Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第10号

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教育講演
第111回日本精神神経学会学術総会
精神科医のための分子生物学―自閉スペクトラム症の病態説明を中心に―
牧之段 学
奈良県立医科大学医学部精神医学講座
精神神経学雑誌 117: 862-868, 2015

 臨床に携わる精神科医にとり,分子生物学という学問はあまりなじみがないかもしれないが,近年一部の精神疾患の機序は分子生物学的解析により解明されつつある.精神疾患のうち,アルツハイマー型認知症や統合失調症の治療法開発には,これまで多くの精神科医,神経内科医,神経科学者らが注力してきたが,自閉スペクトラム症に対しては,その障害が“untreatable”であるという認識から,その治療法開発にそれほど高い関心が払われてこなかった.ところが,多面的な分子生物学的アプローチにより,自閉スペクトラム症の病態は徐々に明らかになりつつあり,またその薬物療法の可能性まで示唆されるほどである.本稿では,分子生物学がどのようにして自閉スペクトラム症の病態を解明してきたのか,またその知見に基づいて得られた薬物療法の可能性とはどのようなものなのかを解説する.

索引用語:分子生物学, 臨床精神医学, 自閉スペクトラム症, 精神疾患>
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