摂食障害(摂食症),特に神経性やせ症は慢性化しやすく,追跡期間10年以上の研究をまとめると平均73.2%が寛解,8.5%が改善していた一方で,13.7%が慢性化し,9.4%が死亡していた.神経性やせ症の標準化死亡比は代表的な精神疾患より高い.慢性化した結果,重症遷延性神経性やせ症(SE-AN)となり,特定機能病院の精神科に対して入院治療要請がなされて,困難な状況に直面することも多い.その現実的な解決は,身体的合併症の治療的負担から忌避するのではなく,反対に早期発見,早期介入から慢性期までのすべての局面における精神科的治療に積極的に取り組むことである.現在の入院中心,身体面中心の治療には限界があり,地域包括,長期的視点からの治療が求められている.また,早期であっても,すでに先行する神経発達症,不安症,パーソナリティ症などの併存症を有している場合,予後不良となる可能性があるが,それらの併存症は現在,精神科医が主となって治療に取り組んでいる疾患ばかりである.そこで,まず,神経性やせ症は精神疾患のなかで最も顕著な脳のボリューム低下,精神のみならず体重のコントロールの困難さという素因の関与など,従来の精神疾患と同様の文脈で理解できる生物学的基盤を有していることを認識することである.そして,支持的精神療法をはじめとする,一般的な治療として定着している精神科医療を最大限動員することで,十分に回復させることが可能であり,精神科医が率先して取り組むべきである.
2)明治学院大学心理学部
3)国際医療福祉大学医学部精神医学
4)九州大学大学院医学研究院精神病態医学
5)北海道大学大学院医学研究院神経病態学分野精神医学教室
6)兵庫医科大学精神科神経科学講座
7)浜松医科大学精神医学講座
8)東京都立松沢病院
https://doi.org/10.57369/pnj.24-106
受理日:2024年5月8日
はじめに
現在の摂食障害支援拠点病院の設置基準は,令和3(2021)年度に「精神科又は心療内科外来を有する救急体制が整備された総合病院」から「精神科,心療内科,又は小児科外来を有する救急医療体制と連携がとれている医療機関」に「緩和された」が24),相変わらず身体面の治療を重視したものとなっている.その結果,摂食障害全国支援センターホームページに摂食障害治療施設リスト2022年版として掲載されているのは(2024年2月29日現在),総合病院(含む大学病院)精神科28,総合病院(含む大学病院)心療内科15,総合病院(含む大学病院)小児科17,公的精神科病院6,私立精神科単科病院18,精神科診療所10,心療内科診療所8(著者らによる集計)と総合病院の精神科・心療内科・小児科など身体的な入院治療が可能な施設に著しく偏り,身体面中心の医療となっている.
事実,摂食障害,特に神経性やせ症は栄養管理(心理教育などを通じて健康的な摂食を促すこと)が必須ではあるが,身体的合併症治療にとらわれているうちに精神疾患としての治療,特に慢性化要因が見過ごされ,難治化しやすい.その結果,重症遷延性神経性やせ症(severe and enduring anorexia nervosa:SE-AN)51)となって身体的な治療は限界となり,最終的にわれわれ精神科医が治療すべきであると紹介されてくる現実がある.総合病院での入院は治療資源に限りがあるうえに,長期入院は地域での生活の促進につながりにくく,現実的な解決策は,慢性例に対する救急体制の整備ではなく,発症早期の時点から精神疾患として積極的に治療し,慢性化を防ぐことである.
まず,現在の入院治療中心の限界を紹介し,近年の研究報告をもとに,神経性やせ症を中心に,これらの疾患が従来の精神疾患と同様の文脈で理解可能な,重篤だが回復可能な生物学的基盤を有する精神疾患(biologically based, serious and recoverable mental illnesses:BBMI)23)であり,精神科医療の対象とすべきであることを紹介する.そして,現在,すでに精神科単科病院・精神科診療所などが実践している地域支援に工夫を加えることで,摂食障害治療が可能であることを示す.そうすれば,早期発見,早期介入,慢性期におけるケア,リハビリテーションといった,すべての局面における治療,さらに発症の予防,啓蒙までのすべての場面において,精神科医療が責任をもって対応にあたることができると思われる.それは2022年2月3日開催の厚生労働省「第4回 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」での「第8次医療計画の策定に向けて」に記されている「摂食障害は,10代~40代の女性に多い疾患と言われ,心身の成長・発達,日常生活・社会生活に深刻な影響を与える.また,栄養障害,嘔吐等の症状により,生命に危険が及ぶ場合もあるため,摂食障害の影響が大きく長くならないうちに,地域で早期に専門的な支援を受けることができる体制を構築していくことが重要」25)と合致している.
I.入院治療の限界
Steinhausen, H. C.45)46)は,数多くの予後研究を検討した結果,神経性やせ症の46.9%が寛解(これまでの研究の平均値),33.5%が改善,20.8%が慢性化,5.0%が死亡としており,20世紀に数多くの治療研究がなされているが,予後が改善していないと指摘している.特に追跡期間が長くなるにつれて,寛解と慢性化・死亡の2極化の傾向があり,追跡期間10年以上の研究では,平均73.2%が寛解,8.5%が改善,13.7%が慢性化,9.4%が死亡であった.ところが追跡期間が4年以下では死亡は0.9%であったことから,慢性化と死亡との関連が推測される.神経性やせ症は精神疾患のなかで死亡リスクが最も高い.メタアナリシスでは神経性やせ症の標準化死亡比(基準となる集団と比べてどのくらい高いかを示す比,standardized mortality ratio)は5.86であり,5人に1人は自殺による死亡であった3).この率は他の精神疾患より高率で,例えば,デンマークの全人口を対象としたレジスターベースのコホート研究では,統合失調症と双極症の標準化死亡比はそれぞれ4.58,2.57であった27).摂食障害専門病棟の元入院患者の場合はさらに高く,スウェーデンの大学病院に設置された摂食障害専門病棟に1974~1994年の間に入院した患者を平均14年追跡調査した結果,入院時のBody Mass Index(BMI)が11.51以上では標準化死亡比は7前後であったが,11.50以下ではリスクは30前後に跳ねあがる42).特に,BMIが10.51~11.50では標準化死亡比が27.5であるのに対し,BMIが10.50以下になると,44.6と高率である.また,自殺も高率で,入院したときから2年の間の標準化死亡比は100.6である42).
これまで低体重に対しては入院治療しかなく,摂食障害専門病棟がない日本では,どうしても入院期間が長くなるか,十分な体重回復が得られる前に退院となる現実がある.しかし,欧米においても,摂食障害専門病棟で体重回復が得られ,さらに退院後,最大限にエビデンスに基づく治療が行われても,再発は高率である.Kaye, W. H. ら22)は,入院治療によっておおむね標準体重の90%まで回復した摂食制限型の神経性やせ症(下剤乱用例は含まれる)を対象に1年間にわたるフルオキセチンと偽薬とのランダム化比較試験を行った.その結果,偽薬群の84%は試験開始後3~4ヵ月以内に摂食制限の継続や体重減少などのために研究から脱落した.この研究を検証する目的でWalsh, B. T. ら52)は93例の入院治療によってBMIが19以上に回復した神経性やせ症を対象に,週に1回45分,合計50セッションの手厚い認知行動療法と並行しながらフルオキセチンと偽薬との1年間のランダム化比較試験を行った.その結果,実薬群と偽薬群の間に有意な差を認めなかったが,明らかな再発ではなくとも,治療効果不足などから多くが治療脱落し,全体で試験を終了できたのはわずか43%であった.
摂食障害専門病棟での治療は,行動療法的に体重を上げているだけという批判に応えて7),精神科医,臨床心理士,家族療法士,栄養士,看護師など多種職による認知行動療法的や力動的な治療も同時に行われており,退院時は体重のみならず,痩せ願望や肥満恐怖といった摂食障害に直接関連する症状も同時に正常に近い程度まで回復が得られる一方,これには天文学的な治療費が必要とされる33).また,種々の理由から欧米の摂食障害専門病棟への入院期間は制限され,十分な体重回復が得られないままに退院となることも多い15).
一方,日本での治療資源にはそもそも限りがあり,治療脱落や未治療のままに経過し,多くの大学附属病院精神科,総合病院有床精神科,公立精神科病院がSE-AN51)の入院治療を要請されて,困難な状況に直面している.Hay, P. とTouyz, S.17)はSE-ANを(i)摂食制限,低体重,体重・体型へのとらわれのため機能が障害された状態が持続,(ii)罹病期間3年以上,(iii)患者の摂食障害に対する健康認識能力や変化への段階を含む評価・定式化をもとに,エビデンスに基づく2つ以上の治療を適切に実施されたことがある,と定義する.これをそのままに日本で用いるにはいくつかの問題がある.1つ目は罹病期間である.海外でも定義は一定せず,Robinson, P. H.41)は前述のSteinhausen45)の神経性やせ症の予後研究の総説を引用して予後が固定化し始める10年とし,Touyzら50)はSE-ANを対象とした唯一のランダム化比較試験においては7年の基準を用いた.病歴3年は現実的に短すぎると思われ,7年か10年が妥当な線である.
もう1つは,エビデンスを有する2つ以上の治療を受けたという基準で,英国National Health Service(NHS)と共通点のあるオーストラリアの医療では,病歴3年のうちにエビデンスに基づく2つ以上の治療が実施可能であることを意味している.さまざまな問題点を指摘されていた英国NHSも,かなり改善しており,摂食障害の専門的治療がNHSにより無料で提供されている.しかし,専門的に構造化された治療は無期限ではなく,規定期間や回数に達すれば寛解に至らなくても家庭医に戻されてしまう.日本では,エビデンスに基づく2つ以上の治療以前に,上述の神経性やせ症を対象とした45分50セッションどころか52),強化版認知行動療法(enhanced cognitive behaviour therapy:CBT-E)マニュアルどおりの45~50分40セッション13)などエビデンスに基づく1つの治療も不可能に近い.また,一度も専門的な治療を受けたことがないまま10年,20年と慢性に経過した患者の急な入院要請もしばしばで,日本の現状に合わせたSE-ANの定義の検討が必要である.
このような,SE-AN症例に対する,最も基本的な方策は,発症早期の時点で慢性化させない治療である.それには,後述のように慢性化要因を早く見出し,それに合わせた治療を行うことである.さらに,未治療なままに慢性に経過している症例を含め,治療継続の困難さへの対処として,地域包括的な治療が求められている.
II.精神疾患としての神経性やせ症
神経性やせ症は,脳の画像研究により形態的な影響が大きく49),ゲノム研究によって精神のみならず,体重のコントロールの困難さという素因と関連していることが明らかになった55).そこで,神経性やせ症を中心に,従来の精神疾患と同様の文脈で理解できる生物学的基盤を有する,重篤だが回復可能な精神疾患(BBMI)であると,われわれの認識を改める必要がある23).
神経性やせ症の体重低下時の脳のボリュームの有意な低下などの形態変化は精神疾患のなかで最大とされる49).Kaufmann, L. K. ら21)が神経性やせ症26例を,BMIが15.5以下,15.5~17.5未満,17.5以上の体重回復の3段階で対照群と比較した結果,低体重では広範囲な皮質厚,皮質下体積の低下が認められたが,これらは体重回復とともに回復し,それは体重回復の初期が最も明らかであった.皮質厚の回復は罹病期間ではなく,年齢が関係しており,高年齢になるにつれて可塑性の低下の関与がうかがえた.また,平均BMIが18.4まで回復した治療終了時では,ほとんどの部位で対照群と差がないまで回復していたが,その時点でもごく一部(右上前頭皮質)はまだ回復していなかった.Brodrick, B. B. ら6)は,神経性やせ症・回復途中群37例(平均BMIが17.83),体重回復群32例(平均BMIが22.09),対照女性群41名を比較し,主に右側の帯状皮質,前頭葉の皮質厚が回復途中群で薄く,体重回復群では一部(右眼窩部)を除いて,対照群と差がなかった.ただ,体重回復群は回復途中群に比べ体重は回復しているが,自記式の摂食障害尺度得点,自己評価は回復途中群と同程度に病的な点数であった.ENIGMA(Enhancing Neuro Imaging Genetics through Meta Analysis)49)はメタ解析を通じた脳画像遺伝学コンソーシアムであり,43ヵ国の研究施設で作られた脳の画像データをもとにデータベースを作成し,解析を行っている.そのなかの摂食障害のワーキンググループ54)は,22の研究施設のデータを,神経性やせ症・低体重群466例,神経性やせ症・部分回復群251例,963名の健康対照群の3群間でT1強調画像を比較している.その結果,低体重群では広範囲な皮質厚,皮質下体積,皮質表面積の減少が認められた(Cohen’s dの効果量が最大0.95).一方,部分回復群ではそのような減少が顕著ではなく,体重(BMI)との相関が認められた.神経性やせ症の脳の構造への影響は,ENIGMA研究では精神疾患のなかで最大であった49).
さらにゲノム研究が大きく進み,摂食障害,特に神経性やせ症は,精神のみならず体重のコントロールの困難さという素因の上に成立している可能性が明らかになりつつある.Eating Disorders Working Group of the Psychiatric Genomics Consortium(PGC-ED)では,神経性やせ症の33のデータセットを統合して非常に大きなゲノムワイド関連分析が行われ,8つの感受性遺伝子座が同定された55).その結果,神経性やせ症は,強迫症をはじめとする精神疾患やパーソナリティ系の表現型のみならず,BMI,high-density lipoprotein(HDL),耐糖能といった脂質,糖代謝など代謝系表現型との間にも一塩基多型(single-nucleotide polymorphism:SNP)レベルでの遺伝相関が認められた55).そこで,神経性やせ症は,精神だけではなく,体重のコントロールの困難さも関連する代謝-精神疾患(metabo-psychiatric disorder)と概念化できると提案されている55).また,このようなSNPレベルによる遺伝率は,大うつ病性障害では8.9%19),注意欠如・多動症では14%10)であったのに対し,神経性やせ症では17%55)であった.ゲノムワイド関連分析は「きわめて多数のありふれた変異が精神疾患リスクに関与する」ことが示される一方,「それらで説明される遺伝リスクは一部に過ぎない」ため47),この結果は神経性やせ症の素因の一部を説明していると考えるべきであるが,生物学的基盤を有し,他の代表的な精神疾患と同じ文脈で理解できることが示されたことは大きい.
遺伝研究で有名なKendler, K. S. らのグループは5),2011年までの研究をまとめ,「疾患」とされる双極症の遺伝率は85%,統合失調症で81%,アルツハイマー病で75%,パニック症43%,大うつ病性障害37%,全般性不安症28%であったのに対し,従来は「行動の障害」とされる神経性やせ症も60%と非常に高く,従来の「疾患」と「行動の障害」との区別に疑問を呈している.そしてDSM-5から採用された診断名である回避・制限性食物摂取症の遺伝率は79%と,さらに高い値が報告されている11).このように摂食障害,特に神経性やせ症は従来の「疾患」と同様の文脈で理解可能であり,重篤だが回復可能な精神疾患であるとの主張23)がさらに確かなものとなっている.
III.現在ある精神科医療による治療
1.精神病理の変化
すでに摂食障害専門病棟をはじめとする治療環境が整っている欧米のガイドラインは摂食障害に特化した外来・入院治療が推奨されている2).一方で,数多くの治療研究がなされてきたものの,その予後は改善されていないと報告されたのが2002年であるが45),Walshらは2021年に「われわれはa now-outdated psychological treatment(古びた)治療を続けている」と自己非難している53).多くの治療法が提案されてきたが,特に後期青年期以降の神経性やせ症に対する外来治療では,他に比べて有意に有効な治療法はなく31),エビデンスを有するとされる人員の集中砲火的精神科医療は高額過ぎて33),日本の治療環境では絵に描いた餅に過ぎず,日本の現実に即した取り組みが求められる.
これを考えるには精神病理の大きな変化を念頭におく必要がある.現在,摂食障害は「年代,性的志向,人種,地域にかかわらず罹りうる」,ごく一般的な精神疾患となった2).実は,最近まで先進諸国の特定の人種,それも成績優秀・品行方正な良家の子女を突然襲う稀な病気であるとされてきた.往年の権威,Bruch H.8)が,檻であると同時に裕福な生活の保証の象徴である『ゴールデンケージ(金の鳥籠)』を題名にした書籍を出版し,母子間の葛藤が体型,食欲そして感情のコントロールに混乱をもたらすとしたのが1978年である.現在,家長制度,家を重視する価値観は薄らいでいるが,摂食障害患者には,この価値観が長く続いていた側面がある.
2001~2003年に大学病院を受診した摂食障害154例を対象に,成功,結果主義,親子関係,女性の伝統的役割などの価値観に関する質問紙を実施したところ,神経性やせ症は摂食制限型か過食・排出型の亜型診断に関係なく「子どもは自分の幸せを犠牲にしても,親の誇りとなるようにすべきである」といった項目を含む「親子関係」尺度得点が対照群より有意に高得点で,神経性やせ症過食・排出型と神経性過食症は「女性の伝統的役割」得点が対照群に比べて有意に高得点であった57).それから20年経ち,世界的には摂食障害は社会階層と関連しないと言われる現在,摂食障害患者の価値観研究は見当たらないが,もはや伝統的な女性の価値観,親子関係に縛られ続けているとは考えにくい.
それらを背景として,従来は摂食障害治療の基本として家族と引き離すことが暗黙の了解として存してきたが,これも変える必要がある.初めて神経性やせ症(anorexia nervosa)という病名を記したGull, W. W. が,少々のことで動じない,意識の高い人によって規則正しく患者に食事を供すべきであり,家族や友人は最悪の看護人としたのが14),ゴールデンケージ出版の約100年前である.同時代,Charcot, J. M. はパリでの講義(1882~1885年)で,家族・友人との接触禁止が重要で,環境からの隔離,特に両親からの隔離が治療上必須とした44).
現在,欧米のガイドライン2)では,成人期の神経性やせ症には,強化版認知行動療法13),モーズレイモデルによる神経性やせ症治療(The Maudsley Model of Anorexia Nervosa Treatment for Adults:MANTRA)43)を,成人期の神経性過食症にはCBT-Eが推奨される.一方,青年期に関しては,数多くのランダム化比較試験の結果,病歴3年未満,18歳以下という制限はあるが,神経性やせ症のみならず,神経性過食症に対しても家族をベースとする治療26)が第一選択とされるようになった.これは,(i)不可知論の立場から,病因論を棚上げし,家族病理としてきた従来の立場から家族を開放する.(ii)徹底的な外在化,すなわち,摂食障害は「エイリアン」であると,明確な病理であるとすることで両親による疑似的摂食障害専門病棟を実現する.(iii)外来治療であることから青年期の悩み(adolescent thinking)は早期に密な仲間関係に戻すことで自然な成長を期待するものである.われわれが学び取るエッセンスは,病歴3年未満,18歳以下といった発症早期に,病理を徹底的に外在化し,精神科医が適切に治療し,慢性化させないことである.事実,一般人口中の青年期発症の神経性やせ症は比較的予後良好である.Dobrescu, S. R. ら12)は,1970年生まれの一般人口4,291名を対象にして見出された24例と同時期の疫学調査で見出された27例の合計51例の神経性やせ症と,同じ学校で性別などをマッチさせた51名を,平均年齢で16歳から44歳までの約30年間追跡調査した.その結果,64%はまったく摂食障害症状を有さず寛解していたが,反対に19%が今なお,何らかの摂食障害診断を有した.ただ,1例も死亡例はなかった.上述のSteinhausen46)の研究でも青年期発症は死亡率が低かった.そして青年期の摂食障害治療において,徹底的に外在化すれば,究極的には入院治療は不要かもしれない.青年期の神経性やせ症(12~18歳)を対象に,退院後に20セッションの家族をベースとする治療を実施した場合,期待される体重の90%以上まで入院治療した場合と身体状態が安定するまでの短期入院では,その後の予後に何ら差がなかったとされ,摂食障害専門病棟での多職種介入でなくとも退院後,精神科医(または臨床心理士),1職種による介入であっても十分であった28).前述の低体重入院患者の予後研究42)からも,入院を回避できれば予後が良好である一方,外来治療が奏効しない場合,低体重に至らない前の早期の入院が重要とも言える.
2.治療の工夫
しかし,発症早期にあっても,先行する神経発達症37)39),不安症36),パーソナリティ症34)などの併存症を有している場合,予後不良となる可能性があり4),そこを正しく予見・診立てる必要がある35).それら併存症は,現在,精神科医が専門家として診療にあたっている疾患であることから,精神科医が治療にあたるのが最も適している.その治療にあたっては,すでに統合失調症,双極症,うつ病,不安症,神経発達症治療に向けて精神科医療が築いてきた入院,外来医療を最大限,総動員して治療にあたることができる.その延長線上で,統合失調症治療で培われた精神保健福祉士などと協力しての地域包括的な介入を利用するために,積極的に短期入院治療すべきという考え方もある18).
しかし,治療の適用には工夫が必要である.例えば,デイケアはリワークなどへ拡充されてきたが,摂食障害,なかでも神経性やせ症は,喩えれば「孤立していく病」であり,工夫をしなければ治療から脱落してしまう38)48).近年,依存症は「孤立の病」とされ,底つきからハームリダクションへのパラダイムシフトが喝采をもって迎えられている.安心して依存できる場である集団精神療法が提供されると,人に安心して頼れるようになり,回復するきっかけとなる.ところが,摂食障害,特に神経性やせ症は臨床的に意味のある完全主義,これを負けず嫌いと意訳できるが,集えば競争してしまい,特に神経性やせ症同士が集う場合に最も競争してしまう,「孤立していく病」であり38),治療からリハビリテーションへの転換は簡単ではなく48),神経性やせ症では集団精神療法が推奨されていない2).まずは個人精神療法などによって,負けず嫌いを落ち着かせ,集団に馴染めるようにすることが必要である.そして摂食障害患者同士を避けた「ごちゃ混ぜ」でのデイケアなどは,集団精神療法の利点である,人を助けることが自らに利益をもたらすことを実体験できる点,有用である38).
神経性やせ症をはじめとする摂食障害では個人に対する治療が重要であるが,最も期待されるのが,現在,日本で,ごく一般的な精神科医療として根付いている支持的精神療法である.欧米の摂食障害ガイドラインでは,成人の神経性やせ症に対してはCBT-E,MANTRA,時によって対人関係療法32)など,「ブランド」名を冠したエビデンスに基づく治療が推奨されており,日本でも研修の機会提供などが努力されている.しかし,その実施には十分な診療時間と,何よりも欧米でのオフィス開業,セルフペイにも耐えうる精神療法が実践されてきた基盤が必要となる.その証拠に,欧米で行われたランダム化比較試験では,背景因子の統制のため,1人のセラピストが認知行動療法と対人関係療法を使い分けたり1),認知行動療法と支持的精神療法を使い分けたりしている50).それらセラピストの層の厚さという基盤なしに翻訳マニュアルだけで日本で実施するには無理があるし,その有効性に疑問が呈されてきた30).
その点,支持的精神療法は,すでに日本で一般的な治療として根付いている.実は欧米で行われている精神療法の大多数が支持的精神療法である56).ただ,単純な支持的精神療法ではなく,表出的支持的精神療法,認知行動療法的支持的精神療法などのように専門的な治療に拡張されていることも多い56).神経性やせ症を対象とした支持的精神療法と栄養管理の組み合わせである専門的な支持的臨床管理(Specialist Supportive Clinical Management:SSCM)20)は,ランダム化比較試験で無効な対照として開発されたにもかかわらず,現実には有効であったことからガイドラインでも推奨されるようになった2).さらにはSE-AN向け改編版もあり16),その有効性が証明されている50).セッション録音の内容分析では,開始当初は栄養管理に多くの時間が使われるが,治療が進むにつれて支持的精神療法に比重が移っている29).追跡調査では,治療終結後に他の治療に予後の点で抜かれるが9),それは比較試験で無効な対照治療として開発された経緯から,支持的精神療法部分はクライエントから提起される問題に限定しているからである.現実世界の支持的精神療法は,治療者側から背景にある精神病理への働きかけにより,治療は一層の効果が期待できる.食事日誌や体重測定といった最低限の行動療法的アプローチや,栄養管理を組み合わせながら実施することで,たとえ,慢性・遷延性の症例でも回復が期待できる.ここで,日本の外来治療期間無制限が生き,地域包括との連携も可能となる.
おわりに
現在も摂食障害支援拠点病院の設置要件は「救急医療体制と連携がとれている医療機関」である.摂食障害,特に神経性やせ症,そしてSE-ANが救急医療に負担をかけているのは,慢性期に適切な治療につながらず,身体的な治療だけを求めて緊急搬送を要請するからである.そのような症例の大多数が,決して急性期ではなく慢性の症例であることから,正しい対処は「地域の精神保健福祉センターや保健所と連携して有効な治療に結びつける体制が整っている医療機関」である.その点,現在,重篤な精神疾患に対して精神保健福祉士が20分以上の面接・支援を行うことで1年に限り算定が認められている療養生活継続支援加算を,経験を有し精神科医と密に連携できている公認心理師などの心理職,看護職などの多職種に拡充するなど,精神科医の視座からの現在ある制度の拡充の提言が重要である.
神経性やせ症,特にSE-ANが身体合併症治療可能な基幹病院だけに集中し,患者・治療者の双方が不満を抱える現状にある.栄養管理(身体的合併症の治療ではなく)は必要であるが,本来,精神疾患として治療すべきであると精神科医自身が認識を新たにすることが必要である.それでこそ,本学会の「摂食障害治療に関する特別委員会」が提言するように40),精神科医療が築いてきた地域包括的な体制を最大限,総動員して,早期から慢性期の,どの病相期,どの重症度であっても精神科医が責任をもって診療にあたることができ,その実績が広く世に知られることで,根本的な解決に導かれると考えられる.
なお,本稿は「摂食障害治療に関する特別委員会」における討論をまとめた.
利益相反
中尾智博は,ヴィアトリス製薬合同会社(講演料),株式会社医学書院(アドバイザリーなど),それ以外の著者について,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.
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56) Winston, A., Rosenthal, R. N., Roberts, L. W.: Learning Supportive Psychotherapy: An Illustrated Guide, Second Edition. American Psychiatric Publishing, Washington, D. C., 2019 (2012年初版の翻訳, 大野 裕, 堀越 勝, 中野有美監訳: 動画で学ぶ支持的精神療法入門[DVD付]. 医学書院, 東京, 2015)