本稿では,精神疾患の医療計画とその指標の変遷について解説をするとともに,レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用した2013年度から2019年度における精神科医療サービスの経年変化を紹介することを目的とする.NDBの分析結果から,(i)精神病床の入院医療では,超高齢化に伴う身体合併症への医療提供・評価が求められること,(ii)一般病床の入院医療では,看護師による認知症に対する医療提供体制が構築されつつあるが,その医療機関の大部分は,精神科コンサルテーション・リエゾンを行える体制にないため,精神科医師による関与の余地があろうこと,(iii)精神科外来では,外来患者数の顕著な増加に伴う変化に注視が必要であることを紹介した.
医療計画の指標等をもとにした精神科医療サービス提供の経年変化―レセプト情報・特定健診等情報データベースの活用(2013~2019年度)―
一般社団法人臨床疫学研究推進機構
精神神経学雑誌
125:
771-778, 2023
https://doi.org/10.57369/pnj.23-109
https://doi.org/10.57369/pnj.23-109
<索引用語:医療計画, 医療政策, 臨床評価指標, 重要業績評価指標, PDCAサイクル>