Advertisement第115回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第121巻第6号

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会長講演
第114回日本精神神経学会学術総会
精神科高度専門職医療人としてのプロフェッショナリズム
米田 博
大阪医科大学医学部神経精神医学教室
精神神経学雑誌 121: 501-508, 2019

 精神科医療は急激な変革のなかにあり,精神科医療職が社会から求められるものは質的にも量的にも大きく変化している.そして精神医学・医療の担う役割が大きく広がるなかで,精神医学・医療に特化した独自性とともに,医学・医療全般のなかでの一分野として共通する精神医学・医療の役割をこれまで以上に意識し活動する必要があり,第114回の学術総会のテーマを「精神医学・医療の普遍性と独自性―医学・医療の変革のなかで―」とした.この「普遍性と独自性」は2018年4月から,紆余曲折を経ながらスタートした精神科専門医制度の専攻医研修でも重要な課題と考えられる.医学部入学後,卒前教育や卒後2年間の臨床研修では原則として「普遍性」を学んできた.専攻医研修では「普遍性」の研鑽をさらに積むとともに「独自性」を培うことになる.精神医学・医療の普遍性として,基本的な医師としての資質をいかに伸ばしてゆくのか,専門医研修後のわれわれも含めた生涯教育のなかでいかに研鑽するのか,明確な目標の設定が必要である.そのキーワードの1つがプロフェッショナリズムと考えられる.プロフェッショナリズムは使命感とも訳され,最近医学教育のなかで注目されてはいるものの,理念的,抽象的でわかりにくい.米国内科学会(ACP),欧州内科学会合同で発表した新世紀における医療プロフェッショナリズム:医師憲章には具体的な目標が提示されている.それをみると,患者の福利優先の原則,患者の自律性に関する原則,社会正義(公正性)の原則の3つの原則と,プロフェッショナルとしての能力に関する責務など10の責務が挙げられている.しかしながら一連の行動原則と責務はまだまだ理念的であり,捉えにくい.さらに精神科高度専門職医療人としての独自性を現すプロフェッショナリズムをどう考え,どう構築してゆくのかは今後の重要な課題である.

索引用語:医学教育, プロフェッショナリズム, アウトカム基盤型教育, コンピテンシー, 精神科専門医>
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