Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第9号

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特集 高度急性期精神科医療の将来像
精神病棟における身体合併症例の現状
木下 真也
大阪医科大学神経精神医学教室
精神神経学雑誌 118: 695-700, 2016

 総合病院における精神病床の需要は年々高まってきているが,病床数は減少傾向にあり大きな問題となっている.その要因として,一般病床との診療報酬の差が挙げられる.大阪医科大学附属病院精神科病棟では様々な身体合併症を受け入れており,地域や病院の需要に応えているものの,経営の観点から厳しい状況にあるのも現実である.今回,本学附属病院精神科病棟で治療を行った身体合併症4例を通じて,一般病床との診療報酬の差を分析したところ,同じ治療を行っても精神病床は診療報酬が極めて低いことが明らかになった.この結果が,総合病院で精神病床を維持することが困難な要因の1つと考えられた.そのため新たな診療報酬への改善が必須と考えられ,1つの方向性として身体合併症などを中心に精神病床へのDPC導入の可能性を検討した.今後も総合病院精神病床の需要は高くなると予想されるため,投入した資源に相応する診療報酬を確保し,これ以上の減床が避けられることを期待したい.

索引用語:総合病院精神病床, 身体合併症, 診療報酬, DPC, 医療経済>
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