Advertisement第114回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第9号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
教育講演
第112回日本精神神経学会学術総会
オープンダイアローグ(開かれた対話)の治療機序
斎藤 環
筑波大学医学医療系社会精神保健学
精神神経学雑誌 119: 686-693, 2017

 近年,「オープンダイアローグ」は急性精神病に対する新しい介入手法として,大きな関心を集めている.オープンダイアローグは1980年代から,フィンランドの西ラップランドにおいて開発され,発展してきた.この手法は,一貫して家族や関係者のネットワークをケアに巻き込む.治療は基本的に,患者とその家族,さらに知人や友人などの社交ネットワークを交えたミーティングによって実施される.この手法によって多くの統合失調症患者が,薬物治療や入院治療を受けることなく「治療」されている.本論で著者らは,オープンダイアローグの理論と手法を概説し,慢性の統合失調症患者の自験例について報告した.この事例で著者らは,オープンダイアローグ的な手法による治療的介入を試み,症状(幻聴)は著しく改善した.その際著者らは,彼の症状を語るための共通言語を導き出し,彼の体験を共有することに焦点をあてた.これらの目的を達成する上で,オープンダイアローグは最も洗練された技法である.この手法の開発者の一人であるJaako Seikkulaによれば,オープンダイアローグは慢性の統合失調症やうつ病,PTSD,その他の精神疾患に対しても有効であるとされる.著者らは日本においてこの手法の応用範囲を拡大することを試みている.オープンダイアローグの導入は,わが国におけるコミュニティケアシステムへの移行に際して重要な要因となるであろう.

索引用語:オープンダイアローグ, 統合失調症, 不確実性への耐性, リフレクティング, ポリフォニー>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology