Advertisement第116回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第122巻第9号

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特集 精神病理学の古典を再読する―DSM 精神医学の補完をめざして―
Griesingerの精神医学体系の吟味―現代精神医学を照らす―
加藤 敏1)2)
1)小山富士見台病院
2)自治医科大学
精神神経学雑誌 122: 666-682, 2020

 分子生物学は,統合失調症と双極性障碍に共通な感受性遺伝子を多数見いだした.他方,多くの種類の新規抗精神病薬が開発された現代,精神科薬物療法はとりわけ統合失調症と双極性障碍,またうつ病の急性期に対して同じ薬が使用され,一定の効果を示している.こうした知見は精神病急性期を横断的に一次性感情障碍と大局的に捉え,治療的な布置をもつGriesingerの視点を支持する.統合失調症を一貫して認知障碍と捉えるDSM-5は,Kraepelinの早発痴呆の概念と同様,柔軟な視点に欠け,時代にそぐわない.その点で一旦Kraepelinの体系を方法的に括弧入れして,Griesingerの体系に立ち戻るのは有意義だと思われる.こうした問題意識から,『精神病の病理と治療』を再読し,現代精神医学に光をあてたい.

索引用語:Griesinger, Kraepelin, DSM-5, 統合失調症, 双極性障碍>
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