Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第10号

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特集 女性医師がよりよく活躍するには―現状の分析と課題―
女性医師の就労・就労継続・キャリア形成のために―自助・互助・共助・公助の観点から―
山本 纊子
藤田保健衛生大学名誉教授/医療法人並木会並木病院院長
精神神経学雑誌 119: 751-758, 2017

 「一億総活躍社会」と銘打って高齢者や女性の就労により労働人口の増加が促進されているが,女性医師に関しても医師不足の折,就労かつ就労継続が期待されている.自ら就労・就労継続を希望する女性医師は,家族の援助や一般の保育所を利用し(自助),近隣の子育て中の友人などを頼って(互助)努力してきたが,10年余も前から公的な補助をきっかけに院内保育所の設置が進み,さらに日当直免除や時短勤務などの育児を考えた勤務体制が構築され(共助),一段と働きやすくなってきた.これらの施策に対し国でも女性就労に向けた予算を年々増やし,座談会・シンポジウムなどを行って広く関係者や国民にアピールしている(公助).これらの取り組みはまだ十分ではないが,次第に支援が充実するとともに女性医師の同僚には相当の負担が課せられ,問題になってきている.特に週数回の外来勤務で,相応の収入を得,余裕をもって子どもの受験や自分の趣味に時間を使っている女性医師が少なからずいることも個人の自由とはいえ,やはり疑問視されてきている.ここでもう一度,医師になるときの気持ちに立ち返り,医療のために努力する自助の精神が第一で,互助,共助,公助は自助の大きさに比例して大きくなることを銘記すべきではないかと考える.

索引用語:女性医師就労・就労継続, 自助, 互助, 共助, 公助>
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