Advertisement第115回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第121巻第3号

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教育講演
第114回日本精神神経学会学術総会
染色体コピー数バリエーションマウスモデルに基づいた精神疾患メカニズムの解体的探索
廣井 昇
Albert Einstein College of Medicine, Department of Psychiatry and Behavioral Sciences/Department of Neuroscience/Department of Genetics
精神神経学雑誌 121: 213-223, 2019

 多くの遺伝子の過剰発現,欠損を伴うコピー数バリエーションは,今までに類をみないほど高率にさまざまな精神疾患と連鎖する.われわれのグループはマウスモデルを使い,22q11.2染色体コピー数欠損,重複と精神疾患の相関に関与するメカニズムの探索に従事してきた.マウスモデルはヒトの染色体上にみられるコピー数欠損,重複の忠実な再現が可能であり,さらにヒトでは不可能な実験的操作によって孤立した変数での因果関係まで探ることを可能にする.遺伝子改変マウスは,脳,神経細胞,神経回路などの機能や構造におけるヒト・マウス間種差が弱点であるが,最終的にヒトに適応される治療の基礎になる推定メカニズムに迫る最短手段としての妥当性は十分に担保されている.われわれのこれまでのデータが示唆する暫定的な推定メカニズムは,22q11.2に含まれている遺伝子のすべてが精神疾患の病態機序構成の要素に関与しているわけではなく,そのなかの特定遺伝子が特定表現型要素に寄与し,遺伝子背景や環境要因によってその発現の有無強度が修飾されるというものである.このメカニズムが他のコピー数バリエーションにも敷衍しうるものかはこれからの研究を俟つ.

索引用語:精神疾患, マウスモデル, 22q11.2, コピー数バリエーション>
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