Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第118巻第4号

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特集 本学会の「沖縄精神科医療委員会」活動の検証―50年が経過して―
派遣医制度と本学会活動の概略
小椋 力1)2)
1)琉球大学
2)医療法人正清会久田病院
精神神経学雑誌 118: 212-219, 2016

 日本政府は,太平洋戦争で激戦地となった沖縄県に対する医療援助の一環として,医師を派遣することになった.精神科医の派遣は,1964年から13年間続けられ,のべ83名が参加した.派遣期間は3~6ヵ月であった.日本精神神経学会は,この派遣医制度が円滑に実施されることを目的に,沖縄精神科医療委員会を設置し,本委員会活動を通して支援した.支援の内容は,①病院などでの診療,保健所などでの相談業務に関する支援,②精神保健・地域精神科医療の推進に関する実践活動,③地元医療関係者などに対する指導・助言,④琉球政府・日本政府に対する意見書の提出などであった.本委員会活動の効果もあって50年後の現在,沖縄における精神科医療の状況は,施設とマンパワーのいずれについても全国平均を上回り,医療の質を示す指標の1つとされる隔離・拘束率などは低い.本委員会活動は,本学会ならびに沖縄の精神科医療の歴史に輝かしい実績を残したといえる.

索引用語:日本精神神経学会, 沖縄精神科医療, 派遣医制度, 医療支援, 災害ボランティア活動>
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