Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第6号

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会長講演
第111回日本精神神経学会学術総会
われわれの精神医学と医療の道標―精神疾患の理解の先にあるものは―
岸本 年史, 紀本 創兵
奈良県立医科大学精神医学講座
精神神経学雑誌 118: 451-459, 2016

 人類が悩まされる病気というのは時代や生活する社会と密接な関連をもって絶えず変化している.現代は多くの社会問題の背景に「脳とこころの問題」があり,日本を含めた先進国では,精神疾患は患者本人やその家族の生命や健康な生活に深刻な影響を及ぼしている.この状況に,精神疾患へのスティグマおよび精神保健サービスの脆弱さが関与していることは否定できない.よって,今後の精神医学の発展には,精神疾患を脳の病気として正しく理解していく中で,発症の予防・早期介入,そして治療・回復の可能性を考え,スティグマを軽減していく努力が必要である.本稿では,精神疾患の認知機能障害が社会機能に大いに影響を与えうるという視点から,統合失調症をモデルとして精神医学上の問題を再考し,今後のあり方について述べる.

索引用語:脳とこころの問題, スティグマ, 統合失調症, 認知機能障害, 早期介入>
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