Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第9号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
特集 高度急性期精神科医療の将来像
精神科急性期包括入院料病棟の現状と将来展望
平田 豊明
千葉県精神科医療センター
精神神経学雑誌 118: 707-713, 2016

 精神科急性期包括入院料病棟(救急入院料病棟および急性期治療病棟)は,精神科病棟を収容施設から治療装置に変換することをめざした千葉県精神科医療センターをモデルとして,1996年に制度化され,高規格化されてきた.現在,これらの病棟は,全精神科病床の8%を占めるにすぎないが,高回転することによって年間の精神科入院件数の41%を担っている.このため,2012年までに精神科平均在院日数を3分の2に短縮し,在院患者数を11%減らすことに貢献した.国は将来,精神病床を救急・急性期・回復期・重度慢性の4つに類型化し,長期在院者を減らす構想を示している.実現の鍵を握るのが,重症急性期患者の治療成績向上である.そのために,本稿では,総合病院への精神科救急病棟の増設,精神科専門医研修における救急病棟勤務の必修化,救急病棟への新規非自発入院の限定化という3つのプランを提案した.制度化されれば,医療の継続性・責任性を保ちながら,脱入院化を促進することが可能となろう.

索引用語:精神科救急入院料病棟, 精神科急性期治療病棟, 非自発入院, 脱入院化>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology