Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第125巻第1号

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原著
生活習慣と睡眠の問題が精神的不調に与える影響についての縦断的分析
志村 哲祥1)2)3), 石橋 由基3)4), 横井 克典3)5), 西川 朋希2), 岬 昇平2), 小嶋 麻美2), 今泉 佑花6), 古井 祐司7), 井上 猛1)
1)東京医科大学精神医学分野
2)医療法人社団東京桜十字保健サービス開発部
3)株式会社こどもみらい学術部
4)慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室
5)国際医療福祉大学医学部
6)東京医科大学医学部
7)東京大学未来ビジョン研究センター
精神神経学雑誌 125: 27-41, 2023
https://doi.org/10.57369/pnj.23-004
受理日:2022年9月21日

 【目的】社会全体におけるメンタルヘルス対策の拡充は急務であるが,集団に対する効果的な予防施策は確立されていない.一方,人間は必ずしも心理的ストレスや職業性ストレスなどの要因のみで精神的不調をきたすわけではない.近年の研究では生活習慣や睡眠とメンタルヘルスとの関係が示唆されており,予防医学的に重要である可能性があるが,複数の生活習慣について包括的に調査した縦断研究は乏しく,さらに,オフィスワーカーにおいて職務上の要因も統制した研究はほぼ皆無である.ここで,縦断調査を行うことによって,生活習慣や睡眠の要因がどの程度オフィスワーカーのメンタルヘルスに影響を与えるのかを調査した.【方法】2017年に,東京都内の17事業所計3,314名の従業員を対象に,職業性ストレス簡易調査票,生活習慣に関する質問,ピッツバーグ睡眠質問票からなる質問紙調査を実施し,2,905名から調査への同意と有効回答を得た.このうち2,289名が翌2018年にも有効回答を行った.この2,289名のデータについて,過去の生活習慣や睡眠の問題が,将来時点の心身のストレス反応や,その過去と将来との差分に与えている影響を,重回帰分析および時間経過を加味した因果関係を推定できる交差遅延効果モデルによる共分散構造分析(パス解析)によって検討した.【結果】通勤時間,食事の時間の不規則さ,野菜類の摂取頻度の少なさ,飲酒,寝室で朝日を浴びないこと,就寝1時間前以内の夕食,電子デバイスのディスプレイを就寝直前までや寝床のなかでも使用すること,夜間のカフェイン摂取,座位行動などが,仕事のストレス要因や周囲のサポートを調整したうえでも有意にストレス反応やその増減と関係していた.交差遅延効果モデルは,過去のストレス反応が現在の生活習慣や睡眠の問題を予測する度合いよりも,過去の生活習慣や睡眠の問題が現在のストレス反応を予測する度合いのほうが大きいことを示した.【考察】生活習慣と睡眠は職務要因などとは独立してオフィスワーカーの心身のストレス反応に影響を与えており,さらに,将来のメンタルヘルス不調の原因となる.メンタルヘルスとかかわる生活習慣や睡眠の改善は,メンタルヘルス不調の一次予防となりうる.

索引用語:生活習慣, 睡眠, レジリエンス, メンタルヘルス, 予防医学>

はじめに
 メンタルヘルスの改善,メンタルヘルス疾患の予防は,精神医学のみならず公衆衛生的にも重要であり急務である.日本における自殺率は先進諸国のなかでは引き続き最悪の部類にあり41),2000年代をピークに低下していた自殺率は近年下げ止まり,2020年には増加に転じている26).就労者においても,精神疾患の労災認定件数は増加を続け25),不幸な転機も後を絶たない.
 メンタルヘルス不調を予防する方法論は発展途上である.効果的な自殺予防対策は国内外を問わず模索が続いている段階であり11)42)56),さらにその多くは臨床的な介入や早期対処を中心としており,集団に対する有効な施策や一次予防策に乏しい.日本の労働者では,そのメンタルヘルスの状態を把握するツールとして,2015年から心理的な負担の程度を把握するための検査(いわゆるストレスチェック)制度が施行されている.しかし,労働者が自身のメンタルヘルスの不調を把握できたとしても,どのようにすればそれが改善できるのか,その対処策の手がかりに乏しい.
 一方で,人間は,ライフイベントや職務上のストレスなどをはじめとする心理的ストレスだけでメンタルヘルスの不調を生じるわけではない.心身の健康や疾患に関連する要因は他にもあり,睡眠や,食生活などのいわゆる生活習慣との関連が近年挙げられている.仮に睡眠や生活習慣がメンタルヘルスの不調の「原因」となるのであれば,この改善はメンタルヘルス不調の一次予防となりうる.また,すでに何らかの不調が生じているが,ただちに臨床的介入や心理的ストレスの軽減ができないような場合でも,セルフケアとしてその不調を改善させ,進展を予防できる方策となる.心理的な問題は当人も第三者も即座の把握や解決が困難であることが多く,さらに,個別性やプライバシーの問題が内在するために集団に対する介入も困難であるところ,生活習慣は普遍的な事象であり,プライバシーにかかわる事項に足を踏み入れずともその対処や介入,啓発が可能であることから,集団に対するメンタルヘルス不調の一次予防の施策として有用である可能性もある.
 日本におけるコホート調査は,野菜類や果物,魚食に代表される健康的な食生活が自殺率と関連し,良好群に対し不良群ではおよそ倍のリスクが生じることを示している36).その他にも複数の研究やメタアナリシスが,同様に健康的な食材の摂取と抑うつとの関連を示している27-29)32)37)38).また,運動は軽度ないし中等度のうつの改善あるいは予防効果をもつとする研究が複数存在し44),希死念慮や自殺企図8)22)53),不安についても正の効果が知られる5)48)49).そして,睡眠はメンタルヘルスとの関連が非常に強い要因である.睡眠不足や睡眠障害は,神経の微小構造の破壊3)や,視床下部―下垂体―副質系(hypothalamic-pituitary-adrenal axis:HPA axis)の亢進を介した神経新生の阻害12)といった器質的ダメージを脳に与える.睡眠の問題はうつ病や不安障害の強いリスクとなることが一貫して示されている2)15)30)40)58)
 しかしながら,これらの研究にはメンタルヘルスに対する生活習慣の影響を検討するうえでさまざまな問題がある.まず,多くの研究では交絡しうる要因の統制が不足している.例えば業務が過多となり残業が増えれば,睡眠時間が減少したり朝食の欠食が生じたりすることは容易に想定されるが,このときその双方を同時に分析しなければ,メンタルヘルスに直接影響を与えたのは仕事のストレスなのか,あるいは睡眠や生活習慣のどちらなのかは判断することができない.さらに,単独の生活習慣項目についてのみ調査がなされているものが多く,複数存在する生活習慣の項目のうち,どれが本当にメンタルヘルスに対して重要なのかが不明である.すなわち,例えば「野菜を食べていないし,朝食は欠食しているし,毎日飲酒しているし,運動もしていないし,睡眠も質が悪い」ような場合に,そのすべてに最初から改善を促すことは現実的ではないが,そのうちどれから手をつけることがメンタルヘルス上重要なのか,現状ではその手がかりがない.そして,いくつかの研究17)39)51)55)ではこれらの問題は調整されているものの,横断研究であり,生活習慣の乱れがメンタルヘルスに影響を与えていたのか,あるいは,精神的不調がライフスタイルの乱れを引き起こしていたのか,あるいはその双方なのか,その因果関係が不明である.これまで,オフィスワーカーにおいて職務上の要因も統制し,複数の生活習慣を包括的に調査した縦断研究は皆無である.そこで本研究では,縦断調査を行うことによって,睡眠や食生活などの生活習慣がどの程度オフィスワーカーのメンタルヘルスに影響を与えるのかを調査した.

I.方法
1.対 象
 2017年に,東京都内の17事業所,計3,314名の従業員を対象に質問紙調査を実施し,2,905名(87.7%)から調査への同意と有効回答を得た.これら事業所は商社,IT,ゲーム制作,飲食,人材派遣,放送,金融,ヘルスケア,コンサルティング,映像制作,官公庁,アパレル,印刷,音楽制作,化学工業,貿易業から構成された.工業・製造業が含まれているものの,本調査は東京に存在する事業所において実施されており,回答者は基本的にオフィスワーカーである.これら参加者のうち,翌2018年に同一の質問紙に対して有効回答を行った2,289名(69.1%)を調査の対象とした.
 本研究のデータは収集段階ですべて匿名化されており,個人の特定が不可能である.本研究は東京医科大学医学倫理審査委員会の承認を受け実施した(承認番号:SH3652).

2.質問票
 質問票は,性別,年齢,婚姻状況,居住状況を尋ねる人口統計学的データ,業務に関連して,残業時間と通勤時間,直近1年間の仕事内容や生活の大きな変化の有無に関する質問,職業性ストレス簡易調査票(Brief Job Stress Questionnaire:BJSQ)24)45),ピッツバーグ睡眠質問票(Pittsburgh Sleep Quality Index:PSQI)6)9),そして生活習慣に関する包括的な評価項目から構成された.
 BJSQはリッカート尺度であり,仕事の量的負荷や職場の人間関係など,仕事のストレス要因を評価する17問の設問からなる領域A(得点レンジ17~68点),活気,イライラ,疲労感,不安,抑うつ,身体愁訴から構成される29問の設問からなる心身のストレス反応を評価する領域B(得点レンジ29~116点),そして,職場内や家族・友人などからの,周囲のサポートを評価する9問の設問からなる領域C(得点レンジ9~36点)から構成される.また,付随的に仕事と生活の満足度を評価する2問の設問も存在する.本研究においては各項目の合計点を使用し,それぞれ得点が高いほど,強い仕事のストレス要因,強い心身のストレス反応,弱い周囲のサポートを示す.
 PSQIは7つのコンポーネントからなる睡眠の問題(sleep disturbance)の度合いを評価する尺度であり,睡眠の主観的質(C1),入眠潜時(C2),睡眠時間(C3),睡眠効率(C4),睡眠困難(C5),睡眠薬の使用(C6),日中機能障害(C7)からなる.各項目(コンポーネントと呼ばれる)は0~3点の間で得点がつけられ,合計得点(グローバルスコアと呼ばれる.得点レンジは0~21点)が高いほど睡眠が障害されていることを示し,日本語版においては6点以上で「睡眠に問題あり(poor sleeper/existence of sleep disturbance)」とみなされる.
 生活習慣については,直近1ヵ月における,食事の時間の不規則さ,朝食欠食の有無,夕食時間(就寝前1時間以上前/1時間以内/欠食),野菜・きのこ・海藻類(野菜類)の摂取頻度(毎日/毎日未満か),飲酒頻度(全くなし/機会飲酒/毎日飲酒),週あたり飲酒量(ドリンク換算),運動習慣有無,1日のなかでの座位行動の占める時間の割合,寝室は起床時に朝日が入り明るいかどうか,1日のなかで電子デバイス・ディスプレイを最後に使用する時間(就寝前1時間以上前にやめる/就寝直前まで使う/寝床のなかでも使用),夜間にカフェイン含有飲料を摂取する頻度(なし/時々/毎日)の状況について質問した.

II.分析
 はじめに,母集団の分布について基本統計量を確認し,t検定,Pearsonの相関係数,あるいは一元配置分散分析(one-way ANOVA)により,睡眠の問題や生活習慣の状況による各年度のBJSQの心身のストレス反応合計点の差を検討した.
 次いで多変量解析として,前年度の心身のストレス反応あるいは次年度の調査における心身のストレス反応との差分(増減)を目的変数に,生活習慣を説明変数にし,さらに統制要因として人口統計学的データや仕事のストレス要因などの各種要因を調整した重回帰分析を実施し,仕事の状況などを統制したうえでの,前年度の生活習慣がその年の心身のストレス反応や,1年後の心身のストレス反応の増減に与えている影響を明らかにした.また,当該重回帰分析から得られた回帰係数をもとに,各生活習慣要因がメンタルヘルスの変動に与える影響の大小を反映した合成変数(メンタルヘルスにかかわる生活習慣スコア)を作成した.変数減少法による変数選択を実施した重回帰分析では,投入基準P<.10,除外基準P<.05とした.
 最後に,因果関係を推定するために交差遅延効果モデルを作成し,睡眠の問題や生活習慣がその後のメンタルヘルスの悪化や改善をもたらしているのか,あるいは,メンタルヘルスの状態がその後の睡眠や生活習慣に影響を与えているのか,どちらが原因でどちらが結果であるのか,あるいはその両方であれば,その割合はそれぞれどの程度であるのかを検討した.交差遅延効果モデルはパス解析(構造方程式モデリング)を用いた縦断的パネルデータの分析手法の1つであり,時間は過去から未来へ流れ,未来の要因は過去の要因の原因にはなりえないことから,パスの向きは原理的に一方向に固定されることを利用し,因果関係の度合いの計算を可能とするものである13)図1).パス解析のモデル適合度は既存尺度に従い,χ2が非有意(P>.05),GFI(goodness of fit index)>.95,AGFI(adjusted GFI)>.90,CFI(comparative fit index)>.97,NFI(normal fit index)>.95,RMSEA(root mean square error of approximation)<.05を「Good Fit」の基準とした43)
 分析にはIBM SPSSバージョン23とIBM SPSS Amosバージョン22を使用し,統計学的有意性には95%水準を採用した.

図1画像拡大

III.結果
1.基本統計量と比較
 2,289名中,男性は1,502名(65.6%),女性は781名(34.1%),その他・無回答(0.3%),平均年齢は37.5±9.2(標準偏差)歳であった.月あたり残業時間の平均は24.9±27.0時間,仕事のストレス要因の平均点は38.9±6.3点,周囲のサポートの平均点は19.7±5.3点,心身のストレス反応の平均点は56.2±13.7点であった.その他変数の状況,また,各変数と,前年度の心身のストレス反応の平均値,および,次年度と前年度との心身のストレス反応の平均点の差分との比較の結果を表1に示した.

2.諸要因を統制した多変量解析
 次年度(T1)の心身のストレス反応を目的変数とし,次年度(T1)と前年度(T0)の生活習慣や睡眠の問題を説明変数とし,さらに性別や年齢,仕事の状況などを統制要因として調整した重回帰分析の結果を表2に示す.
 変数減少法により変数を縮約したモデルでは,その年の通勤時間(回帰係数=.025pt/分,標準化回帰係数(β)=.045),食事の時間が不規則(2.784pt,β=.082),野菜類を毎日摂取しない(3.288pt,β=.093),機会飲酒(-1.281pt,β=-.039),寝室で朝日を浴びていない(1.667pt,β=.056),電子デバイスのディスプレイを就寝直前に使用する(1.377pt,β=.048),夜間にカフェインを毎日摂取する(1.423pt,β=.049),前年度の食事の時間が不規則(1.573pt,β=.046),前年度の座位行動時間(4.622pt/%時間/日,β=.061),電子デバイスのディスプレイを寝床のなかでも使用する(1.828pt,β=.059),といった生活習慣が,諸要因を統制したうえでもストレス反応に影響を与えている項目であり,このモデルは,次年度のストレス反応の変動の42.8%を説明した(F=82.449,P<.001,自由度調整済みR2=.428).
 生活習慣の状況がメンタルヘルスの改善あるいは悪化に与える影響を明らかにするために,次年度と前年度との心身のストレス反応の合計点の差分を目的変数に,前年度の生活習慣を説明変数にし,性別や年齢,仕事の状況などと,前年度のストレス反応の点数を統制要因とした重回帰分析の結果を表3に示す.変数減少法で変数を縮約した結果,心身のストレス反応の増大に関連する生活習慣要因として,通勤時間(.016pt/分,β=.034,P=.084),食事の時間が不規則(1.670pt,β=.049,P=.007),就寝前1時間以内の夕食(1.410pt,β=.038,P=.056),野菜類を毎日食べない(1.369pt,β=.047,P=.019),機会飲酒(1.079pt,β=.040,P=.093),座位行動時間(2.382pt,β=.038,P=.048),寝室で朝日を浴びていない(.954pt,β=.039,P=.043)が検出された(F=37.405,P<.001,自由度調整済R2=.160).なお,睡眠の問題はそれ自体が生活習慣(睡眠衛生)の結果としての側面をもつこと,また,睡眠障害は本人自ら改善することは困難な要因も含まれることから,説明変数に投入していない.本分析の結果で抽出された生活要因に関して,その回帰係数を各生活習慣の回答結果に乗じて合計し,合成変数(メンタルヘルスにかかわる生活習慣スコア)を作成した.この生活習慣スコアには各生活習慣要因が次年度のメンタルヘルス状況の変動に与える影響量の大小が反映されている.

3.交差遅延効果モデル
 生活習慣スコアや睡眠と心身のストレス反応との因果関係を検討するために交差遅延効果モデルを作成し,その効果量を検討した結果を図2, 図3, 図4に示す.図2および図3のモデルは飽和モデルであり,パス解析のモデル適合度は飽和している.
図2は生活習慣スコアと心身のストレス反応との関連を示す.過去の生活習慣は将来の心身のストレス反応を予測し(標準化パス係数=.075,P<.001),それは過去の心身のストレス反応が将来の生活習慣スコアを予測する度合い(.052,P=.001)よりも大きいことが明らかになった.
図3は睡眠の問題(PSQI)と心身のストレス反応との関連を示す.過去の睡眠の問題は将来の心身のストレス反応を予測し(.154,P<.001),それは過去の心身のストレス反応が将来の睡眠の問題を予測する度合い(.076,P=.001)よりも大きいことが明らかになった.
図4は睡眠と生活習慣を1つの概念として潜在変数化したうえで,心身のストレス反応との関連を示した結果を示している.本モデルの適合度指標はχ2=2.395(P=.494),GFI=1.000,AGFI=.998,CFI=1.000,NFI=.999,RMSEA=.000と良好であり,Good Fitであった.ここで,過去の生活習慣と睡眠の問題は将来の心身のストレス反応を強く予測する一方で(.322,P<.001),過去の心身のストレス反応は将来の生活習慣と睡眠の問題を有意に予測しないことが示された(-.024,P=.817).このモデルは将来の心身のストレス反応の変動の46.0%を説明した.
 心身のストレス反応得点の下位スコアである活気,イライラ,疲労感,不安,抑うつ,身体愁訴についても,それぞれ交差遅延効果モデルを作成してパス係数を算出した結果を表4に示す.生活習慣・睡眠の問題は次年度の活気(標準化パス係数=.213),イライラ(.174),疲労(.300),不安(.255),うつ(.253),身体愁訴(.227)のいずれをも有意に予測し(P<.001),生活習慣と睡眠と分けた場合でも同様の結果を示し,その度合いは,いずれも過去のメンタルヘルスの状況が将来の生活習慣と睡眠の問題を予測する度合いよりも大きい係数を示した.

表1画像拡大表2画像拡大表3画像拡大
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IV.考察
 本研究は,一般のオフィスワーカーにおいて,生活習慣と睡眠の問題がメンタルヘルスに与えている影響を,仕事の状況なども調整したうえで包括的かつ縦断的に調査した,世界的にも初めての研究である.さらに,因果関係の効果量についても統計的に推定を行った点が本研究の強みである.分析の結果からは,複数の生活習慣や睡眠の問題が有意に将来のメンタルヘルスの状況に影響を与えること,それらは諸要因を調整してもなお有意であること,時系列を利用した解析によって,生活習慣や睡眠の問題は不調の結果として生じるのではなく,不調の原因となる側面のほうが大きいこと,そして,その効果量はそれぞれの要因によって大小があることが明らかとなった.
 本研究において,パス解析による交差遅延効果モデルは,次年度の心身のストレス反応の変動の約46.0%を説明していたが,これらは前年度の心身のストレス反応のベースラインと,前年度の生活習慣と睡眠の問題から予測されるものであった.特に,前年度の生活習慣が次年度の心身のストレス反応に与える影響は,ベースラインの心身のストレス反応が次年度の心身のストレス反応に与える影響と,あまり遜色がない効果の大きさをもつことが示されており,生活習慣と睡眠の問題がメンタルヘルスに与える影響は大きいことを示している.さらに,生活習慣と睡眠の問題は前年度の不調の結果として生じているわけではないことも示されており,生活習慣と睡眠の問題は独立した要因であることがわかった.
 メンタルヘルス不調の一次予防の重要性は論を俟たないが,その具体的な方法論は発展途上であるところ,本研究の結果から,生活習慣と睡眠の改善が重要な役割を果たせる可能性が示唆された.また,生活習慣や睡眠で改善すべき問題が多岐にわたる場合でも,本結果から明らかになったそれぞれの係数を参照することで,よりメンタルヘルス不調に与えている影響が大きいと考えられる項目へ優先的に対処することも可能であり,メンタルヘルスの改善につなげるために保健指導として,本知見が有用となる可能性がある.
 既存の研究でもメンタルヘルスとの関連が示されているもの,あるいは,あまり注目されていないものとメンタルヘルスとの関係が本研究では明らかになった.
 食事に関しては,野菜類とメンタルヘルスとの関連27-29)32)36-38)は,本研究でも,その摂取頻度を把握するだけであっても差が見いだされた.野菜類に多く含まれる葉酸の欠乏はうつを引き起こすこと,逆に,継続的な摂取でうつの発症リスクが低下しうること1)4)などとも整合的である.野菜類がメンタルヘルスに与える影響には,高血糖の予防効果20)や腸内環境の改善効果など,他にも多くの機序があると考えられる.また,食事の内容のみならず,そのタイミングの重要性も示された.抑うつとの関連が示唆されている朝食の欠食39)は本研究の多変量解析で有意な差を生じなかったが,食事時間の規則性や就寝直前の夕食はメンタルヘルス不調と関連した.食事時間の規則性は体内時計を整える観点から心身の健康に重要である可能性が示唆されており19)50)57),それと整合的な結果である.就寝直前の夕食はわずかに有害である可能性があった.なお,適切な夕食時刻については既存研究に乏しく,就寝3時間前以内の摂食が胃食道逆流症と関連するなどの知見が知られている14)などにとどまる.飲酒に関しては,機会飲酒は横断的には低いストレス反応との関連が見いだされたものの,多変量解析で経時的にみた場合は,機会飲酒も毎日の飲酒も,いずれも将来のメンタルヘルスを悪化させるという,横断面と縦断面で背反する結果を示した.横断的にみた場合には,メンタルヘルスに問題がない者は飲酒の機会も多く確保される,あるいはアルコールをある程度の量飲むことができるということを意味している可能性がある.一方,縦断的にみた場合には,アルコールの摂取はメンタルヘルスに望ましくない影響を与えていた.これは,飲酒は用量依存的に健康リスクが生じ,健康的な飲酒適正量はゼロであるとする近年の結果16)と整合的である.また,飲酒量ではなく飲酒頻度が有意な要因として検出されており,飲酒頻度の多さ(休肝日の少なさ)が将来の死亡率と関係する34)というコホートの結果とも類似である.アルコールは神経新生の阻害7)などを生じる.高頻度の飲酒は脳が常にアルコールに曝露している状態を作り出し,回復する間もなく脳に器質的ダメージを与え続けてしまい,結果的にメンタルヘルスを損なう可能性がある.
 運動習慣は本調査ではごくわずかな効果量しか見いだせなかった.運動の精神的健康に与える影響は限定的であるとの既存研究もあり18),複数の生活習慣を調整した本研究で有意な差が生じなかったのはその寄与度の小ささを反映している可能性もある.一方で,運動習慣の有無しか尋ねなかった本研究の限界も示唆される.学生を対象としたコホート調査54)は運動,喫煙,社会的リズム33)が将来のメンタルヘルスの状況を予測することを示しており,運動についてはさらなる検討が今後必要である.一方で,抑うつとの関連が知られている座位行動の多さ52)は,本研究では多変量解析を通じてメンタルヘルス不調に与える影響が示された.単変量解析では有意な差を生じず,多変量解析で差が生じたのは興味深い結果であり,統制要因の調整がその真の効果量を表した可能性がある.すなわち,身体的負荷を伴う業務が過多となったり,長い通勤時間を強いられたりした場合,座位行動は減少しうるが,ストレス要因自体は増大する.この調整が重要であった可能性がある.
 睡眠と睡眠衛生として知られる項目もメンタルヘルスに関連する重要な因子として検出された.遮光カーテンや雨戸の使用や,日当たりが悪いなどで,寝室で朝日を浴びないこと,また,就寝直前あるいは寝床のなかで電子デバイスのディスプレイを使用すること,夜間にカフェイン飲料を摂取することは,睡眠の問題と関連することが示されている47).本研究でもこれらの項目は前年度および次年度の心身のストレス反応との関連では有意であったが,睡眠と統制要因を調整すると,就寝直前あるいは寝床のなかでも電子デバイスのディスプレイを使用すること以外の有意性が消失した.ストレス反応には睡眠を介して間接的に影響すると考えられることから,直接的には弱い関連しか示さなかったことなどが要因として考えられる.しかしこれはこれらの項目の重要性を否定するものではない.睡眠の問題自体が心身のストレス反応に対して非常に影響の大きな因子であったことから,睡眠に問題がある者は,これらの項目の改善は重要であると考えられる.睡眠の問題は,それ自体も仕事のストレスの結果として引き起こされる場合があるが21)23)35),全体としてみた場合にはその影響は比較的限定的であり,過去の横断研究は,仕事のストレスや周囲のサポートが睡眠の問題を説明する程度は約14%に過ぎないことを明らかにしている46).本研究で,睡眠の問題は,不調の結果というより,不調の原因となっている度合のほうが2倍程度大きいことが示された.睡眠の改善は,将来のメンタルヘルス不調の予防に重要である可能性が高い.なお,日本人全体の2割31),ホワイトワーカーの45%10)は睡眠の問題を有しているとされ,睡眠の問題の改善によるメンタルヘルス不調の改善余地は非常に大きい.
 本研究で得られた重要な結果の1つに,経時的にストレス反応を増加させてしまう,あるいは,減少させる生活習慣と,その度合が同定できたことが挙げられる.最終的に抽出された要因には,本分析では,その影響量(回帰係数)の大きい順に,毎日の飲酒,食事の時間が不規則,就寝1時間前以内の夕食,野菜類を毎日食べないこと,機会飲酒,寝室で朝日を浴びていないこと,が挙げられ,また,座位保持時間と通勤時間の長さには用量依存的な弊害が認められた.例えば,片道120分の通勤時間は,毎日の飲酒と同等程度のメンタルヘルス悪化リスクをもたらすと推算される.労働者がこれらの要因を複数もっていた場合,本人にとっての改善のしやすさも勘案しながら,係数の大きい項目の改善を優先的に促すことで,ある種の行動療法として,効率的に将来のメンタルヘルスの問題を軽減できる可能性がある.また,一般的には健康に関連する生活習慣として「食事,運動,休養(睡眠),飲酒,喫煙,口腔衛生」が挙げられる.このうち後述のように本研究では「食事,運動,休養(睡眠),飲酒」のみを調査しているという限界があるが,この項目のなかでは,食事と休養と飲酒の影響がメンタルヘルスの変動に与える影響が大きいことが示された.
 本研究には複数の限界が含まれる.第1に,本調査は質問紙調査であり,得られたデータは客観的に測定されたものではない.食事,運動,睡眠習慣は,いずれも本人申告による主観的データであり,値の不正確さを内包している.このため,統計解析で得られた数値にも不正確さが残存する.第2に,本研究では影響力の推定に単純な多変量の回帰分析を用いている.多岐にわたる項目を説明変数として分析しており,統計的にαエラーや過学習,多重共線性を生じやすい構造にある.多岐にわたる生活習慣項目を同時に検討するために多くのサンプルを確保しており,また,複数年度の同一項目を同時に投入した重回帰分析のモデルでもvariance inflation factor(VIF)は許容可能な範囲であったが,統計手法としてのリスクが原理的に存在する.第3に,メンタルヘルスに影響を与える可能性が既存研究で示唆されているにもかかわらず,今回十分に確認できていない生活習慣があり,それらは評価ができていない.項目としては例えば,喫煙,口腔衛生,文化的活動への参加,社会的つながり,ソーシャルリズム,読書習慣,趣味の有無,間食の有無,プロバイオティクス食品の摂取,ω3脂肪酸を含む不飽和脂肪酸の摂取,鉄分や亜鉛の摂取,外食頻度,高度に精製された穀物類の摂取,スナック菓子の摂取,清涼飲料水の摂取,インターネットやSNSの利用,ゲーム時間,テレビやメディアの視聴時間などがある.また,質問項目の妥当性の問題もある.例えば運動に関しても本調査では単純に運動習慣の有無でしか評価ができていなかったり,食事習慣についても本研究で独自に作成された質問項目で評価を行っていたりするなど,信頼性や正確性に欠ける部分がある.将来,これらも含めた調査が改めて行われることが望まれる.最後に,本研究は統計的には因果関係を推定しえたものの,これはあくまで推定値であり,実際の介入研究に代わるものではない.このため,今後は実際に生活習慣や睡眠に焦点をあてた指導を行う無作為化比較対照試験を実施することなどを通じて,生活習慣や睡眠の改善がメンタルヘルスに与える影響をより正確に評価することが必要であると思われる.

おわりに
 生活習慣と睡眠の問題は有意にその年および翌年の心身のストレス反応やその増減と関連していた.これらは仕事のストレス要因や周囲のサポートを調整したうえでも有意であり,生活習慣と睡眠の問題は職務要因とは独立してオフィスワーカーのメンタルヘルスに影響を与えていることが示された.縦断調査とその解析結果は,過去のストレス反応が現在の生活習慣や睡眠の問題を予測するのではなく,過去の生活習慣や睡眠の問題が現在のストレス反応を予測することを示した.メンタルヘルスとかかわる生活習慣や良好な睡眠は,将来の良好な心理的状態を生み出す資産やレジリエンスとしての働きをもち,その改善は,心理療法や薬物療法とは別の側面からの,メンタルヘルスケアや一次予防の方策の1つとなる可能性がある.

 利益相反
 本研究ならびに本研究に続いて実施された調査をもとにした,複数の生活習慣と睡眠の状況からメンタルヘルスの状況および推移を予測し,また,優先順位をつけて改善策を提示する仕組みを,学校法人東京医科大学は特許出願(特願2021-83372)している.志村は,住友ファーマ株式会社,エーザイ株式会社から本研究とは関係のない講演費を得ており,また,株式会社こどもみらいの役員である.石橋は,株式会社こどもみらいから産業医としての報酬を本研究とかかわりなく受けている.西川は,医療法人社団東京桜十字の役員を本研究とかかわりなく努めている.井上は,持田製薬株式会社,武田薬品工業株式会社,日本イーライリリー株式会社,ヤンセンファーマ株式会社,MSD株式会社,大正製薬株式会社,吉富薬品株式会社,小野薬品工業株式会社,大塚製薬株式会社,住友ファーマ株式会社,田辺三菱製薬株式会社,共和薬品工業株式会社,ファイザー株式会社,塩野義製薬株式会社,ツムラ株式会社,ノバルティスファーマ株式会社,エーザイ株式会社,第一三共ヘルスケア株式会社,Meiji Seikaファルマ株式会社から本研究とは関係のない講演費を得ており,また,ファイザー株式会社,ノバルティスファーマ株式会社,田辺三菱製薬株式会社のアドバイザリーボードを本研究とかかわりなく務めている.その他の著者には開示すべき利益相反はない.

 謝 辞 本研究は日本精神神経学会の2020年度精神神経学雑誌投稿奨励賞を受けた.また,本研究はJSPS科研費JP20K07955の助成を受けた.

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