Advertisement第119回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第124巻第2号

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特集 精神科臨床におけるオンライン診療―保険診療3年目の現状と課題―
オンライン診療,中央評価,遠隔モニタリング―種々の遠隔医療の今後の展開―
岸本 泰士郎, 木下 翔太郎
慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
精神神経学雑誌 124: 126-133, 2022

 想像以上のスピードで遠隔医療(離れた2地点間を通信回線で結んで行われる医療,介護のすべて)は世界の医療に浸透しつつある.特に新型コロナウイルス感染症のパンデミック下において,医師と患者双方の感染対策として遠隔医療が注目されたため,遠隔医療の利用は急速に拡大している.著者や共同研究者らのグループでは,わが国において遠隔医療を用いた複数の臨床研究を行ってきた.認知機能検査の遠隔施行は対面の評価と高い一致度を示し,遠隔で施行した認知行動療法も治療効果が認められ患者の満足度も高かった.診療場面での利用のみならず,治験の成功率を上げるための中央評価,日常の生活などのモニタリングを通じた症状評価など,さまざまな場面において,あるいはさまざまな形態の遠隔医療が今後導入されることが見込まれる.医療機関を訪れなくとも評価が可能な治験,すなわちlocation flexible trialなども近い将来始まるだろう.さらに一部の国ではAIによる問診を行い,実在の医師が遠隔でその診断を確定し処方する,といったサービスが営業を開始しており注目を浴びている.こういったサービスはすでに導入国の医療のあり様を大きく変え始めている.本稿では,このようなさまざまな遠隔医療に関するエビデンスや新しい事例を取り上げ,わが国においてこれらの技術をどのように利活用すべきかを検討する.AIや遠隔医療を軸に世界的に医療は変革を遂げようとしており,わが国においても諸外国に大きく後れをとることのないようにしながら,バランスのとれた発展が望まれる.

索引用語:オンライン診療, 遠隔医療, 診療報酬, 新型コロナウイルス感染症>

はじめに
 近年の科学技術の発展に伴い,医療の世界においても情報通信技術(information and communications technology:ICT)の活用が進んでおり,遠隔医療(離れた2地点間を通信回線で結んで行われる医療,介護のすべて),人工知能(artificial intelligence:AI)の活用などのデジタルヘルスと総称される新しい医療が広がりつつある.特に,2020年以降,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下において,感染対策として対面での接触を避けることが推奨されたことにより,遠隔医療の利用が世界中で拡大し,注目を集めている.本稿では,これまでの遠隔医療の普及と今般のパンデミック下における拡大,今後の展望について概説する.

I.海外の遠隔医療の普及と拡大
 遠隔医療は海外では比較的早くから活用されており,例えば精神科においても,1959年にネブラスカ大学で行われた取り組みなどが知られている33).2009年に世界保健機関(World Health Organization:WHO)が114ヵ国を対象に行った調査では,遠隔医療は,放射線科,皮膚科,病理,精神・心理の4つの領域で最も活用されており,特に放射線科領域では33%の国で遠隔での診断に活用されていたと報告されている34)
 しかし,現在日本でオンライン診療と呼称されているようなテレビ電話を通じたリアルタイムの医師による診療・処方などについては,普及はなかなか進んでいなかった.2008~2009年におけるアメリカのメディケイドの請求データを分析した研究によれば,対象となった約4,500万人のうち,遠隔医療の利用者は0.1%程度だったとされている4).同様に,2020年1月に公表されたOECDのワーキングペーパーによれば,OECD加盟国における医療システム全体のなかで遠隔医療が占める割合は小さく,数字が公表されているカナダ・オーストラリア・ポルトガルなどでは対面診療の0.1~0.2%程度しか遠隔医療が用いられていないと報告されている9).このように,2019年末までの時点で,遠隔医療は医療の一分野として注目を集めつつあったものの,臨床現場での普及は限定的であったといえる.
 そうしたなかで,2020年に入り,COVID-19のパンデミックが世界各地で深刻化するなかで,感染対策として遠隔医療を活用する動きが生まれ,その利用は急速に拡大した.WHOが130ヵ国を対象に行った調査によると,対象となった国々の93%で,精神科医療・精神保健サービスの提供に障害が生じ,70%の国で,その解決策として遠隔医療が導入・活用されていたことが報告されている35).従来,遠隔医療の普及においては,その国の法的な規制の厳しさが影響することが指摘されていたが24),今般のパンデミックにおいては各国で規制緩和が行われ,導入へのハードルが下がったとみられる.実際,著者らが,アメリカ,イギリス,イタリア,インド,エジプト,オーストラリア,カナダ,韓国,スペイン,台湾,中国,デンマーク,ドイツ,トルコ,日本,ブラジル,南アフリカの17の国と地域について,2019年末および2020年5月時点での各地域における遠隔精神科医療の規制や公的保険の償還状況について調査したところ,13の国と地域がパンデミックに伴い規制緩和を行っていたことがわかった15).また,遠隔医療を実施できる医師の資格や地理的な制約,公的医療保険の価格など,これまで普及の障害とみなされていた規制が多くの国と地域で緩和されていることもわかった.特に,精神科外来における診察・治療については,定期的な採血検査や,持効性抗精神病薬注射剤〔long acting injectable(LAI)antipsychotics〕投与などを除けば,遠隔医療でも代替できるものが多いため,こうした規制緩和も後押しとなり,遠隔医療が積極的に使われたとみられる.例えば,カリフォルニア大学デービス校の精神科外来では,パンデミックに対応してほぼすべての診療を遠隔に切り替えたが,医療機関側の財政的な損失は最小限であり,患者の満足度もおおむね良好であったと報告している36).その他,イタリアのシエナでも精神科外来の90%以上を遠隔での診療に切り替え,最も重症な患者のみ訪問診療で対応したと報告している6)
 なお,先に紹介した著者らの調査では,17のうち8の国と地域が,今般の規制緩和を一時的なものと明示していることから,パンデミックが収束に向かうなかで,今後どこまでのルールを恒久化して残すかが論点になっていくとみられる.そうしたなかでも,アメリカの連邦議会では,2020年10月に入り,精神科医療に対する遠隔医療の規制緩和をパンデミック後も持続させると決定するなど26),各国においても,パンデミックを契機とした新しい生活様式や従来以上の感染対策が求められており,遠隔医療に関する規制緩和や普及のトレンドは続いていくと考えられる.

II.わが国の遠隔医療の普及と展望
 わが国の動向に目を向けると,2019年末までは,遠隔医療の普及はほとんど進んでいない状況であった.その理由としては,診療報酬の点数や算定要件が厳しかったことが大きい.2018年度の診療報酬改定で遠隔医療が診療報酬のなかで初めて体系づけられた時点では,保険診療で実施できる遠隔医療の範囲は,「オンライン診療料」という算定項目の対象となる慢性疾患などに限定されており,初診での実施は原則不可とされていた.2019年9月11日に行われた「中央社会保険医療協議会総会(第422回)」の会議資料によれば,オンライン診療料等を算定できるように届け出ていた施設は2018年7月時点で病院65施設,診療所905施設にとどまっており19),保険診療での遠隔医療の普及が進んでいたとは言い難い.2020年度の診療報酬改定においても,精神科領域の主要な疾患に関してはオンライン診療料の対象外である状況は変わらない見込みであった.
 しかし,2020年に入り,国内でCOVID-19の感染者が確認されるようになると,厚生労働省は,遠隔医療に関する時限的・特例的な規制緩和を段階的に行った.同年4月10日に出された通知22)により,「電話等再診料」の枠組みで慢性疾患一般における初診・再診の遠隔医療が広く認められるようになったため,わが国における遠隔医療の利用は大きく拡大した.実際に,中央社会保険医療協議会総会に提出された資料によれば,2019年の4月から7月にかけて算定された電話等再診料は698,003回,オンライン診療料は553回であったが,上述の規制緩和が行われた後の2020年の4月から7月にかけては,電話等再診料は3,150,572回,オンライン診療料は4,147回まで増加している17)
 以上のように,わが国においてもCOVID-19のパンデミックが遠隔医療普及の契機となったといえる.しかし,上述の算定回数をみても,対面診療と比較してその割合が多いとは言い難い.遠隔医療の正確な普及状況を把握するのは困難であるが,2021年5月31日に行われた厚生労働省の「第15回オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」の資料によれば,遠隔医療による再診を行っている機関は2021年4月末時点で医療機関全体のうち15.2%,初診を行っているのは6.5%であるとされている20).このように普及が進んでいない理由として診療報酬がその主要な要因であることは,同検討会において複数の構成員が指摘しているほか18),2021年6月1日に政府の規制改革推進会議において出された答申でも言及されている29).特に,精神科領域においては,対面診療だと330~660点が算定できる通院・在宅精神療法に相当する部分が,遠隔医療の場合では管理料の147点分しか算定できないとされているため21),医療機関側への負担が大きく,導入の障壁となっているとみられる.
 政府は2021年6月18日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太の方針)において「オンライン診療を幅広く適正に活用するため,初診からの実施は原則かかりつけ医によるとしつつ,事前に患者の状態が把握できる場合にも認める方向で具体案を検討する」としたほか27),同日閣議決定された規制改革実施計画においてもコロナ禍以前においては認められていなかったオンライン診療の初診を2022年度から恒久化することを明言するなど28),今後も継続してオンライン診療を推進していく方針を明らかにしている.しかし,診療報酬についてはこれらの大方針では言及されておらず,次なる動きがあるとすれば令和4年度診療報酬改定以降になる可能性が高いと考えられる.先に紹介した著者らの研究では,日本と中国の一部以外の15の国と地域では,遠隔医療の公的医療保険の点数が対面診療と比較して同等かそれ以上となっており,わが国のような単価設定は国際的な標準からみても低めの設定となっている.診療報酬が今以上に安くなることは考えにくいが,改善される見込みが立たなければ導入を躊躇する医療機関が多いままである現状を変えるのは難しいため,早期に方針が示されることに期待したい.
 なお,わが国において,遠隔医療がツールとして信頼され,診療報酬のなかできちんとした評価を得ていくためには,国内における遠隔医療のエビデンスが十分に蓄積されることも重要である.著者らはこれまで,日本医療研究開発機構(Japan Agency for Medical Research and Development:AMED)の委託研究である「遠隔精神科医療の臨床研究エビデンスの蓄積を通じたガイドライン策定とデータ利活用に向けたデータベース構築」において,複数の臨床研究を行い,遠隔で行う認知機能検査が対面の評価と高い一致度を示すこと11)37),遠隔で施行する認知行動療法も治療効果が認められ患者の満足度も高かったことなどを示してきた25).そして,現在,AMEDの「令和2年度障害者対策総合研究開発事業」に採択された「対面診療に比したオンライン診療の非劣勢試験:COVID-19によって最も影響を受け得る精神疾患に対するマスタープロトコル試験による検証」という研究開発課題にも着手したところである.こうした研究を通し,わが国におけるエビデンス作りや,わが国固有の医療環境における運用方法の検討を通して,遠隔医療の適切な普及をめざしていきたいと考えている.

III.遠隔医療の治験への応用可能性
 また,COVID-19のパンデミックを契機に,臨床研究や治験における遠隔医療の活用も注目されている.今般のパンデミックにおいては,世界中で臨床試験や治験の中断が生じており32),例えばアメリカでは,2020年3月1日から4月26日の間に中断された臨床試験1,052件のうち少なくとも905件でパンデミックが原因で中断したと報告されている1).こうしたなかで,アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)や欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)は,コロナ禍における臨床試験の継続のために遠隔医療を適切に活用することを推奨し,研究途中での変更も認めるとしたガイドラインを公表している5)7).このようにパンデミック下における感染リスク低減,治験継続性の向上という観点から,治験で遠隔医療を活用するメリットがあることは明らかである.
 しかし,平時においても,遠隔医療を治験に応用する余地は多いと考えられる.近年では,ePRO(electronic patient reported outcome)と呼ばれる,スマートフォンやパソコンなどを用いて被験者自身が健康状態やQOLなどを記録・評価するシステムが普及しつつあり,これらとオンライン診療や,ウェアラブルデバイスなどによるデータ収集などを組み合わせることによって,被験者が治験実施医療機関に行く回数を減らす治験が可能となっている.このような,被験者が治験実施医療機関へ通院せずに,被験者の自宅や近隣医療機関ですべてまたは一部を実施する治験について,確立された定義や名称は存在しないが,「バーチャル治験(virtual clinical trials)」「分散化臨床試験(decentralized clinical trials:DCT)」「site-less trials」「remote trials」「direct-to-patient trials」「location flexible trials」など,さまざまな名称で呼称され,認知されつつある10).日本製薬工業協会が2020年に公表している資料31)では,治験においてオンライン診療を組み合わせるメリットとして,数多くの点が挙げられている().このように,平時の治験であっても,オンライン診療を適切に組み合わせることで,被験者集積や継続性の向上につなげることができるとみられる.
 また,精神科特有の問題である,評価者間のばらつきの改善にもつなげられる可能性がある.精神科領域においては,特異的なバイオマーカーが存在しないことから,DSM-5のような操作的診断基準を用いる際でも評価者間のばらつきが生じるという問題がある8).同様に種々の症状評価においても,評価者間のばらつきが生じることで,治験全体のクオリティを損ねるリスクが生じる.こうした際に,オンライン診療を活用し,全国各地の被験者の評価を中央評価者が一括して行う,あるいは検証することで,より精度の高いレーティングにつなげられる可能性がある.
 以上のように,治験においてオンライン診療を応用する余地は大きいといえる.わが国ではオンライン診療自体が普及していないなかではあるが,医薬品医療機器総合機構(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency:PMDA)が出しているQ & Aでは,オンライン診療を治験で用いることは問題ないことが示されている12).著者らも,先に述べた「対面診療に比したオンライン診療の非劣勢試験:COVID-19によって最も影響を受け得る精神疾患に対するマスタープロトコル試験による検証」においてオンライン診療による重症度評価や中央評価を取り入れているほか,神経発達症をもつ児童を対象にオンライン診療による重症度評価を行う研究にも着手している14).遠隔医療の臨床現場における活用と同時に,治験などの臨床研究においても遠隔医療の応用による課題解決が進んでいくことが望まれる.

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IV.ICT・AIを活用した新しい医療
 また,オンライン診療以外でもICTやAIを用いた新しい医療も広がりつつある.例えば,情報通信機器を用いた遠隔でのモニタリングについては,体内植込み式心臓ペースメーカー(implantable cardioverter defibrillator:ICD),在宅酸素療法(home oxygen therapy:HOT)や在宅での持続陽圧呼吸療法(continuous positive airway pressure:CPAP)を使用している患者についてすでに診療報酬で評価されているところであるが,2020年にはアップルウォッチの心電図計測アプリが医療機器として承認され,計測したデータを患者が医師にメールで送ることなども可能となっている23).精神科領域で実用化されているものはまだ多くはないが,著者らは,AMEDの委託研究である「表情・音声・日常生活活動の定量化から精神症状の客観的評価をリアルタイムで届けるデバイスの開発」においてウェアラブルデバイスによる患者の日常生活の活動,睡眠などのモニタリング・見える化を行った16).同じくAMEDの委託研究である「現場の負担を抑えたセンシングでストレスや幸福度を定量し健康経営オフィスを実現するシステムの開発」ではウェアラブルデバイスにより収集された皮膚電位や発汗・体動などの生体信号からストレスを推定する研究も行っている13).こうした研究が発展していくなかで,バイオマーカーの乏しい精神科領域において,ウェアラブルデバイスによる症状評価,遠隔モニタリングが活用されるようになる可能性は十分あると考えている.
 その他,AIと遠隔医療を組み合わせることで,医療の提供体制そのものが大きく変わる可能性もある.例えば,イギリスでは,国民保健サービスを利用する人々に対し,Babylon Health社が提供する「GP at Hand」というアプリが提供されており,チャットボットに症状などを伝えることにより,自分でできるセルフケア情報や医療機関受診の必要性についての情報を得ることができ,必要に応じて医師との電話相談・ビデオ通話などの遠隔医療を予約するなどのサービスを受けることができるようになっている2).また,このBabylon Health社の提供するアプリは,ルワンダやアメリカなどイギリス以外の国々でも展開されつつあり,2020年5月の時点で世界中で440万人程度の利用者がいるとされている3).こうしたサービスは,遠隔医療が一般化されていない状況では到底出現しえないものであるといえる.
 このように,テクノロジーの発展に伴い,遠隔医療に限らず,ICTやAIを用いたさまざまな医療が広がりつつある.テクノロジーを活用することで,医療のさまざまなフェーズにおいて従来の取り組みをアップデートできる余地が広がっていることは医療者・患者双方にとって望ましいことであるといえる.わが国においても,このような新しい医療の普及が遅れ,医療者・患者が不利益を被ることがないよう,規制の整備が行われていくべきである.

おわりに
 本稿では世界各国における遠隔医療の動向や治験への応用可能性,拡大しつつあるテクノロジーを活用した医療の可能性について概説した.遠隔医療の拡大や,ICTやAIを用いた新しい医療・ヘルスケアの展開は今後もますます広がっていくことが予想される.そうしたなかで,医療者・患者双方にとって最善の医療を提供していくためには,このようなテクノロジーを好むと好まざるとにかかわらず,従来確立されてきた医療のなかに適切に組み合わせていくことが望ましいといえる.
 なお,当然ながらこれらの新しい医療も万能ではない.例えば遠隔医療は,症状が安定した再診患者であれば活用の余地は大きいが,反対に,症状が不安定で自傷他害のおそれが強い精神科の初診患者の場合はむしろ遠隔医療の利用は適さず推奨されないことから30),遠隔医療の適応の可否については,医師による臨床的な判断が不可欠である.また,AIについても,その精度はどれだけ高くなったとしても100%にはならないため,AIが出した結果を解釈し,AIが及ばない部分についての情報も含めて判断を下すのが医師であることに変わりはない.このように,テクノロジーを活用していくうえでは,テクノロジーが及ぶ範囲やその強み・弱点を正確に理解し,依存するのではなく,従えていくことができるようにしていくことが重要である.
 そして,当然ながらエビデンスが確立されていないものを患者に提供することはできない.遠隔医療にしろ,ICT・AIにしろ,適切な普及・利用を進めていくためにもわが国固有のエビデンスが重要である.著者らも研究を通したエビデンスの確立を進めるとともに,これらの新しい医療が社会に根付いていくために,適切な規制のあり方についての検討や,倫理的・法的・社会的課題(ethical, legal and social issues:ELSI)などの問題についても取り組みを進めていきたい.

 本論文に関連する利益相反を以下に開示する.
 岸本泰士郎:(特許使用料)株式会社FRONTEO,(講演料)ヤンセンファーマ株式会社,大日本住友製薬株式会社,(研究費・助成金)大塚製薬株式会社,大日本住友製薬株式会社,積水ハウス株式会社,株式会社MICIN,JSR株式会社,(寄附講座)森ビル株式会社,(その他)株式会社Tech Doctor
 木下翔太郎に開示すべき利益相反はない.

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