Minkowski, E. の思想を特徴づけるのは,生命的なものという領域にその軸足を置き続けたことである.それは,精神と身体,心と脳といった不毛な二項対立が,解決も解消もされぬまま並立している現在の精神医学にとって,語り継がれるべき貴重な水脈である.そのなかにあって,今回は彼の主著である“La schizophrénie”を取り上げ,生命論的な視点から解説を加えた.
Eugène Minkowski―統合失調症の精神病理―
東京藝術大学名誉教授
精神神経学雑誌
125:
982-988, 2023
https://doi.org/10.57369/pnj.23-139
https://doi.org/10.57369/pnj.23-139
<索引用語:ミンコフスキー, ベルクソン, 統合失調症, 分裂性, 現実との生ける接触>