Advertisement第117回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第123巻第5号

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特集 重症認知症の人にどのような終末期対応を提供するのか―「認知症診療医」認定更新のために―
認知症高齢者の移動歩行能力への対応―転倒予防と身体的拘束の低減―
鈴木 みずえ
浜松医科大学臨床看護学講座
精神神経学雑誌 123: 278-286, 2021

 超高齢社会のわが国では病院に入院する認知症高齢者数が増加しており,認知症高齢者の移動歩行能力への対応,特に転倒予防と身体的拘束の低減に関して必要な対策をまとめた.①本人の視点:認知症高齢者の転倒は,認知機能障害などのリスクも踏まえて,転倒に関連する危険な行動を起こす本人の原因を分析する必要がある.特に排泄や自分で動きたいなどの本人独自のニーズから転倒が引き起こされる.②個人の独自性に合わせたアセスメントとケア:認知症高齢者では,認知機能障害の影響や加齢による心身機能の低下に伴い,転倒のリスクが非常に高い状況にある.安全に行動できるような環境整備やリハビリテーションなども含めて,認知症高齢者のニーズに合わせて安全に行動するための支援が本来の転倒予防といえる.③多職種の連携:認知症高齢者の移動動作の自立への支援を本人の視点から行うために認知機能障害や日常生活の支援(食べる,寝る,排泄する)や生活の質(楽しみなど)のケアの充実などを多職種で検討する必要がある.④身体的拘束の低減:安易な身体的拘束は転倒リスクを増大し,要介護状態や事故を起こしやすくする.センサーマットの使用などの身体抑制はさらに転倒リスクの増大や看護師の負担につながりやすい.転倒の発生すべての予防を目的とした安全管理対策につながる.転倒に関連した外傷予防のための対策に意識を変換する必要がある.

索引用語:認知症高齢者, 移動歩行能力, 転倒予防, 身体的拘束の低減>
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