Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第6号

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特集 地域における統合失調症医療の新たな展開
地域における統合失調症治療に必要な構造とスタッフ技術―国立精神・神経医療研究センター病院地域精神科モデル医療センターのリフォームの過程から―
伊藤 順一郎1), 坂田 増弘2), 佐藤 さやか1)
1)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所
2)国立精神・神経医療研究センター病院
精神神経学雑誌 116: 505-512, 2014

 高齢化や疾病構造が生活習慣病主体に変化するに従い,生活の質の向上に寄与する包括的なケアの一部としての役割をとることが,一般医療には求められている.同様の変化は,精神保健医療福祉領域,さらには統合失調症の治療にも生じている.入院を前提とせず,地域社会の中で患者が質の高い生活を維持するための,予防,早期治療,そして包括的ケアの実現が目標であり,そのための治療構造やスタッフの技術の再構築が課題である.本稿では,国立精神・神経医療研究センターで進行中の在宅支援室,デイケアのリフォームを,そこで行われた構造の変化,スタッフ技術の改善に焦点をあてて述べた.考察では必要とされた要点を,①生活の場におけるニーズに焦点をあてること,そのためのアウトリーチサービスの実施,②医療スタッフによるケースマネジメントの実施,③精神科医を中心とする階層システムを,多職種チーム内のコミュニケーションに移行することにまとめた.最後に,今後さらに必要な改善点についても列挙した.

索引用語:地域精神医療, 多職種アウトリーチチーム, デイケア, 包括的ケア>
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