身体症状症の難治例では,患者に適合する治療法を選択し,患者に合わせ修正を加え,時には複数の治療法を組み合わせるなど,テーラーメイドの治療を行う必要がある.薬物療法については,増強療法などの工夫が必要になることが多い.また,nocebo反応に十分配慮すべきである.認知行動療法(CBT)においては,アドヒアランス向上のために,回数,内容,形式(個人あるいは集団など)を検討する必要がある.アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)および森田療法は,従来の医学モデルとは異なり,症状の消失を治療目標とせず行動の変化を促す点が共通し,まさに難治例に適合する治療法といえる.
身体症状症の治療戦略―難治例へのテーラーメイド治療―
1)京都第一赤十字病院精神科(心療内科)
2)京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
3)名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
4)名古屋市立大学病院いたみセンター
5)東京慈恵会医科大学精神医学講座
2)京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
3)名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学
4)名古屋市立大学病院いたみセンター
5)東京慈恵会医科大学精神医学講座
精神神経学雑誌
125:
1010-1022, 2023
https://doi.org/10.57369/pnj.23-145
受理日:2023年7月29日
https://doi.org/10.57369/pnj.23-145
受理日:2023年7月29日
<索引用語:身体症状症, 薬物療法, 認知行動療法(CBT), アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT), 森田療法>