Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第5号

※会員以外の方で全文の閲覧をご希望される場合は、「電子書籍」にてご購入いただけます。
特集 精神科専門医制度の構築に向けて
精神科専門医制度の施行状況と新しい専門医制度について
山内 俊雄
埼玉医科大学
精神神経学雑誌 118: 287-303, 2016

 精神科専門医制度は2004年度に発足し,爾来10年が経過した.その間に,すでに精神医療に携わっており,一定の要件を満たした者は,試験によって10,500名が認定され(試験認定),その合格率は平均96.5%であった.一方,新しい精神科専門医制度に従って,一定の研修を行った上で認定試験を受け(研修・試験認定),精神科専門医となった者は1,080名であり,合格率は平均75.5%であった.これまでの精神科専門医制度の施行状況を調査し,研修施設,研修指導医,研修プログラム,試験ならびに更新制度が抱える課題を明らかにし,精神科専門医制度の施行状況が,精神科専門医制度を導入するにあたっての基本的姿勢に添ったものになっているかどうかを検討した.その上で,2017年から施行されようとしている,日本専門医機構による新しい精神科専門医制度では,複数の専門研修施設群で研修を行い,それぞれの施設が備えるべき要件が明確化されており,指導医の資格認定要件も定められ,研修評価も頻回に行われ,研修の実が上がる体制となっている.また,更新要件も学術的態度や医師として備えるべき素養にまでわたっている.その意味では,精神科専門医制度の抱える課題のいくつかが新たな専門医制度によって解決され,その結果,精神科医の質の向上,国民に対する精神医療の改善に結びつくことが期待される.

索引用語:精神科専門医制度, 設立経緯, 認定状況, 課題, 日本専門医制度機構>
Advertisement

ページの先頭へ

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology