Advertisement第117回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第122巻第4号

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原著
生活保護による精神科長期入院―1956年『在院精神障害者実態調査』原票の分析―
後藤 基行1), 安藤 道人2)
1)立命館大学大学院先端総合学術研究科
2)立教大学経済学部
精神神経学雑誌 122: 261-281, 2020
受理日:2020年1月23日

 【目的】本研究では,精神病床における長期在院の歴史的・制度的背景を探るために,史料的価値の高い実態調査の個票を用いて長期在院と入院医療費財源との関連を分析した.とりわけ生活保護法での医療扶助入院が,社会保険での入院よりも長期在院化と強い関連があるか否かを検証した.【対象】厚生省が1956年に行った在院精神障害者実態調査の個票を用いた.具体的には,在院票から抽出した標本からさらに初回入院の個票を抽出し,統合失調症,躁うつ病,てんかんの合計808名の個票を分析対象とした.また頑健性の検証のために退院患者の個票も分析対象とした.【方法】医療費財源と在院期間の関係を検証するために重回帰分析による検証を行った.性別,年齢,疾病や看護の状態,保護者の種類や婚姻の有無,入院前発症期間,医療施設効果などの交絡要因を制御したうえで,在院期間を医療費財源のダミー変数に回帰することにより,医療費財源と在院期間の関係を検証した.【結果】最も多くの交絡要因を制御した場合,生活保護法での医療扶助入院は,社会保険での入院と比べて,統合失調症では約9ヵ月,躁うつ病では約10ヵ月,てんかんでは約17ヵ月在院期間が長くなっていた.また標準誤差は大きいものの,生活保護法での医療扶助入院と在院期間の関連は,保護者が親,配偶者,兄弟である場合に強いことも示唆された.【考察】新生活保護法の施行後まもない1956年という時点において,患者の家族・個人属性などの要因を制御しても,すでに医療扶助入院患者は社会保険入院患者と比較して長期在院となりやすい傾向があった.生活保護法での医療扶助入院の長期化の背景には,家庭の生活困窮度や低いケア力という家庭的要因や,医療扶助による入院無料化や家族の意向を反映しやすい同意入院の仕組みという制度的要因があったと推察される.このような生活保護法での医療扶助入院における入院長期化は現在に至るまで存在し,戦後の精神病床入院の一貫した特徴の1つであると考えられる.

索引用語:生活保護, 医療扶助, 同意入院, 措置入院, 精神衛生法>

はじめに
 日本における精神病床は,1952年に約2万5,000床となって戦前の最大値(1941年の2万4,000床)を超え,1956年に5万床,1961年には10万床の大台に乗り,1967年には20万床,1979年には30万床を突破した.1980年前後において,現代と人口あたりで大きく変わらない精神病床供給の体制が完成した.
 このような戦後日本の精神病床数推移の歴史的原因について,多くの先行研究は以下のように説明してきた.それは,第一に日本の精神医療は公安(社会防衛)的発想に強く下支えされてきたという「公安主義」と,第二に精神病床の大部分を所有してきた民間病院が利益のために患者を多数入院させて長期入院を図ってきたという「営利主義」である.
 前者の「公安主義」的説明が成立してきた経緯としては,措置入院をめぐる評価が大きな影響を与えている.精神衛生法は,入院形態として第29条の「措置入院」のほか,第33条において「保護義務者の同意による入院」(同意入院)や,一時的な「仮入院」(第34条)を定めていたが,先行研究では特に第29条の措置入院(当時は原則として公費支弁)が強調されてきた.先行研究は,1960年代に生じたこの措置入院の急増をもって,日本の精神医療の「公安主義」的傾向の確立の根拠としていることが多い24)26)34).後者の「営利主義」は,日本の精神病床の8割から9割を占め続けてきた民間病院の多さが,国の公的関与の低さを意味する根拠として今日に至るまで繰り返し議論されてきた2)5)8)23)26)27)32)34)35)
 しかしながら,公安主義や営利主義を批判するこうした解釈は,戦後日本の精神医療や病院経営について一定の特徴を捉えている反面,他の重要な歴史的事実を捨象してきた側面がある.とりわけ,精神病床入院に際する医療費財源として大きな役割を果たしてきた生活保護法での公費入院(医療扶助入院)は軽視されてきたといえる.
 もちろん,着目されることは多くなかったとはいえ,こうした精神病床における医療扶助入院の重要性に言及している先行研究がないわけではない.医療扶助入院に占める精神障害の割合の多さから,精神障害と生活保護は不可分な関係となっていることを指摘している先行研究12)や,公安主義を強く批判しつつも戦後の病床増における生活保護法の影響力を指摘している研究24)も存在した.また,精神病床入院患者全体に占める生活保護受給者(すなわち医療扶助による入院患者)の割合が,1960年には全入院約9万5,000人に対し約50%,1970年においては全入院約25万人に対し約38%,1980年には全入院約31万人に対し約37%だったことに言及している研究もある18)
 他にも,1960年代から1980年代に行われた精神病床急増期における長期在院についての調査・研究では,その一環として医療費財源との関係を分析している.1973年のデータを利用した研究では,「精神病床数(人口万対)」や「精神病床の平均在院日数」は,「精神病医療扶助単給支給人員」の因子と高い相関を示しており(前者は相関係数0.85,後者は相関係数0.51),これらの値は,この研究で列挙された他のすべての因子との相関係数よりも高かった10).その他の研究も,いずれも公費入院(精神衛生法での措置入院と生活保護法での医療扶助入院)の場合,社会保険での入院よりも長期化する傾向を指摘している17)25)30).ただしこれらの研究は1件10)を除いて一地域,あるいは一病院の集計結果の分析である.また,2000年代以降の精神病床の長期在院の要因に関する重要な研究では,医療費財源の影響については検討されていない3)4)13)14)
 一方,先に著者らは,行政収容・公的扶助・社会保険という3つの公的医療費財源別の精神病床入院患者数の長期的推移に着目し,生活保護法での医療扶助入院が,精神衛生法での措置入院や社会保険での入院と並んで,戦後の日本における精神病床入院の増加を財源的に支えていたことを明らかにした1).また別の論文において,精神衛生法下の新規入院件数では同意入院(現行の医療保護入院の前制度)が措置入院よりも際立って多数だったことを確認したうえで,同意入院に対し医療費財源として生活保護法での医療扶助が適用されることが多かったことを指摘し,同意入院と医療扶助の組み合わせによる入院増の重要性を指摘した6)
 さらに著者(後藤)は,これらの研究を総括する形で,20世紀日本の精神病床入院の制度的変遷を総合的に分析し,戦後日本における大規模精神病床の形成が,措置入院に象徴される「公安主義」的なものだけではなく,生活保護での入院という形での公的扶助セクターからの社会福祉的要素を強くもった入院に牽引されていたことを論じた7).同書の特徴は,精神科入院において「社会防衛型」「治療型」「社会福祉型」の3つの中核的機能を位置づけ,これらをそれぞれ医療費財源である「特別法」「社会保険」「公的扶助」の3種と対応させて検証したことである.なお同書では医療費財源別の入院期間の分析も行っているが,主に1960年代以降の記述統計分析が中心となっている.
 以上のように,著者らによる研究は,病床数という観点からみても,長期在院という観点からみても,生活保護法での医療扶助入院は戦後長らく重要な地位を占め続けてきた可能性を示唆している.しかしながら,冒頭に述べた通説の根拠となっている先行研究の多くは,入院医療費財源の役割については分析・考察の対象としていない.
 なお,海外の先行研究においても,医療費財源に着目した精神病床入院の研究は管見の限り見あたらなかった.おそらく,海外では日本のように精神病床への長期在院自体が社会問題化しないようになってきており,医療費財源という制度的観点から在院期間の検証をする必要性が少ないことが考えられる.
 そこで本研究は,これまで先行研究が対象としていない時期である新生活保護法施行(1950年)期における,生活保護法での精神病床入院と在院期間の長期化との関連性について検証する.この検証により,現在まで続く生活保護法での医療扶助入院の長期化が,新生活保護法の制定直後から一貫して成立していたかどうかを明らかにすることができる.
 本研究の仮説は,「在院精神障害者実態調査が行われた1956年時点において,精神疾患の程度や介助の必要度を考慮してもなお,社会保険での入院よりも生活保護での入院のほうがすでに在院期間は長い」というものである.生活保護での入院は,家族および本人に対する救貧的な側面があり,特に貧困世帯家族の経済的負担やケア負担は大幅に軽減される.そのため,本人の精神疾患の程度や介助の必要度が同程度であっても,生活保護での入院のほうが社会保険での入院より在院期間が長くなりやすいという推論が導かれるからである.

I.方法
1.分析の目的に用いる調査
 本研究では,1956年に厚生省によって行われた全国疫学調査である「在院精神障害者実態調査」の個票データを利用し,社会保険・生活保護法・精神衛生法などの医療費財源と在院期間の関連を分析した.同調査は,1960年に『在院精神障害者実態調査報告』16)(以下,『報告書』)にまとめられているが,本研究は『報告書』で用いられた個票データを再度電子データ化して分析を行った.
 なお,『報告書』本文中(16頁)に(調査の解析は)「国立精神衛生研究所において行われた」とあるように,本調査には,現在の国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の一組織である精神保健研究所の前身である国立精神衛生研究所が調査解析に深くかかわっていた.今回,在院精神障害者実態調査の個票を利用できたのは,これらの原票がNCNPに現存していたためである.著者らは,当該資料の整理とアーカイブズとしての保存措置を行ったうえで,国立精神・神経医療研究センター倫理委員会の承認を得て研究を実施した(承認番号A2016-053).
 「在院精神障害者実態調査」は,1954年と1963年にも行われた在宅患者の実態調査などとあわせ,戦後日本の精神医療政策立案や精神病床規模の統計的・政策的根拠となったものであり,政策史的観点からみても重要な調査である.この「在院精神障害者実態調査」は,「精神障害者の在院及び退院の実態を知ること」(『報告書』序より)を目的に1956年に実施されたものであり,調査対象となったのは,「(1)全国の精神病院(病室)に入院しているすべての精神障害者,及び(2)全国の精神病院(病室)から退院した精神障害者」(同7頁)である.
 また,実施された調査は標本調査によって行われ,これは全国の精神病院(病室)を『病院月報』に基づき経営主体別と許可病床数階級別によって17層に分け,さらにその各層から約5分の1が無作為抽出された.これらの施設に調査日(1956年7月15日)現在入院しているすべての精神障害者,および1956年1月1日から6月30日までの間にその施設から退院した精神障害者が調査対象となった.よって,調査票は在院患者と,退院患者にそれぞれ用意された.最終的に実際の調査対象となったのは60施設,在院患者9,066名,退院患者4,651名であった.
 なお『報告書』では,「社会保険」「生活保護」「措置入院」などの医療費財源(『報告書』には「入院時の費用支払区分」として記載があるが,以下「医療費財源」として統一)別の在院期間は十分に検証されていない.そのため本研究では,原調査の個票データを用いて回帰分析を行うことで,個人属性や家族属性などのさまざまな交絡要因を制御しながらより詳細に医療費財源と在院期間の関係を検証した.

2.標本抽出の方法
 「在院精神障害者実態調査」には,調査時点(1956年7月15日)における在院患者を調査対象とした在院票と,退院患者(1956年1月1日から6月30日までの期間)を調査対象とした退院票が存在する.本研究では,サンプル・セレクションの懸念の少ない在院票を主要な分析対象としたうえで(退院票の場合は退院できた患者のみの標本となるのに対し,在院票にはそのような偏りはない),追加分析として退院票の分析も行った.なお在院票には,入院回数や「家族等の連絡状況」の記載があるなど,退院票より多くの調査項目があるという利点もある.
 まず主要分析対象である在院票については,統合失調症(当時は「分裂病」)の患者は,数が多く全個票を入力することが困難であったため,統合失調症の全個票(6,344名)から800名の個票を無作為抽出した.また躁うつ病およびてんかんについては,原調査の全個票(336名および347名)を対象とした.そのうえで,これらの個票から初回入院の個票のみを分析に利用した.
 一方,追加分析の際に用いる退院票においては,統合失調症については全個票(2,394名)のなかから1,000名分の個票を無作為抽出した.また躁うつ病およびてんかんについては,原調査の全個票(471名および134名)を対象とした.在院票と異なり,退院票には初回入院か否かを識別する情報がないため,これらの個票のうち,分析に利用可能なすべての個票を用いた.
 このように統合失調症と躁うつ病・てんかんでは標本抽出方法が異なるため,在院票および退院票双方において,すべての分析は疾患ごとに行った.
 なお,本研究の標本抽出における留意点としては,サンプル・セレクションの問題がある.すなわち,被説明変数である在院期間とは,在院票の場合は調査時点における在院期間であり,退院票の場合は退院時点における在院期間である.これらは,入院患者全体の結果的な在院期間とは異なる.つまり,在院票は「死亡せずに入院している患者」のみの標本であり,調査時点での在院患者の在院期間の分布を表している一方で,長期在院の結果,病院内で死亡した患者の在院期間は反映されていない.これに対し退院票は「退院できた患者」のみの標本であり,長期在院で退院できない患者や病院で死亡した患者の在院期間は反映されていない.本研究は長期入院の検証を目的としているため,社会保険による短期入院患者が多く存在する退院票ではなく,一時点の入院患者の在院期間分布を反映していると考えられる在院票を主要な分析対象とした.ただし,追加分析として退院票の分析も行った.

3.解析方法
 第一に,在院患者および退院患者の標本を用いて,入院時の医療費財源別の両者の平均在院期間の単純集計を行い,医療費財源別の平均在院期間を検証した.第二に,在院患者の標本を用いて,在院期間を被説明変数とし,入院開始時点での入院費用の医療費財源のダミー変数とその他の共変量を説明変数にした回帰分析を行った.医療費財源のダミー変数については,「社会保険」を参照変数とし,「生活保護」や「措置入院」など,社会保険以外の医療費財源についてダミー変数を作成した.
 ただし,入院時の医療費財源と在院期間の関係を検証する際,入院時と入院後で医療費財源が変更となるケースが多い場合,その解釈が難しくなる.そこで次節において,入院時と入院後で医療費財源が変更された患者がどの程度いるのかの検証も行った.
 なお,回帰係数の有意性検定の基準としては,不均一分散に対して頑健な標準誤差を用いてP値を算出し,1%,5%,10%有意水準の3つの基準を採用した.また分析結果表には係数推定値とその標準誤差を明記した.

4.在院期間と医療費財源の変数
 本研究の回帰分析における被説明変数は,すべての回帰式において患者の「在院期間」の月数とした.また主たる説明変数は「入院時の主たる医療費財源」であり,自費,生活保護,措置入院,その他・不明の4種の財源による入院について,該当する場合に1,そうでない場合に0とするダミー変数を作成した.なお,社会保険での入院を参照変数としたため,社会保険入院ダミーは説明変数からは除いた.
 なお,入院時の医療費財源について,『報告書』では生活保護および措置入院において「全額扶助」・「一部扶助」と「全額公費負担」・「一部公費負担」の区別がある.しかし特に措置入院において患者数が少ない傾向があるため,分析においては両者を区別しなかった.この点については,生活保護および措置入院の両方において,一部負担においても応能負担であり,実質上大部分が公費負担であったと推測されるため,両者を区別しないことに大きな問題はないと考えられた.

5.制御(コントロール)変数
 また回帰分析で用いた制御変数(医療費財源以外の説明変数)は,大きく「入院時の個人属性」と「家族属性」と医療施設のダミー変数の3種類に分けられる.第一に,「入院時の個人属性」については,性別,年齢,患者の状態像,看護の必要度,入院前発症期間などを用いた.性別については男性であれば1,女性であれば0のダミー変数を用いた.年齢については,年齢とその二乗項を用いた.患者の状態像については,「興奮,混迷・抑鬱(原文ママ),痴呆(原文ママ),分裂病性欠陥(原文ママ),幻覚・妄想,意識障害,発作性症状,周期性症状,身体症状」の9つの状態像カテゴリーごとに,それをさらに細分類した計33項目の状態像について該当するか否かの情報がある.そこで制御変数として,全体的な状態の重篤度の代理変数として,該当状態像数の合計値(「患者の状態像」の該当数)を用いた.さらに,9つの状態像カテゴリーそれぞれについて,該当状態像が1つでもある場合は1,ない場合は0とする9つのダミー変数も制御変数に加えた.また,「看護上特に注意を要する状態」として,暴行,反抗,易怒,喧騒などの18項目についての情報があるため,その該当状態数の合計値も制御変数に用いた.最後に,「全体として要注意看護の必要度」および「日常生活の介助,指導を主とする看護を要する状態」をそれぞれ4つのレベルから選ぶ形式になっていたため,それらの各レベルのダミー変数を作成し,それぞれ3つずつ制御変数に加えた.
 第二に,「家族属性」については,保護者の種類と既婚か否かについての変数を用いた.保護者については,保護者なし,親,配偶者,子ども,兄弟・姉妹(以下,兄弟),その他の6つのカテゴリーについて,それぞれ該当する場合は1,該当しない場合は0とするダミー変数を作成し,うち5つのダミー変数を制御変数とした.また,既婚であれば1とするダミー変数も加えた.
 第三に,調査票には入院施設情報が記載されているため,医療施設の違いによる在院期間の違い(医療施設効果)を制御するために,入所施設ごとのダミー変数(計60医療施設)も制御変数として用いた.
 なお,医療費財源や患者の状態像などの多くの調査項目は,入院時および調査時(退院票では退院時)の2時点の情報が記されている.本研究の目的は医療費財源と在院期間の関係の検証であるため,説明変数としては入院時の医療費財源を,交絡要因の制御変数としても入院時の患者属性を用いた.

6.頑健性の検証と保護者別の分析
 分析結果の頑健性の検証や保護者の属性別の分析として,以下の2つの追加分析を行った.第一に,退院票の標本を用いて同様の回帰分析を行った.退院票の標本は,在院票と比較して,①初回入院かどうかがわからない,②保護者の有無や結婚の有無などの「家族属性」の変数を入手できない,③一定の期間で退院できた患者しか含まれない,という欠点があるため,在院票の標本の分析結果と同水準の信頼性を有さない.しかし,そのような統計であっても在院票の分析結果と同様の含意が得られるかを検証することによって,前節の分析結果の頑健性を確認した.
 第二に,在院票の標本を用いて,生活保護での入院と在院期間の関係が,保護者の属性によってどの程度異なるかを検証した.具体的には,保護者がいない場合や非親族の場合と比べて,保護者が親や兄弟などの親族だった場合に生活保護での入院の在院期間が長くなっているか否かの分析を行った.

II.結果
1.標本抽出後の患者数および記述統計
表1に,標本抽出した医療費財源別(入院時)・疾患別の患者数を示している.標本抽出後の在院票(初回入院患者のみ)の総数は,統合失調症417名,躁うつ病178名,てんかん213名の合計808名である.一方,同退院票の総数は,統合失調症1,000名,躁うつ病461名,てんかん127名の合計1,588名である.
 また,分析に用いた初回入院の在院票患者や追加分析に用いた退院票患者の諸変数の記述統計表の記載は割愛するが,以下では初回入院の在院票患者の記述統計について概観する.
 第一に,被説明変数である在院期間の平均値は統合失調症が24.3ヵ月,躁うつ病が7.13ヵ月,てんかんが27.6ヵ月であった.つまり,いずれの精神疾患でも平均在院期間は半年以上,統合失調症とてんかんは2年以上であった.なお統合失調症とてんかんの1名ずつについては,最大値である120ヵ月(10年)以上の在院期間の記録がないため,120ヵ月としている.
 第二に,主たる説明変数である「入院時の医療費財源」については,統合失調症においては自費が約10%,社会保険が約32%,生活保護が約44%,措置入院が約12%であった.一方,躁うつ病では自費が約24%,社会保険が約41%,生活保護が約29%,措置入院が約4%であり,てんかんでは自費が約7%,社会保険が約28%,生活保護が約47%,措置入院が約14%であった.いずれにせよ,どの疾患においても,社会保険と生活保護を合わせると全体の7割以上を占めた.
 第三に,統合失調症の「入院時の個人属性」をみると,男性比は約58%,平均年齢は約32.5歳,入院前発症期間の推計値は約42.6ヵ月であり,「患者の状態像」としては,例えば約72%の患者において「分裂病性欠陥状況(原文ママ)」がみられるとされ,77%の患者において「幻覚妄想状態」があるとされていた.また統合失調症の「家族属性」としては,保護者なしが約7%,保護者あり(親)が約49%,保護者あり(配偶者)が約14%,保護者あり(子ども)が約3%,保護者あり(兄弟)が約23%,保護者あり(その他)が約5%であり,既婚者の割合は約20%であった.
 次いで表2には,入院時と調査時・退院時の医療費財源の関係を示している.これによると,在院票・退院票の両方において,入院時の医療費財源が社会保険・生活保護・措置入院であった患者の約90%は,調査時・退院時も同一財源であった.
 また今回の標本の代表性をみるために『報告書』中の結果表と比較する.『報告書』では,医療費財源は診断名別に採集されていないが,在院精神障害者総数(9,066名)に対する内訳の記載がある.それによると,自費が11.7%,社会保険が33.1%,生活保護が40.2%,措置入院が13.2%,その他・不明が1.7%である.これは,今回の在院票の統合失調症患者の標本(自費が約10%,社会保険が約32%,生活保護が約44%,措置入院が約12%)と近い分布である(なお全在院患者中,統合失調症の患者数は6,344名で全体の約7割).
 同様に,『報告書』には,診断名別の保護義務者の欄は存在しないが,やはり総数に対する内訳は判明する.それによると,保護者なしが7.9%,保護者あり(親)が46.1%,保護者あり(配偶者)が21.2%,保護者あり(子ども)が4.5%,保護者あり(兄弟)が16.3%,保護者あり(その他)が3.2%である.在院患者総数の割合と比較すると,今回分析対象とした統合失調症患者の保護者の属性は,保護者が配偶者である割合が7%ほど低く,保護者が兄弟である割合が6%ほど高くなっていたものの,全体的には類似している.
 さらに『報告書』では,診断名別ではなく全体のみだが,医療費財源別に在院期間の分布が記載されている.それによると,2年以上の在院期間は,全額自費が8.1%,社会保険が16.3%,生活保護が51.9%,措置入院が22.2%,その他・不明が1.5%である.

2.医療費財源別の在院期間
 回帰分析の結果を検証する前に,在院票と退院票の標本を用いた記述統計分析を行った.は在院患者および退院患者における医療費財源(入院時)別の平均在院期間を示している.統合失調症の在院患者の場合,社会保険での医療費支払患者の平均在院期間は約12ヵ月であるのに対し,生活保護は約30ヵ月,措置入院は約39ヵ月と,生活保護は社会保険に対し3倍,措置入院の場合は4倍近くの在院期間となっていた.統合失調症での退院患者の場合,社会保険での医療費支払患者の平均在院期間は約5ヵ月であるのに対し,生活保護は約14ヵ月,措置入院は約18ヵ月となっており,おおよそ生活保護は社会保険に対し3倍弱,措置入院の場合も4倍弱の在院期間となっていた.躁うつ病,てんかんの場合も,全体的には,統合失調症の医療費財源別の平均在院期間と同様の傾向を示した.
 次に在院票の回帰分析結果を表3に記載している.同表は,統合失調症,躁うつ病,てんかんの在院患者の在院期間を被説明変数とした回帰分析結果を示している.いずれの分析においても,異なる回帰式を用いた①~⑤の5種類の分析結果を示しており,また主たる分析対象である「入院時の医療費財源」のダミー変数の係数の推定結果のみを示している.
 なお本研究としては,最も多くの交絡要因を制御した⑤を主たる結果と解釈する.また⑤にさらに入院中に受けた治療の種類(計10種類)のダミー変数も加えた回帰式の推定も行ったが,治療の種類は医療費財源の影響を受ける媒介変数である可能性があり,結果もほとんど変わらなかったため掲載していない.
 パネルAは,統合失調症患者を標本とした分析結果である.まず制御変数を考慮しない①の分析結果によると,自費,生活保護,措置入院による入院患者は,社会保険での入院患者と比べると,それぞれ約9.4ヵ月,18.6ヵ月,27.1ヵ月有意に在院期間が長い.このような有意差は,個人属性,家族属性,入院前発症期間,病院施設効果などの共変量を段階的に制御すると減少するものの,すべて制御した⑤においても,生活保護および措置入院は社会保険での入院よりもそれぞれ約8.7ヵ月および約9.6ヵ月在院期間が長くなっている.
 次いでパネルBの躁うつ病についても,すべての共変量を制御した⑤においても生活保護は社会保険での入院よりも有意に約9.9ヵ月在院期間が長くなっている.一方で,措置入院に関しては,措置ダミーの係数値は①~④で約15~19(ヵ月)と大きいものの有意ではなく,医療施設ダミーを制御した⑤では係数値も約-7.9と大きく減少している(ただし,躁うつ病患者の標本規模はn=166~178と小さく措置入院患者数も少ない).
 最後にパネルCのてんかんの結果をみると,すべての回帰分析において,生活保護と措置入院は社会保険での入院よりも大幅な長期入院となっている.すべての共変量を制御した⑤においても,生活保護は約17.0ヵ月,措置入院は約18.1ヵ月と,社会保険での入院よりも在院期間が長いとの結果となっている(ただし,措置入院の場合は標準誤差が約12.7と比較的大きい).

3.退院票を用いた分析
 次に,前節で得た結果の頑健性を確かめるために,退院票の標本の分析を行った.退院票の分析結果は表4に示している.形式は表3とほぼ同様であり,パネルA,B,Cにそれぞれ統合失調症,躁うつ病,てんかんの在院患者の標本の分析結果を示している.
 パネルAの統合失調症の結果をみると,制御変数の有無にかかわらず,生活保護や措置入院は,社会での保険入院よりも有意に在院期間が長いとの結果となっている.最も多くの交絡要因を制御した④をみると,生活保護および措置入院は,社会保険での入院よりもそれぞれ約7.3ヵ月および約8.3ヵ月在院期間が長い.次にパネルBの躁うつ病の結果をみると,措置入院においては在院期間の長期化は観察されない一方で,生活保護においては回帰式にかかわらず約3.5ヵ月ほどの在院期間の長期化が観察された.最後にパネルCのてんかんでは,小規模標本という制約はあるものの,生活保護,措置入院のいずれも在院期間の有意な長期化は観察されなかった.

4.保護者の属性別の医療扶助在院期間
 また,再び在院票の標本を用いて,これまでの分析で観察された生活保護での入院と在院期間の関係が,保護者の属性によってどう異なるかを検証した.そのために,これまでの回帰式に生活保護ダミーと保護者の属性ダミーの交差項を追加した分析を行った.ただし表5にあるように,保護者の属性別の患者数は必ずしも多くないため,「保護者なし」と「保護者あり(その他)」をあわせて参照属性とし,それらのグループと比較して,保護者が親,配偶者,子ども,兄弟の場合にそれぞれ在院期間がどの程度異なるかを検証した.
表6には回帰分析の結果を示している.まず,医療費財源ダミーの係数値の解釈については,生活保護以外は表3, 表4と同様である.一方,生活保護ダミーの係数については,生活保護ダミーと保護者ダミーの交差項が別途加わっているため,「保護者なし・保護者あり(その他)」の生活保護での入院の在院期間が,社会保険での入院の在院期間と比べてどの程度長いかを示している.その結果,いずれの回帰式を用いても生活保護ダミー係数の推定値の標準誤差は大きく,統計的に有意な差は観察されなかった.
 次に,保護者ダミーの係数値については,「保護者なし・保護者あり(その他)」の場合と比べて,親・配偶者・子ども・兄弟が保護者であった場合に在院期間にどの程度の差があったかを表している.ただし,生活保護ダミーと保護者ダミーの交差項も導入しているため,ここでは生活保護での入院以外の患者についての在院期間の差を示している.その結果,制御変数(共変量)を含む②および③でみると標準誤差は大きく統計的に有意ではないが,保護者が配偶者や子どもの場合には在院期間が短くなる傾向を示している.
 最後に,主たる関心である生活保護ダミーと保護者ダミーの交差項の係数を検討する.この係数は,生活保護の患者において,保護者が親・配偶者・子ども・兄弟である場合に,「保護者なし・保護者あり(その他)」の場合と比べて,どの程度平均在院期間が長いかを示している.その結果,制御変数を含む②および③をみると,保護者が親,配偶者,兄弟の場合には約6.6~15.8ヵ月ほど在院期間が長くなっているのに対し,保護者が子どもの場合にむしろ在院期間は変わらないか,短くなっている.ただし,標準誤差はいずれも大きく,統計的に有意とはいえない.

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III.考察
1.生活保護での入院は長期化していたか
 本研究では,精神病床への入院患者を対象にした1956年の全国疫学調査の個票を利用して,医療費財源と在院期間の関係を分析した.その結果,医療費財源のうち,生活保護法での医療扶助入院は,精神衛生法での措置入院とともに,社会保険での入院や自費入院よりも在院期間の長期化の傾向があった.以下では,特に1950年代から1970年代頃の精神病床急増期における生活保護での入院について,より詳しく考察する.
 本研究での分析結果では,統合失調症,躁うつ病,てんかんといった疾患名に関係なく,生活保護での入院は在院期間の長期化と関連が強いことが示唆された.この結果は,性別,年齢,疾病や看護の状態といった個人属性情報,保護者の種類や婚姻の有無といった家族属性,入院前発症期間,そして医療施設効果を制御しても頑健に示された.
 在院票に関しては,表3の①と②~⑤を比較すると,共変量を考慮しない場合には生活保護での入院や措置入院と社会保険での入院との在院期間の差には上方バイアスが存在し,単純なクロス集計では医療費財源と在院期間の関係を過大評価してしまうことが明らかとなった.しかしながら,最も多くの交絡要因を制御した場合においても,生活保護での入院は,社会保険での入院と比べて,統合失調症で約9ヵ月,躁うつ病で約10ヵ月,てんかんで約17ヵ月,平均在院期間が長くなっていた.
 もちろん表3表4の分析のみによって,生活保護という「医療費財源」が在院期間の長期化の唯一の要因と断定することはできない.しかし,少なくとも,観察可能なさまざまな交絡要因(障害の程度,看護の状態,保護者の属性など)を制御してもなお生活保護での入院や措置入院患者の在院期間は社会保険での入院よりも有意に長く,特に生活保護ダミー変数の係数推定値は回帰式の違いによる変動は比較的小さかった,在院票の分析(表3)では最も小さい推定値でも約8.7(ヵ月)であり,社会保険での入院と比べて顕著な入院の長期化が確認された.これは,生活保護での入院という要因が在院期間の長期化と強く関連していたことを示唆している.

2.1960年代から最近までの生活保護での入院の在院期間の傾向
 本研究の主たる分析の対象とした個票の作成時期は,1956年という新生活保護法の施行直後であった.ではその後の年代において,生活保護での入院はやはり長期在院化の傾向をみせていたであろうか.
 まず,1954年から1983年分までの『患者調査』15)には「治療費支払方法・特定傷病・在院期間別にみた退院患者累積百分率」という項目が掲載されており,医療費財源別に,一定期間内に退院した患者の累積割合が示されている.同項目は,入院患者のなかで一定期間内に退院した患者の累積割合を表すもので,100(%)になると全患者が退院したことを示す.例えば5ヵ月で累積割合が85.0%であれば5ヵ月後でも15%の患者が在院していることを意味する.この統計を用いることで,医療費財源別の在院期間の傾向を検証することができる.
 これによると,1年未満に退院した患者割合(以下,1年未満退院率)は,1960年において「健保・船保・共済・日雇健保」が95.8%に対し「生活保護」は79.2%だった.1970年の1年未満退院率は「組合健保本人」は89.4%に対し「生活保護」は61.0%,1980年では「組合健保本人」は93.1%に対し「生活保護」は65.5%であった3).これらのデータから,1960年・1970年・1980年では一貫して,組合健保を中心とした社会保険での入院よりも,生活保護での入院が1年超の在院期間となるケースが多かったことがわかる.
 また生活保護での入院の長期在院傾向は,現代においても観察されている.2016年5月に精神病床に入院していた46,559名分の生活保護患者のレセプトデータを分析した研究28)によると,生活保護受給者の場合,在院期間3ヵ月未満が15.9%,3ヵ月以上1年未満が15.8%,1年以上5年未満が25.2%,5年以上が43.2%だったと報告され,1年以上の在院が全体の7割に近くなっていた.また関連する研究29)では,2014年4月から2016年3月までに精神病床に新規入院した60万人超の患者の分析で,360日以内の退院率は85.7%であった.両研究を参照すると,現在においても生活保護での入院が,その他の医療費財源での入院よりも,長期在院となる傾向があることがわかる.

3.生活保護での入院の長期化の家族的背景
 本研究では,1950年代半ばにおける生活保護法による医療扶助での精神病床入院は,社会保険での入院よりも長期在院化が生じやすかったことが明らかになった.では,このことは何によって引き起こされていたのだろうか.考えられる有力な要因として,生活保護での入院となる患者世帯は,経済的困窮によってケア供給能力(家族や親戚や付添人などによる介護や見守りなど)の不足などに陥り,このような家族の脆弱性によって在宅生活が困難になっていた可能性が考えられる.一方,生活保護での入院では,その質はともかく24時間のケア/医療サービス供給がなされ,また次節で議論するように患者家族に対する医療費の自己負担もなく,家族にとっての長期入院のメリットは大きかったと考えられる.つまり,実際のケア負担を負っている家族,とりわけ生活保護受給が認定されるような経済的困窮世帯にとって,公費となる生活保護での入院は,長期入院を誘発する環境であったと推察される.
 なお,1960年代以降には,生活保護法の運用において,世帯分離規定の改正が頻繁に行われ,精神病床入院に際する医療扶助適用は困窮世帯出身の患者以外にまで拡大されてきた点は留意されるべきである.ただし,例えば1986年では保護世帯の世帯分離は総数で30,520件あるのに対し,要件が「精神病患者等」のものは1,220人と4.0%,「長期入院」「公費負担入院」を合わせても6.5%であり,全体に占める割合は小さい19)
 生活保護での精神障害者の入院は,ケアにかかる物理的・経済的・心理的負担から家族を解放する一面があり,長期入院を促す役割を果たしてきた可能性がある.この点は,河野ら13)が在院期間長期化の直接的理由として「家族の受け入れの問題」を最も多かったものとして挙げていることや,池淵ら9)による研究において退院支援を阻む原因として家族要因が複数のクラスターで高くなっていた結果とも整合的である.
 また,生活保護での入院における在院期間の長期化という現象は,社会保険での入院における在院期間の短さという逆の視点から捉えることもできる.表3の⑤に示されたように,統合失調症患者について最も多くの交絡要因を制御した場合,社会保険と比べて,他の入院医療費財源は平均で5ヵ月から10ヵ月程度長期化していた.つまり,社会保険での入院における在院期間は,すべての医療費財源のなかで最も短い傾向があった.
 現在と同様に統合失調症での入院に至る場合,患者本人は失職中かもともと無職であることがほとんどであるため,社会保険での医療費支払は,その大部分は患者が保険の加入者本人ではなく,家族が被保険者だったと推測される.この推測の妥当性は,分析対象となった在院票の社会保険での入院患者133名のうち,保護者がいなかったのは2名(1.5%)しかいなかったことからも裏づけられる〔なお,在院票の全分析対象患者数808名中,保護者なしという回答は57名(7%)であった〕.
 社会保険での入院患者の世帯は,それが組合健康保険か国民健康保険であるかによって実態がかなり異なる可能性を考慮する必要があるものの,少なくとも生活保護受給世帯よりは,退院先としての家庭の社会経済的条件が比較的に整っていたと考えられる.一方で,デイケア・ナイトケアやアウトリーチといった地域精神医療の資源がほとんど整備されていなかった1950年代において,生活保護受給対象となるような世帯は,経済的困窮によるケア供給能力の不足が考えられた.そのような状況において,家族の患者受け入れ体制は治療の効果と同様に退院の成否に非常に重要だったと思われる.
 以上からも,生活困窮世帯において,精神障害者の退院は家族のケア負担や経済的負担増につながることがとりわけ懸念され,退院が忌避されて長期入院が促された可能性が考えられる.表6でみたように,統計的に有意な結果ではないものの,保護者がいない場合や保護者が親族でない場合と比べて,保護者が親・配偶者・兄弟であった場合に生活保護での入院が長期化する傾向にあったことは,このような推論を支持するものである.一方で,保護者がいないケースや保護者が親族でない場合は,家族・親族による退院忌避が生じないため,退院が相対的にしやすかった可能性が考えられた.ただし,退院先としての家族の不在は,居住先の確保の困難さとも関連があるはずで,在院期間の長期化に寄与することも考えられるため,このような分析結果となった詳細な理由は不明である.

4.生活保護での入院の長期化の制度的背景
 また家族的背景に加えて,生活保護での入院や社会保険での入院にかかわる制度的特徴も,本分析結果を考察するうえで重要である.第一に,当時の精神衛生法では,家族は「保護義務者」という法的立場を付与され,患者本人の入退院に際して家族の意向がかなり重視される制度になっていた.そして,生活保護法での医療扶助の適用は,この保護義務者たる家族の意向を受けた「同意入院」を経てから行われるのが一般的だったと考えられる6).そのため,この同意入院―医療扶助の組み合わせは,生活保護が適用されるような経済的な困窮家族に対し,保護義務者として患者の入退院に関し強い権限を与えたことになる.こうした制度的条件は,他の入院形態と比べて,同意入院―医療扶助において長期入院を誘発した可能性がある.
 第二に,すでに言及したように,生活保護での入院では患者世帯の医療費自己負担はほとんどのケースでなかったのに対し,当時の社会保険での入院は被保険者本人には医療費自己負担がなかった一方で被保険者家族には5割の自己負担があった.したがって生活保護の対象となる生活困窮世帯にとって,患者の長期入院は,在宅でのケアと比較してケア負担のみならず経済的負担も大きく軽減され,それが長期入院への強い誘因となったことが考えられる.逆に社会保険での入院の場合,入院患者の多くは被保険者家族のカテゴリーだったと考えられるため,5割の自己負担が社会保険での入院の早期退院への誘因となった可能性も十分にある.
 第三に,特に今回分析に利用した調査が実施された1956年という時期は,都道府県の措置予算の逼迫から,措置入院に該当する患者を入院させられない場合は生活保護での入院が部分的に認められていた(厚生省社会局長・公衆衛生局長の連名通知:1952年10月25日社乙発第146号).そのため,制度的には生活保護での入院の患者でありながら,実際には措置症状を呈する患者が長期入院化するケースもあったと思われる.
 第四に,1956年は,発見されて間もないクロルプロマジンが前年(1955年)に初めて薬価基準に収載されたばかりであり,薬物療法による診療報酬は病院経営に利益をもたらすのが困難な時期であった.こうした事情は,生活保護という安定した財源をもつ患者を長期入院させようとする病院側のインセンティブを強めていたことが考えられる.
 重要な点は,特に精神衛生法下の同意入院と類似した制度的特徴が,現在においても大きく変化していないことである.例えば,医療保護入院の運用で「家族等」の文言は依然として残されているし,生活保護での入院は医療費自己負担なしであるのに対し,社会保険での入院では自己負担が発生する.すなわち,同意入院―生活保護という組み合わせにみられる制度的特徴は,現行制度における医療保護入院と生活保護の組み合わせにも継承されている.
 一方で,海外の先進国に目を向けると,今もなお家族が(本人の)非自発的入院に関する決定権をもつというのはそれほど一般的ではない.例えば,ドイツ,スウェーデン,イタリア,イスラエルといった国では精神障害者の非自発的入院に際して家族・親族は申請者として認められておらず,ほとんどの国では医師が申請し司法が可否を判断している11).このことは,家族の意向が入退院の決定に直接は反映されない制度となっていることを意味しており,日本における入退院の仕組みとは制度的前提を異にしている.
 こうした非自発的入院の法体系および医療費自己負担の仕組みを省みても,1956年時点の日本において入院にかかわる制度と長期入院との間に関係があり,それが現在まで継続していると結論づけることには,一定の根拠がある.

5.一般病床・結核病床における生活保護での入院の在院期間
 本節では,生活保護での入院の在院期間の長期化傾向が,歴史的にみて精神病床以外の一般病床や結核病床などでもみられたのかを検討する.先行研究において,例えば,中島22)は,1956年度における京都府立医科大学付属病院の全科(ただし,精神科,歯科,放射線科は除外)の退院患者の在院期間を検証しており,そのなかで医療費財源別の分析も行っている.その結果,在院日数の中央値は,社会保険本人が26.9日,同家族が15.9日,生活保護患者が75.2日,自費患者が14.7日,その他が25.8日で,生活保護が最も長くなっている.
 また,奈倉ら21)の研究は,1962年から1967年にかけて京阪周辺地域の大小病院21ヵ所の入院患者1,933名(数日で治癒する急性疾患と外傷,結核患者は除外)に対し調査を行い,そのなかで「医療保険別在院期間」も検証している.その結果は,生活保護および日雇保険による在院期間が3ヵ月を越す割合が,その他の被用者保険や国保よりも多く,最多の5割となっていた.
 その他,先にも言及した『患者調査』15)の「治療費支払方法・特定傷病・在院期間別にみた退院患者累積百分率」を参照すると,1年未満退院率は,1960年において,精神病を含む入院患者全体の1年未満退院率は97.4%であるのに対し,生活保護法は77.5%であった.さらに,1970年における入院患者全体の1年未満退院率は97.9%であるのに対し,生活保護法においては84.5%であった.1960年の結核では,1年未満退院率は平均が71.9%であるのに対し,生活保護法の場合は49.4%であった.1970年の結核患者の1年未満退院率は平均が67.4%であるのに対し,生活保護法の場合は58.3%であった.
 以上の先行研究並びに『患者調査』の検討から,生活保護法での医療扶助入院は,精神病床のみならず,他の一般病床・結核病床においても,社会保険入院よりも長期在院化する傾向にあるといえる.

6.措置入院と自費入院の在院期間
 次いで,精神病床入院における措置入院や自費入院と在院期間の関係について検討する.第一に,措置入院については,当時の退院に関する規定が,在院期間の長期化と関係していたと考えられる.当時の精神衛生法第40条は,「第二十九条の規定〔措置入院〕により精神障害者を収容した精神病院の長は,その精神障害者の症状に照し入院を継続する必要がなくなったと認めるときは,都道府県知事の許可を得て退院させることができる」という規定があるのみで,制度的に退院を推奨する仕組みとなっていなかった.このことは,1960年代の精神衛生行政に影響力のあった厚生官僚大谷藤郎も指摘しており,同条についてすみやかに措置解除できるよう改正すべきと論じている31)
 つまり,措置入院は当時,制度的に非常に退院しづらいものとなっており,このことが在院期間の長期化傾向と直結していたと考えられる.かつ,1950年代は精神衛生法での措置入院に対する都道府県予算が不足しており,特に病状の重い患者しか入院措置が行われない傾向があったことも,措置入院の長期在院と関係があったと思われる.一方,現在の措置入院の在院期間は短いことが知られているが,このこと自体が当時の措置入院の長期化傾向が制度的要因にも起因していたことを意味していると考えられる.
 第二に,自費での医療費支払について,調査時は,1961年に達成される国民皆保険以前であり,当時はまだ一定数の無保険者がいたため,少なからずこうした無保険層がやむなく自費での入院をしていたケースもあったと思われる.その反面,当時の自費での精神病床入院は,必ずしもこの無保険層のみによるわけではなく,精神疾患に対する偏見が非常に強かった時代ゆえに,富裕層が匿名性の高い形で家族・親族を入院させていたことも少なくなかったと考えられる.今回の分析では,こうした自費入院について統合失調症・躁うつ病・てんかんいずれにおいても,(社会保険と比べた)在院期間の長期化や短期化は頑健な形では観察されなかった.ただしその原因の1つとして,自費入院患者の個票数が少なかった点には注意が必要である.なお自費入院に関しては,保護者がいない事例は存在せず,入院医療費はほぼすべてが家族・親族による支払だったと思われる.

7.本研究結果の意義
 日本の精神医療全体に対する主流となってきた歴史的評価は,その原型として私宅監置を位置づけ,「精神病者を医療ではなく,公安的隔離監禁の対象とし,それを個人の責任でおこなわせるもの」26)というものであり,あるいは国公立病院がほとんど作られなかったことから「精神医療史八〇年間に一貫して公的責任をはたさなかった国の怠慢」33)を批判することが多い.こうした見解は「精神医療は(中略)精神障害者に治療とケアを提供することより「社会防衛」に軸足を置いていた」20),「公的責任が果たされることなく医療産業として民間精神病院が整備されてきた」5)などとして現在も言及されることが少なくない.
 一方で,本研究の結果に基づくと,生活保護制度の医療扶助を財源とした精神病床の長期在院の傾向は1950年代半ばにはすでに始まっていた.また1960年代以降において生活保護での入院の長期在院化傾向を指摘していた先行研究17)25)30)も踏まえると,戦後における生活保護制度を利用した精神科入院の長期在院傾向は,1950年代から1980年代に一貫して観察できる現象だったことが推察される.さらに著者らの別の研究によると,戦後の精神病床入院のなかで生活保護法での医療扶助入院の患者数の水準は一貫して高く推移していた1).すなわち,これまであまり着目されてこなかったものの,戦後日本の精神病床入院において生活保護法での医療扶助が果たした役割は大きく,本研究の結果もそれを支持するものであった.日本の精神医療史の全体像の評価は本研究の範囲を超えるが,今後のさらなる検証が必要である.

8.本研究の限界
 最後に,本研究の限界点について言及する.第一に,分析結果の解釈における限界である.回帰分析の結果を踏まえた考察においては,生活保護法での医療扶助入院と入院長期化との関連の背景として,患者家族の経済的困窮や(家族による)同意入院という精神医療制度のあり方があることを議論した.しかし本研究では,患者家族の経済的困窮や同意入院の影響などを直接的に分析したわけではない.ただし回帰分析では,入院時の個人属性や家族属性,そして医療施設(入院先の病院)などの交絡要因はできるかぎり制御している.
 また,先述したように,在院票における統合失調症の平均在院期間は24.3ヵ月であったが,『報告書』に掲載のある施設一覧によれば,設立年が調査時点で24.3ヵ月未満の施設も60ヵ所中17ヵ所(約28%)あった.こうした設立間もない病院に入院した患者は必然的に在院期間が短くなり,医療費財源別の在院期間の検証に(過少)バイアスを生じさせた可能性がある.
 第二に,標本の代表性における限界である.本研究で分析対象とした疾患名は,「統合失調症(分裂病)」「てんかん」「躁うつ病」の3つのみであり,「神経症」や「その他の精神病」などは除外しているため,それらの精神疾患の場合における医療費財源と在院期間の関係については不明である.また,同調査は全国(許可病床の50%以上が精神病床である病院全301施設)を対象としていたとはいえ,調査時点で5分の1の病院の抽出となっている.かつ,研究に際しては,「統合失調症」の在院患者の場合,調査対象となった全6,344名から800名の無作為抽出(抽出率12.6%)となっている.したがって,この抽出過程で標本の偏りが生じた可能性がある.しかし,調査当時の抽出方法および本研究における抽出方法のいずれにおいても,標本の代表性を損なう系統的な要因は見いだせず,一定の信頼性があると考えられる.
 第三に,調査の時代制約による限界である.本研究で利用した個票は1956年に行われた調査に基づくものであり,当該個票の分析結果は当然ながら現代と同じように解釈できない.しかし,本研究の目的は,直接的にその意義を現代に敷衍することではなく,20世紀後半期に生じた急激な精神病床入院の増加とその長期化にとって,生活保護法での医療扶助入院が果たした歴史的役割について検証することであった.したがって,1956年という新生活保護法施行まもない時期の調査の個票を利用できたことは,むしろ本研究の価値を高めている.また,精神病床入院における生活保護法での入院という制度的仕組みは現代に至るまで大きな変更がなく,その骨格が維持されていることを踏まえると,60年前に遡ってもなお,医療費財源と在院期間に頑健な関係が観察されたという本研究の結果は現代的示唆も大きい.むろん,現代における医療費財源と精神病床の在院期間の関係の検証は,今後の大きな学術的・政策的課題であり,本研究の分析結果やその含意もまた,それらの新しい調査や研究によって再検討されなければならない.

おわりに
 本研究においては,NCNPに存在している厚生省『在院精神障害者実態調査報告』の個票を用いて,1956年における医療費財源と精神病床入院の在院期間の関係を分析した.その結果,新生活保護法施行後まもない時期である1956年時点において,生活保護法での医療扶助入院のほうが,社会保険での入院よりも有意に在院期間が長期化しており,その長期化の程度は精神衛生法での措置入院と同程度であったことがわかった.また生活保護法での入院の場合,保護者が親・配偶者・兄弟である場合に入院の長期化が生じることが示唆され,生活保護法による長期在院の背景に,保護者である家族の入院ニーズが存在する可能性がある.
 本研究は,大規模かつ長期の入院という日本の精神医療の特徴がどのように歴史的に形成されてきたのか,という問いを考察するうえで重要な分析結果を提示している.戦後の精神病床入院については,これまでさまざまな研究や言説が積み重ねられているものの,生活保護法の医療扶助が果たした役割についてはまだ研究蓄積は少なく,今後も引き続き検証が必要なテーマである.
 また,本研究で言及した精神衛生法下の同意入院と生活保護法での医療扶助適用という組み合わせは,現在においても医療保護入院と医療扶助適用の組み合わせという形で残っている.したがって,生活保護法での入院およびその背景にある家族的・制度的背景に着目した本研究の知見は,精神医療政策史研究への貢献に加え,現代の精神医療政策や今後の地域精神医療の推進に際しても政策的含意がある.

 なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

 謝 辞 本研究遂行の前提となった資料に関し,研究基盤の構築をはじめ,その後に行われた文書整理,データ入力などにも多くの協力を得た.とりわけNCNP精神保健研究所精神医療政策研究部長山之内芳雄先生には本研究プロジェクトにかかわる責任者としてご協力いただいた.同神経研究所長和田圭司先生には,NCNPにおけるアーカイブズ整備プロジェクトとそれにかかわる研究のバックアップをいただいた.現川崎市精神保健福祉センター竹島正先生,現川崎市こども未来局部長大塚俊弘先生には,山之内部長や和田所長らに業務が引き継がれる以前におけるNCNPのアーカイブズプロジェクトに各種の貢献をいただいた.データ入力や資料保存措置などの作業に関しては,一橋大学大学院博士課程(いずれも当時)原田玄機氏,同山邊聖士氏,早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程西脇啓太氏らの協力をいただいた.あらためて協力してくださった皆様すべてに厚く御礼申し上げます.また,本研究プロジェクトの遂行に際しては,文部科学省科学研究費助成を受けた(16K21662).

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29) Okumura, Y., Sugiyama, N., Noda, T., et al.: Psychiatric admissions and length of stay during fiscal years 2014 and 2015 in Japan: a retrospective cohort study using a nationwide claims database. J Epidemiol, 29 (8); 288-294, 2019
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30) 大阪市民生局保護課: 大阪府・市における精神障害入院患者の実態と2~3の生態学的考察. 1963

31) 大谷藤郎: 地域精神衛生活動指針. 医学書院, 東京, 1966

32) Salzberg, S. M.: Japan's new mental health law: more light shed on dark places? Int J Law Psychiatry, 14 (3); 137-168, 1991
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33) 仙波恒雄, 矢野 徹: 精神病院―その医療の現状と限界―. 星和書店, 東京, 1977

34) 山下剛利: 精神衛生法批判. 日本評論社, 東京, 1985

35) 吉岡真二: 精神病者監護法から精神衛生法まで. 精神衛生法をめぐる諸問題 (精神医療史研究会編). 病院問題研究会, 東京, p.8-34, 1964

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