後も,さらに低下している.BMI 18.5未満の痩せすぎの割合は,1976~1980年と比べ1996~2000年には20~24歳群では15.8%から22.9%,25~29歳群では13.5%から23.7%と増加している(1976~2000年までの25年分の国民栄養調査の再分析の結果)77).20歳代女性の痩せすぎの割合は2000年に24.4%と最高になった後,2013年には20.2%と低下したが,2015年には再び22.3%に戻っている(p.19)42)
 このようなことが起こる背景に健康体重に対する誤解がある.疾病教育が済んだ痩せた栄養不足の摂食障害患者に「もっと健康的な食事を」と促すと,「もっと野菜を食べます」と答える.疾病教育,すなわち合理的な説明では修正不可能なほど,痩せていれば痩せているほど健康とすり込まれているのである.歪んだボディイメージの内在化の結果である84)
 何が健康かもう一度考える必要がある.健康体重は,当然,美容ではなく,さらに平均ではなく,最も長生きできる体重,最小死亡率体重である.メットライフ生命保険会社(Metropolitan Life Insurance Company)は1973年に契約者のデータに基づいて,最も死亡率が低い「理想的な(ideal)」身長と体重の組み合わせ「標準身長・体重表」を作成,その後1983年に改訂した29).欧米での摂食障害専門病棟でもこれが目標体重として使用されてきた59)
 しかし,人々の身長が高くなるにつれて,この「標準身長・体重表」が合わなくなった.そこでKeys, A. ら38)がBMIを肥満度の指標として他の指標に比べて有用であると報告して以降,広く使用されている.WHOでは18.5~24.9を普通体重,25.0~29.9を過体重,30以上を肥満,18.5未満を痩せすぎとしている83).しかし,1995年時点でWHOが18.5未満を痩せすぎとした根拠は薄い.先進諸国での関心は肥満であるため低体重のデータが少ないからである.WHOの報告書ではインドでBMIが18.5の男性は10年間の追跡調査で有意に死亡率が上昇すること,16以下であると死亡率が3倍になること,バングラデシュやブラジルでの研究で,体重が低いと病気で仕事を休む日が有意に多くなることが引用されている83)
 その後,先進諸国でもコホート研究が積極的に行われることになり,米国22),中国26),日本69)の中年以降を対象とした,10年程度の縦断的な死亡率研究では,Jカーブ(体重が上がれば追跡調査中の死亡率が上昇するが,痩せすぎの悪影響が認められない)ではなくUカーブ(痩せすぎでも,太りすぎでも追跡調査中の死亡率が上昇する)を示している.
 さらに,最近の研究では18.5未満を痩せすぎとするWHOの体重カテゴリーへの疑問が呈されている.コペンハーゲンの20~100歳の一般人口を対象に1976~1978年,1991~1993年,2003~2013年のコホートを2014年11月まで追跡調査した結果,最も死亡率が低いBMIは1976~1978年コホートでは23.7,1991~1994年コホートでは24.6,2003~2013年コホートでは27.0と,「過体重」とされるBMIが最も死亡率が低かった2).日本の研究でも,BMIが21~26.9の間が追跡調査中,最も死亡率が低かった69).このように治療環境が整った先進諸国では,過体重より低体重のリスクが上昇している.過体重で生じる病態には治療薬があるが,痩せすぎの治療は栄養補給なのに,それを自ら拒否されては対策がない.20歳代の日本女性の多くが体重減少をめざしている結果,大多数の若年女性のBMIは21以下となっており,健康が問題となる.ただ,これまで述べたコホート研究は,20歳代が含まれないか,ごく一部しか含まれていない.20歳から10年追跡調査しても有害事象が生じにくく,研究として成り立たないことから当然ともいえる.後述する「アカゲザル」研究結果が,若年者での体重抑制・痩せすぎの危険性をより直接的に示唆している.
 これらの平均BMI低下は,欧米を中心とした痩せ礼賛文化の影響と考えられる.Garner, D. M. ら23)が1959~1978年の20年間にミスアメリカコンテストに出場した女性の身長,体重の推移を検討した結果,1970年頃から,出場者の標準体重比は年々低下し,入賞者ではこの傾向がさらに明確であった.日本でも1953年に伊東絹子がミス・ユニバースで第3位に入賞して以来,八頭身美人が大変なブームとなり,美人の基準が顔面至上主義からプロポーションを重視する傾向に変わっていった39).多くのミスアメリカ,プレーボーイ誌のモデル,ファッションモデルが神経性やせ症の診断基準に合致することが指摘されてきた81).そして,体型維持には多大な努力を要する.ミスアメリカが週に働くのは14時間でしかないのに,週に35時間も運動をしていた81).まさに,ミスアメリカの仕事は,ミスアメリカとしての仕事より,過剰運動であり,その意味で神経性やせ症患者と何ら変わりない.それが美の象徴として,あこがれの対象となっていることは,明らかに問題である.

II.ダイエットと体重増加,体重抑制と摂食障害
 他の欧米先進国に比べ,日本の若年女性たちは太ってもいないのに太っていると感じ,ダイエットに励んでいる.
 Wardle, J. ら79)は世界22ヵ国の大学生18,512名を対象に,身長,体重,ダイエットについて調査した.女子大学生の結果では,世界22ヵ国のなかで最も高率に自分自身を太っていると感じているのが日本で,63%であった.そして70%もの日本の女子大学生がダイエットをしていた.日本の女子大学生平均BMIは20.5で,米国の平均BMIが22.6であるのに太っていると感じる率がわずか45%であるのと好対照であった.
 さらに,青年期女性が不健康なダイエットを行うと,反対に体重増加を引き起こすことが縦断研究で明らかになっている.Neumark-Sztainer, D. ら61)は,ミネアポリス近郊在住の平均12.8歳の学生1,902名(うち女子学生1,083名)を対象に10年間にわたる縦断研究を行った.その結果,「ほとんど食事をしない」 「食事を抜かす」といった不健康な体重コントロールを継続していた女子学生のBMIは10年後に4.6上昇していた.このBMI上昇値は調査開始時点でのBMIを統計学的に調整した値であり,はじめの太りすぎが原因ではない.
 この結果の解釈について4つの可能性が指摘されている62).第1は,ダイエットはごく短期間的行動であって,規則正しい朝食の摂取,フルーツや野菜の摂取,運動を続けるといった,適正体重を保つライフスタイル選択とは異なること.第2にはダイエットによる饑餓状態によって空腹感が強くなり,食べ過ぎに陥り,「ダイエットに失敗した」と意気消沈し,再びダイエットに励む負のサイクルが形成されること.第3には生理的(空腹と満腹)ではなく意志によって摂食をコントロールしようとすると,禁止している食物を少しでも摂取するとコントロールを諦め食べ過ぎに至るなど,ダイエットによって反対に脱抑制のリスクが増す66).第4にはダイエットにより代謝が下がり,体重維持に必要なカロリーが下がり,より太りやすくなる,いわゆるyo-yo dieting,dieting cycleの可能性である14)
 また,ダイエットは摂食障害の発症危険因子である67).神経性やせ症,神経性過食症とも,ほぼ全例でダイエットが先行している62).一方でこれほどダイエットする人が多くなると,「ダイエットをしている全員が,摂食障害になるわけではない」と強弁する人もいる.それは,メディアの影響も含めて,稀なこと(relative rarity)という主張である46).無論,ダイエットだけで発症するわけではないが(自己評価の低さや完全主義などの脆弱性も必要),ダイエットと摂食障害発症との関連が,縦断研究で証明されている.
 ロンドンの15歳の女子中学生を1年間追跡調査した結果,最初の時点で21%がダイエットを行っており,それらの学生は1年後に,ダイエットを行っていなかった女子学生の8倍,摂食障害になる率が高かった82).またオーストラリアの14~15歳の女子学生を3年間追跡調査した結果,厳しいダイエットを行っていた女子学生は18倍,中等度のダイエットを行っていた女子学生は5倍,追跡調査中に摂食障害を発症しやすかった65)
 そして1回のダイエットにより体重を減少させられるのはごく一部であるが25)73),ダイエットを繰り返し,実際に体重を下げること,体重抑制51)にまで至ると,摂食障害発症リスクが高まるだけではなく,摂食障害の回復阻害要因にもなる.
 Keel, P. K. ら37)は,大学生と若年の女性を10年間追跡調査し,痩せへの欲求が強く,体重抑制していると,追跡調査中に過食症状が発症する率が有意に上昇していた.
 またLowe, M. R. ら50)は,110例の神経性過食症を対象に,8年間の追跡調査をした結果,体重抑制が大きいほど寛解が有意に遅れた.Bodell, L. P. ら11)は,神経性やせ症を摂食障害専門病棟退院後に12ヵ月間追跡調査し,体重抑制が摂食障害の症状継続と関連していたことを報告している.これらは少し考えれば当然である.神経性過食症に対する最もエビデンスを有する治療である認知行動療法の根幹は,極端な摂食制限を止め,規則正しく十分な食事を導入することである20)21)

III.即時的ではない痩せすぎの危険性
 青年期女性の痩せすぎの短期的悪影響は限定的であったため軽視されてきた.無月経,不妊,出産時体重の減少,骨減少症,将来的な骨粗鬆症といった身体的な悪影響,食物への過度の囚われ,注意散漫,焦燥,倦怠といった精神的影響,さらに食べ過ぎや過食傾向と関連する15).女性の骨量は20歳前後に最大骨量(peak bone mass)に達し,その後は,徐々に骨量が低下,40歳以降の閉経の時期以降に骨粗鬆症を発症する80).つまり20歳前後の時点での最大骨量が低いことは,将来的な骨粗鬆症の危険性を示している80).栄養が十分な普通の状態では,小児期,青年期のカルシウム摂取量,身体的な運動量が最大骨量にとって重要であるが,全体的な低栄養,無月経などのほうがより直接的に影響すると考えられる80)
 さらに見逃せないのが,青年期,早期成人期女性における痩せの増加と同時期に始まった,先進諸国では類をみない,低出生体重児の増加である.低出生体重児は出生時体重が2,500 g未満と定義され1),その率は発展途上国支援で健康改善効果の指標とされてきた.日本では1951年には男児の6.4%,女児の8.3%が低出生体重児であったが,1980年には男児の4.8%,女児の5.6%まで低下した.その後,2005年には男児の8.5%,女児の10.6%と倍増し,2015年までの10年間,男児は8.4~8.5%,女児は10.6~10.8%と高止まりしたままである(p.13)43).産婦人科医の危機感の結果,厚生労働省は健康日本21(第2次)のなかで,妊婦や子どもの健やかな健康増進に向けた具体的取り組みとして適正体重の子どもの増加をあげた(p.72)41).さらに,妊産婦のための食生活指針75)では妊娠期の至適体重増加チャート,妊娠全期間を通しての推奨体重増加量に,新たに下限をもうけたが,大きな改善は認められていない.原因として女性の喫煙率の上昇も指摘されているが,多くの妊婦のカロリー摂取量が厚生労働省の推奨量より大幅に下回っている.妊娠中期,後期には通常活動レベルでは2,300 kcal,2,520 kcalの摂取を厚生労働省が推奨しているのに対して,Kubota, K. らの調査によると,実際の妊婦は1,600 kcalを下回る量しか摂取していなかった35)44)
 心血管障害,糖尿病,慢性呼吸器疾患,悪性新生物など感染しない慢性疾患群(non-communicable diseases:NCDs)が健康保健上の大きな問題となっている8).そのなかで低出生体重児は,神経学的・身体的合併症に加えて,Barker仮説によれば,成人後の心血管障害よる死亡リスク因子である5)64).Hales, C. N. とBarker, D. J.27)は胎生期に低栄養に曝されると省エネルギー体質,倹約体質(thrifty phenotype)を獲得するとし,出生後に「飽食」環境であると省エネルギー体質とのミスマッチとなり,肥満やメタボリックシンドロームとなりやすいとした.さらに,受精前の環境因子,胎芽期,胎生期,乳幼児期,学童期のさまざまな環境因子が,成人期や老年期の健康,NCDsのリスクとなるというDevelopmental Origins of Health and Disease(DOHaD)学説24)が注目されている.これら身体疾患に加えて,低出生体重児は注意欠如/多動性障害,統合失調症,うつ病といった各種精神障害のリスクでもある45)
 さらに,食べたいだけ食べるのが悪いのは中高年に限定される可能性が最近のアカゲザルの研究でわかってきた.寿命の短いげっ歯類では,カロリー制限(食べたいだけ食べさせないこと)は年齢上昇とともに生ずる種々の障害を遅らせる効果,アンチエイジング効果が明確である52).一方,寿命が長く人類とげっ歯類の中間に位置する霊長類を対象とした研究では,その結果が分かれていた.まずメリーランド大学(University of Maryland)でのアカゲザルを対象とした1977~2001年に行われた研究では,カロリー制限群が8例と少数であるが死亡率は低下しており,対照群の死亡率はカロリー制限群の2.6倍であった12).その後,1987年から米国の国立加齢研究所(National Institute on Aging),1989年からウィスコンシン大学(University of Wisconsin)で,アカゲザルを対象に,好きなだけ食べさせる群と,それよりも3割減らした量を与えるカロリー制限群に分け生存率を比較した.その結果,ウィスコンシン大学ではカロリー制限群の生存率が高かったのに対し17),国立加齢研究所の結果では効果が認められなかった53).両研究を付き合わせて検討すると,カロリー制限開始の年齢に違いがあり,ウィスコンシン大学では開始年齢が7~15歳(サルの大人の年齢)なのに対し,国立加齢研究所は1~23歳と幅広かった.そこで2015年までの国立加齢研究所のデータを,実験開始時年齢によって若年実験開始群(1~14歳)と中高年実験開始群(16~23歳)に分けて解析すると,中高年で始めた場合はカロリー制限の効果がみられ,研究期間のどの時点でも対照群の死亡率は中高年カロリー制限開始群の約2倍であった.一方で,国立加齢研究所の若年実験開始群ではカロリー制限の寿命が延びる効果が認められなかっただけではなく,80%の死亡率には対照群より若年カロリー制限開始群のほうが早く到達し,統計学的有意に達していないものの雌群ではより明確であった54)
 アカゲザルの寿命の中央値は26年で,寿命の点ではげっ歯類と人類の中間に位置する.アカゲザルで,カロリー制限による長寿効果,加齢と関連する種々の疾患の発症を遅らせる効果を実験し,その結果を人類に還元することを目的に十分に検討・準備して始められた33).この30年に及ぶ研究でも若年実験開始群の38%がまだ生存しており,結論には達していないが,中高年で食べられるだけ食べてしまうのはよくないのは当然であるが,カロリー制限を若年から始めることは悪影響の可能性があることが示された54)

IV.痩せ礼賛とメディア,ファッションモデル
 痩せていてスリムな体型であることが美しいとする社会的価値観が蔓延する現代社会では,女性向けの雑誌にはいつもダイエットの特集が載り,テレビやファッション雑誌は美しさの象徴として痩せた女性を起用して,ふくよかな女性に対しては「太っている」として醜いというレッテルを貼り,からかいの視線が向けられる.
 このようなメディアの状況は,若い女性に「痩せて理想の体型になれば,人生における問題は解決される」といった幻想を与えており,このような痩せ礼賛の社会文化的価値観が,若い女性に過度のダイエット行動を起こさせ,極端な痩せや過食嘔吐といった病的な摂食行動を引き起こしている.
 メディアの影響が摂食障害発症の要因であることを示すには縦断的な研究が必要だが,ウクライナ10)やフィジー9)からの報告は,TV番組の影響の大きさがうかがい知れる.フィジーでは,TV放送が始まって3年後には病的な摂食行動,自己誘発性嘔吐が始まったと報告されている9)
 縦断研究は非常に手間のかかる研究であるので少ないが,メディアと摂食障害との関連を示すいくつかの研究がある.Dohnt, H. とTiggemann, M,19)の研究では,5~8歳の子どもたちが外見を重要視するTV番組を見ていると,1年後には自身の外見に対する満足度が減少していた.また,Harrison, K. とHefner, V.31)は7~12歳の子どもたちを調査し,TV視聴時間数が1年後の痩せ体型礼賛や病的な摂食行動と相関していることを見出した.
 実験的な研究については,すでに数多くある.例えばHarrisonとCantor, J.30)は女子大学生を対象に研究した結果,体型不満とテレビ視聴とに有意な相関を見出し,さらに痩せ礼賛と雑誌購読との間に有意な相関を認めた.Irving, L. M.34)は,一般の女子大生を対象に,過食症状の自己記入式質問紙の記入と,①痩せモデル,②平均サイズモデル,③オーバーサイズのモデルのスライドを見せる,④スライドを見せない,の4群に分けて,自己評価と体重体型への満足度を比較検討した.痩せモデルを見せられた群は平均サイズ,オーバーサイズのモデルを見せられた群より自己評価が低かった.また,体重への満足は,統計学的に有意にオーバーサイズのモデルを見せられた群,平均サイズモデル,痩せモデルを見せられた群の順番であった.また,痩せることへの圧力は,家族や仲間よりメディアからの圧力が大きかった.そして,現在,SNSからの影響が注目されている13)
 日本での研究も多い.女子大生を対象とした研究では,中学生以前から細くておしゃれなファッションモデルを雑誌で見ていると,おしゃれのために痩せたいという痩身願望や食事制限に関連していた56).そしてメディアの体型に対するメッセージをどれだけ内面化し,影響を受けているかを評価する尺度,Sociocultural Attitudes Towards Appearance Questionnaire32)の日本語版を用いた研究ではメディアのメッセージが内面化され,異常な食行動と有意に関連していた84)

V.各国での規制
 このような価値観に最も影響を与えているのが,メディアに露出するファッションモデルである.ファッションモデルに求められる痩せはますます加速しており,ファッションモデルの摂食障害の罹患率は非常に高いともいわれている(後述するように,業界は常に否定しているが).2005年にブラジル人のトップモデルが摂食障害により急死し,その後も数名摂食障害による死亡者が出たことから,欧米でも痩せすぎているファッションモデルについての議論が沸き起こり,2006年にはイタリア政府と業界団体は,BMIが18以下のファッションモデルのファッションショー出場の禁止措置をとった.そして,モデルは摂食障害ではないとの医師の証明書が必要となった7).スペイン政府も同年に同様の規制に乗り出している.2012年3月19日には,イスラエルで「低体重モデル使用規制法」が成立し,BMI 18.5以下を低体重と定め,モデル写真を商用使用するには,その3ヵ月以内の医師の診察(証明書)が必要とした47).デンマークでは2015年3月にデンマークファッション協会,服飾業界団体,モデル労働組合,デンマーク摂食障害協会,8つの主要なモデル事務所がデンマークファッション倫理憲章(Danish Fashion Ethical Charter)を制定したところ,すぐに300社以上がサインした18).憲章では25歳以下のモデルは強制的な身体検査を受け,危険があるときは摂食障害協会や精神科医に紹介することなどとしている.2015年にフランス国民議会がモデルとして就労するのに医師の診断書を必要とする,痩せすぎモデルを規制する法案を可決し現在施行されている6).2016年2月にアメリカのカリフォルニア州議会に痩せすぎモデルを規制する法案が提出され,審議されている68).2016年6月にはロンドン交通局が「非健康的な身体像」を載せた広告を規制すると発表し,痩せすぎた水着姿のモデルを使用した広告の掲載を中止した55)
 しかしながら,日本ではそのような取り組みはまったく行われていない.日本のファッション雑誌で活躍しているモデルの公表されている身長,体重からBMIを計算すると,BMI 14~16台のモデルが数多く存在し,健康を害するレベルでの低体重にもかかわらず,メディアに好ましい美の基準の持ち主として露出している.しかし日本を代表するファッションショーである東京コレクションを主催する日本ファッションウィーク推進機構は,新聞の取材に「日本のショーで問題があるほど痩せすぎのモデルはいない」と語っている78)

おわりに
 タバコ,アルコール,麻薬,賭博といった,人間の身体,精神を害するものの多くが医療モデルのみならず,法的規制を行うリーガルモデルの点からも,問題解決に向けてアプローチされてきた.摂食障害は稀な疾患ではなく,多くの若年女性が罹患し,一度罹患すると治療は困難を極め,生命の危険すらある.ダイエットの流行がなければ,これほどの摂食障害の広がりはなかった28).痩せすぎに至ると,無月経による不妊,子どもの低出生体重をはじめとする数々の将来への悪影響がある.そもそも低栄養(痩せすぎ)は寒冷とともに,心理的ストレスよりずっと明確な物理的ストレスであり70),免疫力の低下などを通じて数々の悪影響を及ぼす16)57)58).20歳代から60年,70年という長期の前向きコホート研究は事実上不可能であり,人類での直接のエビデンスを欠いていた.しかしアカゲザルのカロリー制限実験は,若年では好きなだけ食べられないほうが健康に悪い可能性を示している54)
 摂食障害は精神障害のなかで最も死亡率が高いだけでなく4),最もメディアの影響を受ける疾患である81).一方でメディア関係者の問題意識は薄い.事実,ある日本のファッション誌の編集長は「人と会えば健康関連の話をする時代.法律でしばる必要性は感じない」と話している76).それには「痩せ=健康」信仰の根深さがあり,「痩せすぎ」がいかに危険か,認識されていないからである.そして,痩せすぎたファッションモデル,女優,そのほか若年女性がメディアに出演,痩せ礼賛のロールモデルであることが,特に大きな批判を浴びずに今まできたのは,われわれ,専門家とされる人々の危機意識が低かったのではないかと反省させられる.肥満と大きく異なるのは,肥満では糖尿病,心血管障害を引き起こすことを,それらの専門家が積極的に啓蒙している点である.一方,健康体重であるにもかかわらずダイエットして痩せすぎになることは,精神科医しか,その危険性を認識し,声を上げられる専門家がいない.本稿を通じて健康体重でのダイエットと痩せすぎに最も関連する専門家である精神科医の認識が改められればと考える.

利益相反
 永田利彦 講演料:田辺三菱製薬株式会社
 宮岡 等 企業提供の寄付講座:持田製薬株式会社「地域児童精神医療学」
 上記以外の著者について,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

文献

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