Advertisement第113回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第7号

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教育講演
精神科診療における高次脳機能障害の基本的理解
橋本 衛1), 池田 学2)
1)熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野
2)大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学精神医学講座
精神神経学雑誌 119: 516-523, 2017

 高次脳機能障害は脳外傷や脳血管障害などの後遺症により,記憶障害・注意障害・遂行機能障害などの認知機能障害や興奮・脱抑制・うつ・アパシーなどの社会的行動障害を呈し,日常生活ならびに社会生活に支障が生じた状態を指す.高次脳機能障害は,対人関係や学校,職場での人間関係に影響を及ぼすため,身体障害以上に重大な障害であるにもかかわらず,高次脳機能障害をどの診療科が中心になって対応するかは明らかではない.社会復帰後,適応障害から抑うつを引き起こしたケースの治療や,激しい興奮や衝動性を示したケースの入院治療,社会復帰の一過程としての精神科デイケア通所,易怒性に対する臨床心理士による認知行動療法,障害者年金や手帳の診断書の記載など,高次脳機能障害に対して精神科がかかわるべき状況は多岐にわたる.また,社会復帰を目標として患者の生活を第一に考える視点は,精神科医にとっては日常的なものである.さらに,通院精神療法を算定できる診療報酬上の有利さや,臨床心理士や作業療法士,精神保健福祉士など多職種でかかわることができる利点もある.このような状況を考慮すれば,高次脳機能障害の診療に精神科がかかわることが最適ではなかろうか.

索引用語:高次脳機能障害, 精神科医, 社会的行動障害, びまん性軸索損傷>
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