Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第8号

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特集 Pros and Cons 統合失調症における持効性注射剤の有用性
持効性注射剤の効果:持効性注射剤は本当に必要な治療オプションか―反対の立場から―
松尾 幸治
山口大学大学院医学系研究科高次脳機能病態学講座
精神神経学雑誌 118: 598-606, 2016

 本稿では,持効性注射剤(LAI)の効果について反対の立場から論じた.すなわち,「LAIは本当に必要か(必要ないのではないか)」という立場に立ち,LAIの適応患者が限定的であること,わが国ではLAIの使用が少ないこと,治療エビデンスが十分でない報告が散見されること,統合失調症治療ガイドラインなどでのLAIは補足的なものであること,わが国ではLAI使用患者の80%が経口抗精神病薬を服用しており,LAIの有益な点を生かしきれていないこと,さらに,わが国の精神科医がLAI使用をためらう理由の1つにLAIに対する構えが反映しているようだが,その態度には倫理的に正義原則に問題を生じる可能性があることを論じた.

索引用語:統合失調症, 持効性注射剤, エビデンス, 構え, 薬物療法ガイドライン>
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