過量服薬は公衆衛生上の重要な問題であり,死亡に至った事例もさまざまな分野から報告されている.本研究では,2009~2010年における東京都23区の医薬品の過量服用による死亡事例と東京都内の医療機関で処方された者を対象として,死亡事例の原因となった薬物と,処方された薬物との比較検討を行った.その結果,精神科にて処方された薬物が過量服薬による直接的な死亡原因となっていることが示唆され,さらに,過量服薬による死亡リスクが特に高い薬剤が,pentobarbital calcium,chlorpromazine-promethazine-phenobarbital,levomepromazine,flunitrazepamであることが明らかになった.以上より,これらの精神科治療薬の処方にあたっては,適応の慎重な検討および内服状況の確認が求められるといえる.本研究は医薬品の過量服用による死亡リスクの高い精神科治療薬を同定した,国内初の研究である.
2)一般財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会医療経済研究機構
3)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
4)東京都監察医務院検査科
受理日:2015年10月2日
はじめに
国内外において,過量服薬は公衆衛生上の重要な問題であると認識されている.米国では,過量服薬による救命救急室への年間搬送件数は10万人あたり232人に上り,救急医療資源の消費量の大きさが問題となっている22).日本では,急性期病院への緊急入院が必要な主要疾患の中で,過量服薬は救命救急センターへの搬送率が最も高い傷病であることが示されている15).また,救命救急センターにおける過量服薬による搬送者数は増加傾向にあり,その多くが精神科治療薬を過量服用していることが明らかにされている17).加えて,過量服薬による搬送者数の増加は,精神科診療所の増加に伴っているとの指摘もある19).さらに,精神科通院中の自殺既遂者の多くは,致死的手段の実施前に過量服薬をし,衝動性が高まった状態で既遂に至っているとの報告もある6).このように,過量服薬は,多方面に甚大な損失をもたらしているといえる.
過量服薬の原因薬剤の多くは,抗不安・睡眠薬や抗うつ薬などの精神科治療薬であり,これらの死亡事例は救急医学や法医学などの分野でも報告されている5)15).なかでも,chlorpromazine-phenobarbital-promethazineの合剤(ベゲタミンⓇ)による過量服薬の危険性はくり返し指摘されている.福永らは東京都監察医務院における13,499件の服薬自殺事例の薬毒物検査の結果から,ベゲタミンⓇ成分の検出件数が突出して多いことを報告している4).一方で,ベゲタミンⓇは依然として精神科臨床において一般的に処方されており,統合失調症患者におけるベゲタミンⓇの処方割合は,入院患者の15%,外来患者の8%に上ると推計されている16).したがって,ベゲタミンⓇによる服薬自殺事例が多いと観察されている主因は,単にその処方割合が高いことに起因する可能性を排除できない.
過量服薬による致死性の高い薬剤を同定するためには,特定地域における過量服薬による薬剤別死亡数と,薬剤別処方数を比較する必要がある.しかし,我々の知る限り,海外において過量服薬による死亡リスクの高い薬剤を同定した先行研究は少数ながら存在するものの3)18),国内において類似の試みはなされていない.そこで本研究では,東京都監察医務院における医薬品中毒による死亡症例と,調剤薬局における処方症例を比較し,過量服薬による致死性の高い精神科治療薬を同定することを目的とした.
I.方法
1.研究法
症例対照研究を実施した.研究期間は,2009年1月~2010年12月の2年間とした.症例群は医薬品中毒による死亡症例,対照群は調剤薬局による処方症例とした.本研究計画は実施にあたり,東京都監察医務院倫理委員会の承認を得た.
2.マッチング法
マッチングに用いた変数は,性別(男性,女性),年齢区分(0~9歳,10~19歳,20~29歳,30~39歳,40~49歳,50~59歳,60~69歳,70歳以上),死亡年月/調剤年月(2ヵ月ごとの12水準),診療科〔精神科(心療内科含む),その他,不明〕の4変数とした.症例群1例に対し,マッチング変数の値が等しい対照群10例を無作為に抽出した.なお,症例群において診療科不明の総合病院の受診者は,精神科受診者として分類した.
3.症例群の定義
東京都監察医務院における取扱事例のうち,死因が医薬品中毒(ICD-10コード:T36.0-T50.9)の事例を症例群とした.東京都監察医務院は,東京都23区内にて発生したすべての異状死について,死体の検案および必要な場合には解剖を行い,死因を決定している機関である.対象となる事例は,①病死および自然死の一部(例:医師の診療なく死亡したもの,死因が判然としないものなど),②不慮の外因死(例:交通事故死,中毒死など),③自殺,④他殺,⑤その他および不詳の外因死(例:自殺・他殺・事故の判別が困難なものなど),⑥不詳の死(例:内因死か外因死か不明のもの)の6つに大別される20).これらの死因の種類は,死体所見や警察による捜査関係資料により決定される.
4.対照群の定義
保険薬局である日本調剤株式会社において調剤された症例のうち,東京都内の医療機関で処方された者を対照群とした.株式会社日本医薬総合研究所では,日本調剤の全店舗(2009年5月時点で263店舗)で応需した,すべての処方箋の情報をデータベース化している.本研究では,日本医薬総合研究所より,個人情報が匿名化されたデータの提供を受けた.なお,対照群の症例の単位は,特定薬局内にて1ヵ月間に応需した1症例の処方箋とした.すなわち,異なる薬局を複数利用している症例や,同一薬局を複数月利用している症例は,独立の症例とみなした.
5.曝露の定義
症例群と対照群における,精神科治療薬への曝露を検討した.ここで,精神科治療薬は,抗精神病薬(29種類),抗うつ薬(18種類),気分安定薬(4種類),抗不安・睡眠薬(43種類),抗てんかん薬(16種類)の5クラス,一般名の換算で計110種類とした(付表).本研究で採用した精神科治療薬の定義は,「今日の治療薬」21)を参考に作成した.
症例群における曝露の情報は,警察が医薬品中毒死の発生現場に残された包装シートなどを調査し,その結果を監察医が死体検案調書などに記録している.本研究では,関係書類に記録されている精神科治療薬の商品名を一般名に変換した.
対照群における曝露の情報は,処方箋データベースに「個別医薬品コード」が記録されている7).本研究では,精神科治療薬の個別医薬品コードを一般名に変換した.
6.統計解析
すべての統計解析には,データ解析環境R version 3.0.3を用いた.従属変数を群(症例群/対照群),独立変数を精神科治療薬への曝露とした,条件付きロジスティック回帰分析を構築し,オッズ比(odds ratio:OR)と95%信頼区間(confidence interval:CI)を求めた.ここで分析対象とした精神科治療薬は,症例群における処方割合が上位30位以内の薬剤とした.さらに,致死性の高い精神科治療薬の併用状況を同定するため,独立変数をすべての精神科治療薬への曝露,従属変数を群(症例群/対照群)とし,決定木を構築した2).決定木により,死亡リスクが異なるサブグループを同定し,複数の薬剤の相互作用を検討することができる.さらに,解釈のために,独立変数を決定木により同定されたサブグループ,従属変数を群(症例群/対照群)とした,条件付きロジスティック回帰分析を構築し,オッズ比と95%信頼区間を求めた.
II.結果
1.症例群の特性
医薬品の過量服用による死亡事例,335名の特性を表1と表2に示す.症例群のうち,女性が57%,精神科受診歴のある者が93%を占めていた.年齢分布は16~87歳(中央値,40歳;四分位範囲,31~50歳)であった.また,症例群のうち,死因の種類が自殺とされたのは48%であり,28%は生活保護を受給していた.対照群ののべ症例1,937,907名から,症例群とマッチング変数(性別,年齢区分,死亡年月/調剤年月,診療科)の構成比が等しくなるよう,無作為に3,350名を抽出した(表1).
2.精神科治療薬の処方割合の相違
症例群における処方割合が上位30位以内の精神科治療薬を表3に示す.上位5位の薬剤は,flunitrazepam(46%),chlorpromazine-promethazine-phenobarbitalの合剤(ベゲタミンⓇ)(30%),zolpidem(25%),levomepromazine(22%),etizolam(22%)の順であった.対照群と比較し症例群の処方割合が高い薬剤,すなわち過量服薬による致死性の高い薬剤は,pentobarbital calcium(0.1% vs. 14%;OR 104.0[95%CI 41.1,263.3]),chlorpromazine-promethazine-phenobarbital(1% vs. 30%;OR 43.4[95%CI 28.5,66.3]),levomepromazine(5% vs 22%;OR 5.1[95%CI 3.7,6.9]),flunitrazepam(15% vs. 46%;OR 5.1[95%CI 4.0,6.4])の順であった.
決定木を構築した結果,死亡リスクの異なる3つのサブグループが同定された(図1).Node 1はchlorpromazine-promethazine-phenobarbitalの処方があるグループであり,症例群335名中101名,対照群3,350名中35名から構成されていた.一方で,chlorpromazine-promethazine-phenobarbitalの処方がないグループは,Node 2とNode 3の2つに細分されていた.Node 2はchlorpromazine-promethazine-phenobarbitalの処方がなくpentobarbital calciumの処方があるグループであり,症例群335名中27名,対照群3,350名中5名から構成されていた.Node 3はchlorpromazine-promethazine-phenobarbitalとpentobarbital calciumの処方がないグループであり,症例群335名中207名,対照群3,350名中3,310名から構成されていた.すなわち,複数の薬剤の相互作用ではなく,chlorpromazine-promethazine-phenobarbitalとpentobarbital calciumの処方の有無により,死亡リスクが異なることが確認された.Node 3のグループと比較した死亡のオッズ比は,Node 2が86倍(95%CI 32.2,226.8),Node 1が49倍(95%CI 32.0,75.5)であった.
III.考察
本研究において,医薬品中毒による死亡事例の93%は精神科通院歴を有し,過量服薬による死亡リスクの高い薬剤はpentobarbital calcium,chlorpromazine-promethazine-phenobarbital,levomepromazineとflunitrazepamの4剤であり,複数の薬剤の相互作用ではなく,chlorpromazine-promethazine-phenobarbitalとpentobarbital calciumの処方の有無により死亡リスクが異なることが確認された.これらの結果は,精神科における処方を適正化することにより,死亡事例が減少する可能性があることを示唆する.
過量服薬による死亡リスクが最も高い薬剤はpentobarbital calciumであった.この結果は,barbiturate系睡眠薬がbenzodiazepine系薬剤(類似化合物を含む)よりも,過量服薬による死亡リスクが高いことを示した先行研究と類似している3).Pentobarbital calciumは,1952年に販売開始されたbarbiturate系睡眠薬であるが,安全域の狭さ,臓器障害の危険性の高さ,依存性や耐性の問題から,一般的な睡眠薬としては現在処方されていない.事実,本研究においても,症例群における処方割合が上位30位以内であった精神科治療薬の中でも,対照群における処方割合は最も低く0.1%にすぎなかった.Pentobarbital calciumは強い催眠作用を有するため,それ以外の処方薬による薬物療法では加療困難な事例,場合によっては希死念慮の強い事例に処方されていることが示唆される.本研究の結果は,過量服薬による致死性の観点から,pentobarbital calciumの処方には慎重であるべきことを示唆しているといえる.
過量服薬による死亡リスクが2番目に高い薬剤はベゲタミンⓇであった.これは,抗精神病薬のchlorpromazineと,barbiturate系睡眠薬のphenobarbitalと,抗ヒスタミン作用と抗コリン作用のあるpromethazineからなる合剤であり,催眠鎮静作用のある精神神経用剤に分類されている.こうした成分配合は,1950年代前半にLaboritが開発した遮断カクテルと類似し,各成分が相互に効果を増強する内容となっている.このため,過量服薬が深刻な結果をもたらし,致死事例も報告されている4).救急搬送された過量服薬患者のうち,15.7%がbarbiturate含有製剤,すなわちベゲタミンⓇの服用が認められ,この薬剤の服用は誤嚥性肺炎の併発および搬送後の死亡と有意に関連していたという報告もある1).文献上,これだけの警鐘が鳴らされている一方で,いまだにこの合剤が存在し,すでに奥村らが指摘しているように16),わが国の精神科臨床において比較的日常的に処方されているという事実は深刻であり,自殺・事故の別にかかわらず致死事例が多かったという本研究の結果は,特筆すべきことであると考える.
過量服薬による死亡リスクが3番目に高く,症例群において最も処方割合の高い薬剤はflunitrazepamであった.これは松本らによる全国の精神科医療機関における薬物関連精神疾患の実態調査では,benzodiazepine系薬剤乱用・依存患者のあいだで最も多く使用されている薬剤である14).海外では,この薬剤がもつ健忘惹起作用がレイプなどの犯罪に悪用される事件が多発するなどした結果,現在,米国ではSchedule IVの麻薬指定を受けており(州によってはさらに厳しいSchedule Iの指定としているところもある),医師による英文の証明書がなければ,旅行者が米国内に持ち込むことも禁じられている.Benzodiazepine系薬剤の乱用・依存と自殺を意図した過量服薬とは必ずしも同義ではないが,松本らによれば,benzodiazepine系薬剤乱用・依存患者の自殺リスクはアルコールや覚醒剤の乱用・依存患者に比べてはるかに高く13),その約35%が1年以内に自殺企図のエピソードがあり,その際用いられた手段の大半が,乱用物質であるbenzodiazepine系薬剤である抗不安・睡眠薬であることを明らかにしている14).このことは,benzodiazepine系薬剤乱用・依存患者と過量服薬による自殺企図者とのあいだには一定の重なりがあることを示唆し,その意味では,flunitrazepamを処方することは,患者の乱用および依存のリスクを高めるだけでなく,自殺や中毒死のリスクを高める可能性もある.
過量服薬による死亡リスクが4番目に高い薬剤はlevomepromazineであり,risperidoneやquetiapineなどの他の抗精神病薬よりも致死性が高いことが示された.Levomepromazineは抗コリン作用が強く,QTc延長により心伝導系への影響が強く,大量摂取による心臓死のリスクが高い薬剤である.また,抗ヒスタミン作用による催眠鎮静作用の強い薬剤であり,意識水準の低下により衝動制御能力が低下し,例えば過量服薬行動を加速させるなど,自殺行動を促進することも十分に考えられる.Levomepromazineは,抗精神病薬間の多剤処方のときに,頻繁に処方される薬剤である16).したがって,過量服薬時に複数の薬剤との相互作用により,薬剤の代謝が遅延し,服薬したさまざまな薬剤の血中濃度を高め,中毒死のリスクを高めた可能性もある.
以上,本研究において症例群で顕著に多くみられた薬剤について考察してきた.症例群とした過量服薬に基づく異状死の検案で特筆すべきは,その絶対数のみならず,精神科受診歴を有する事例の多さ,および精神科にて処方されている薬剤数の多さである.死亡に至るほどの過量服薬を可能にする要因として,患者が手元に多数の薬剤を所持している状況があることはいうまでもない.その意味で,2008年より実施された向精神薬の処方日数に関する規制緩和の功罪について,改めて検討する必要がある.すでに2010年9月には,厚生労働省は省内で立ち上げた自殺・うつ病等対策プロジェクトチームの検討成果として「過量服薬への取組」を公表し,その中で,薬局薬剤師による処方医への疑義照会や重複処方の発見などを通じての過量服薬の予防を提言している8).しかし,この提言がどこまで確実に実行され,機能しているかについては疑問がある.以上を踏まえれば,過量服薬による自殺や事故死を防ぐうえで,いまだ施策上の課題が残されているといわざるを得ないであろう.
厚労省はこの他にも過量服薬防止につながる対策を実施している.最近では,2014年度の診療報酬改定において,抗不安・睡眠薬を3種類以上,抗うつ薬・抗精神病薬を4種類以上投与している場合に,「精神科継続外来支援・指導料」をゼロ算定,および処方料・処方箋料・薬剤料をマイナス算定するとともに,厚労省への状況報告が義務づけられるという施策を打ち出している11)12).しかし,ここで危惧するのは,3種の睡眠薬成分による合剤であるベゲタミンⓇは,「睡眠薬3種」とはカウントされずに,あくまでも1種類の睡眠薬としてカウントされるという事実である.このことは,診療報酬の減算を回避しつつ多剤投与を実現できる薬剤として,今後もますますベゲタミンⓇが必要とされる事態が起こりうることを示している.過量服薬による死亡を防ぐという観点から考えた場合,ベゲタミンⓇの新規処方に対する何らかの規制なしのまま,多剤処方の抑止をする施策がはたして有効に働くのがどうかについて,再度,慎重に検討する必要があるといえる.
本研究にはいくつかの限界がある.第1に,症例群は東京都23区内における医薬品中毒による全死亡症例であるため悉皆性を有するのに対し,対照群は東京都内の特定薬局による処方症例であるため代表性に限界がある.精神科・心療内科医師数(人口10万人対)は,東京都23区内は14.7人,東京都内は15.0人と,精神科領域における医療提供体制に大きな違いはないと考えられる9)10).しかし,「日本調剤と他の保険薬局」「院内処方と院外処方」「東京都23区内と東京都全域」の処方割合が異なる可能性などは排除できない.第2に,精神科治療薬への曝露の誤分類バイアスの可能性を排除できない.すなわち,症例群においては,警察によって現場で発見され記録された薬剤に限られるため,死亡前に服用したすべての薬剤を同定できている保証はない.加えて,服用した精神科治療薬の用量に関する情報は把握できていない.第3に,精神科治療薬への曝露により医薬品中毒死につながるという因果関係への推測には限界が残される.つまり,衝動性や攻撃性を有するなど,自殺および事故行動に親和性の高い事例であり,その他の薬剤では加療困難なほどの鎮静作用の強い薬剤を要していたなど,逆の因果関係が存在する可能性は否定できない.第4に,本研究の効果指標であるオッズ比は,性別などのマッチング変数以外の共変量の影響を排除できていない値である.すなわち,症例群と対照群の患者背景の等質性を十分に担保できておらず,結果的に症例群の方が,生活保護受給者などの自殺リスクの高い患者背景を有する症例が多いことが予想される.こうした限界があるため,本研究では,効果指標の値が特に大きい精神科治療薬に限定して考察することにより,保守的な解釈となるよう配慮している.
おわりに
本研究は,症例対照研究により,過量服薬による致死性の高い精神科治療薬を同定した国内初の試みである.医薬品中毒死の起因物質の主因は,精神科における処方薬であり,pentobarbital calcium,chlorpromazine-promethazine-phenobarbital,levomepromazine,flunitrazepamの4剤の致死性が高いことが示された.精神科における,これらの薬剤処方の適正化が早急に求められる.
なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.
謝 辞 本研究は,平成26年度厚生労働科学研究費補助金〔障害者対策総合研究事業(精神障害分野)〕「自殺総合対策大綱に関する自殺の要因分析や支援方法等に関する研究」(研究代表者:福田祐典,研究分担者:福永龍繁,課題番号:H25-精神-一般-001),平成26年度科学研究費補助金事業〔若手研究(B)〕「過量服薬の再発予防に向けた大規模レセプト情報を活用した臨床疫学研究」(研究代表者:奥村泰之,課題番号:26870914)の助成を受けました.本研究の実施にあたり,データ提供を承諾いただきました,日本医薬総合研究所の関係者に感謝します.中でも,処方箋情報の詳細について御指導いただきました,少林正彦氏と高田幸代氏に深謝します.
1) Ando, S., Yasugi, D., Matsumoto, T., et al.: Serious outcomes associated with overdose of medicines containing barbiturates for treatment of insomnia. Psychiatry Clin Neurosci, 68; 721, 2014
2) Breiman L., Friedman J. H., Olshen, R. A., et al.: Classification and Regression Trees. Wadsworth, Belmont, 1984
3) Buckley, N. A., McManus, P. R.: Changes in fatalities due to overdose of anxiolytic and sedative drugs in the UK (1983-1999). Drug Saf, 27; 135-141, 2004
4) 福永龍繁: 監察医務院から見えてくる多剤併用. 精神科治療学, 27; 149-154, 2012
5) Hirata, K., Matsumoto, Y., Tomioka, J., et al.: Acute drug poisoning at critical care departments in Japan. Jpn J Hosp Pharm, 24; 340-348, 1998
6) Hirokawa, S., Matsumoto, T., Katsumata, Y., et al.: Psychosocial and psychiatric characteristics of suicide completers with psychiatric treatment before death: A psychological autopsy study of 76 cases. Psychiatry Clin Neurosci, 66; 292-302, 2012
7) 医薬品医療機器総合機構: 医療情報のデータベース等を用いた医薬品の安全性評価における薬剤疫学研究の実施に関するガイドライン2014 (https://www.pmda.go.jp/files/000147250.pdf) (参照2015-11-30)
8) 厚生労働省自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム: 過量服薬への取組. 2010
9) 厚生労働省: 平成24年医師・歯科医師・薬剤師調査: 第41表 医療施設従事医師数, 病院―診療所, 従業地による都道府県―指定都市・特別区・中核市 (再掲), 主たる診療科別. 2013 (http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Csvdl.do?sinfid=000023609565) (参照2015-11-30)
10) 厚生労働省: 平成22年国勢調査: 第1表 人口, 人口増減 (平成17年~22年), 面積及び人口密度―全国※, 都道府県※, 市町村※・旧市町村. 2013 (http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/Csvdl.do?sinfid=000012460662) (参照2015-11-30)
11) 厚生労働省: 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について (通知) 様式 (医科) 別紙36. 2014 (http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041236.pdf) (参照2015-11-18)
12) 厚生労働省: 診療報酬の算定方法の一部を改正する件 (告示): 別表1: 第2章 第8部 精神科専門医療療法. 2014 (http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000041350.pdf) (参照2015-11-18)
13) 松本俊彦, 松下幸生, 奥平謙一ほか: 物質使用障害患者における乱用物質による自殺リスクの比較―アルコール, アンフェタミン類, 鎮静剤・催眠剤・抗不安薬使用障害患者の検討から―. 日本アルコール・薬物医学会誌, 45; 530-542, 2010
14) 松本俊彦, 尾崎 茂, 小林桜児ほか: わが国における最近の鎮静剤 (主としてベンゾジアゼピン系薬剤) 関連障害の実態と臨床的特徴―覚せい剤関連障害との比較―. 精神経誌, 113; 1184-1198, 2011
15) Okumura, Y., Shimizu, S., Ishikawa, K. B., et al.: Comparison of emergency hospital admissions for drug poisoning and major diseases: a retrospective observational study using a nationwide administrative discharge database. BMJ Open, 2; e001857, 2012
16) 奥村泰之, 野田寿江, 伊藤弘人: 日本全国の統合失調症患者への抗精神病薬の処方パターン: ナショナルデータベースの活用. 臨床精神薬理, 16; 1201-1215, 2013
17) 大倉隆介, 見野耕一, 小縣正明: 精神科病床を持たない二次救急医療施設の救急外来における向精神薬加療服用患者の臨床的検討. 日本救急医学会誌, 19; 901-913, 2008
18) Paulozzi, L. J., Kilbourne, E. M., Shah N. G., et al.: A history of being prescribed controlled substances and risk of drug overdose death. Pain Med, 13; 87-95, 2012
19) 武井 明, 目良和彦, 宮崎健祐ほか: 総合病院救急外来を受診した過量服薬患者の臨床的検討. 総合病院精神医学, 19; 211-219, 2007
20) 東京都監察医務院: 平成25年版事業概要. 2013 (http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kansatsu/jigyougaiyou/25jigyougaiyou.html) (参照2015-11-30)
21) 浦部晶夫, 島田和幸, 川合眞一: 今日の治療薬 (2010年版) ―解説と便覧―. 南江堂, 東京, 2010
22) Xiang, Y., Zhao, W., Xiang, H., et al.: ED visits for drug-related poisoning in the United States, 2007. Am J Emerg Med, 30; 293-301, 2012