Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第6号

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特集 精神療法・カウンセリングの副作用
認知行動療法の有害事象と実践に際しての留意点
岡本 泰昌1), 神人 蘭1), 吉野 敦雄1), 菊地 俊暁2), 中野 有美3), 堀越 勝4), 大野 裕4)
1)広島大学医歯薬保健学研究院精神神経医科学
2)杏林大学医学部精神神経科学教室
3)椙山女学園大学人間関係学部
4)国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
精神神経学雑誌 117: 445-451, 2015

 認知行動療法(CBT)の有害事象には,CBTが適正に実施された場合とCBTが適正に実施されない場合との2つに分けることができる.CBTが適正に実施された場合の一例として,RCTの研究結果によれば,CBTの有害事象はピルプラセボと同等もしくは低い.CBTの有害事象の多くは,治療者の知識不足,技術不足,経験不足による適正に実施されていないCBTのクオリティの低さに関連している.RCTレベルのクオリティをもつCBTをめざすために,治療前や治療中の患者状態の頻回のアセスメント,セッション後の治療評価尺度の利用,セッションの録音に基づくスーパービジョンなどが重要と考えられた.

索引用語:認知行動療法, 有害事象, 副作用, 留意点>
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