Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第122巻第1号

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原著
インターネット調査による気分障害患者の女性配偶者における感情表出,負担,抑うつ,およびそれらに関連する要因のパス解析
酒井 佳永1), 秋山 剛2), 阿部 又一郎3), 立森 久照4)
1)跡見学園女子大学心理学部
2)NTT東日本関東病院精神神経科
3)伊敷病院
4)国立精神・神経医療研究センタートランスレーショナル・メディカルセンター
精神神経学雑誌 122: 11-24, 2020
受理日:2019年11月2日

 家族の感情表出(EE)は気分障害患者の経過に影響を与える.そのため気分障害患者の家族のEEを高める要因を検討することにより,患者の経過を改善する手がかりが得られる可能性がある.本研究は,258人の気分障害患者と同居する女性配偶者を対象にインターネット調査を行い,女性配偶者の負担と抑うつがEEに及ぼす影響,および女性配偶者と患者の年齢,就労状況,子どもの有無などの社会人口統計学的要因,患者の罹病期間,入院歴,軽躁傾向などの臨床的要因,そして女性配偶者へのソーシャルサポートといった環境的要因が,女性配偶者の負担と抑うつを介してEEに及ぼす影響について,相関分析とパス解析を用いて探索的に検討した.その結果,女性配偶者の負担と抑うつは女性配偶者のEEの高さに有意に寄与していた.また患者が無職であること・入院歴があること・軽躁傾向・女性配偶者へのソーシャルサポートに対する満足度の高さが女性配偶者の負担を介して,そして女性配偶者が無職であること・ソーシャルサポート源の数の少なさが女性配偶者の抑うつを介して,EEの高さに有意に寄与することが示唆された.また子どもがいることは,その他の要因と独立にEEの高さに有意に寄与していた.女性配偶者の負担および抑うつによるEEへの寄与,患者が無職であること,入院歴,軽躁傾向,女性配偶者のソーシャルサポートに対する満足度による負担への寄与,ソーシャルサポート源の数による抑うつへの寄与についての知見は,これまでの報告と一致する.一方,女性配偶者が無職であることによる抑うつへの寄与,子どもがいることによるEEの高さへの寄与についてはこれまで報告されていない知見である.家族のEE,負担,抑うつの関連,およびこれらに影響を与える要因については,まだ知見が確定していない面も多く,今後,臨床群などを対象とした調査による検討を要する.

索引用語:気分障害, 感情表出, 家族, 負担, パス解析>

はじめに
 家族の感情表出(Expressed Emotion:EE)が統合失調症の経過に影響することが,Brown, G. W. らによって初めて報告され5),その後の研究によって統合失調症における高EEは有意かつ頑強な再発の予測因子であることが示されている6)
 気分障害患者とその家族を対象とした研究においても,家族の高EEと再発の関連が報告されており20)28)31),メタアナリシスでは,EEが再発に及ぼす影響のエフェクトサイズは,うつ病性障害のほうが統合失調症よりも大きいとされている6).また,親のEEが思春期の双極性障害患者の自殺念慮に影響するという報告もあり11),気分障害患者の家族のEEを高める要因を検討することにより,患者の経過を改善する手がかりが得られる可能性がある.
 気分障害患者の家族のEEと関連する要因として,これまでに家族の負担と抑うつについての研究が行われている.Perlick, D. A. らは双極性障害患者とその家族を対象とした大規模な縦断的な研究を行い,家族の負担がEEに影響を及ぼし,EEを媒介として患者の経過に影響を与えると報告した37).また双極性障害患者を含む精神疾患患者とその家族を対象とした横断研究で,家族の負担の大きさと高EEが関連しているという報告があるほか22)34),双極性障害患者の家族の負担に関するレビュー論文において,家族の負担とEEが関連する可能性が指摘されている34).さらに統合失調症患者とその家族44),認知症患者とその家族43),薬物依存症患者とその家族23)など,気分障害以外の患者とその家族を対象とした研究において,家族の負担の大きさと家族の高EEの関連が報告されている.これらの報告から,気分障害患者において,家族の負担がEEに影響を及ぼす可能性があると考えられる.
 またMillman, Z. B. らは,家族自身に気分障害の遺伝負因があること,抑うつをはじめとする感情的ディストレスが高いことが,高EEに寄与すると報告している30).さらに統合失調症,不安障害,うつ状態の子どもの親を対象とした研究において,両親の抑うつの水準が高EEと関連することが報告されている9)19)46)ことを考慮すると,気分障害患者の家族において,抑うつがEEに影響を及ぼす可能性が考えられる.
 家族の負担に影響するその他の要因については,家族側の要因として,家族が配偶者である24)38),家族が女性である3)21)24),患者と同居している38),家族の年齢が低い38),家族が患者に対して行う経済的援助が大きい38),家族が就労している24)などの社会人口統計学的要因や,家族へのソーシャルサポートなど家族を取り巻く環境21)27)38)などが挙げられている.また家族へのインタビュー調査による研究では,家族の性別により負担を感じる内容が異なること4)25),女性配偶者はその他の属性の家族よりも負担感が高く,育児や家事の負担が大きいこと17)24)などが報告されている.
 一方,家族の負担に影響を及ぼす患者側の要因としては,患者が無職である12)という社会人口統計学的な要因に加え,患者の診断が双極性障害である7)18),患者の発症年齢が若い8),過去2年間の入院回数が多い38)などの臨床的な要因が負担の大きさと関連するという先行研究がある.また家族が負担を感じる患者の症状として,過活動,イライラ,怒りっぽさ,浪費,言語的・身体的な攻撃や暴力,性欲亢進や婚姻外の性的関係など,患者の軽躁傾向が負担をもたらすことが報告されている10)33)41)
 家族の抑うつに影響する要因については,Perlickら40)が縦断的な研究を行い,ベースライン時の家族の負担の大きさと家族へのソーシャルサポートの少なさは,6ヵ月および12ヵ月後のフォローアップ時の抑うつのリスクファクターとなることを報告している.
 これらの報告をまとめると,気分障害患者の家族の負担と抑うつは家族のEEに影響を及ぼす可能性がある.また家族の負担との関連が報告されている,家族と患者の年齢,性差,就労状況,子どもの有無などの社会人口統計学的要因,患者の診断,罹病期間,入院歴,軽躁傾向などの臨床的要因,そして家族へのソーシャルサポートといった環境的要因は,家族の負担を介してEEにも影響を与える可能性がある.また,先行研究の知見は十分ではないが,これらの要因は家族の抑うつとも関連する可能性もある.
 そこで,本研究は,気分障害患者の家族のなかでも,先行研究において特に負担が大きいと報告されている女性配偶者を対象としたインターネット調査を実施し,女性配偶者のEEに,女性配偶者の負担,抑うつ,およびこれらに影響を与える要因がどのように関連しているかについて相関分析およびパス分析を用いて探索的な検討を行った.

Ⅰ.方法
1.対 象
 インターネット調査会社(Macromill,Inc,Tokyo,Japan)の登録モニターのうち,①20歳から65歳の女性,②婚姻関係にあって同居する男性患者が医師によりうつ病もしくは躁うつ病と診断されている,現在も通院継続をしているという条件を満たす人に調査を依頼し,調査期間(2015年11月28日から2015年11月30日)に回答を得た258人を対象とした.
 回答開始にあたり,アンケートは匿名で行われ,結果は統計的に処理されること,調査への回答は任意であり,途中で回答をやめたくなったらやめてもかまわないことを明記した画面を表示した.アンケートの回答をもって同意が得られたとみなした.また本研究は研究の開始に先立ち,NTT東日本関東病院の倫理審査委員会の承認を受けている(受付番号15-55).

2.評価項目および尺度
1)対象者(女性配偶者)の社会人口統計学的要因
 患者と同居する女性配偶者の年齢,就労状況(フルタイムで就労,パートタイムで就労,無職),子どもの有無を尋ねた.
2)患者の臨床的要因
 アンケートに回答した女性配偶者と同居する患者の年齢,就労状況,初診時年齢,入院回数,診断(うつ病もしくは躁うつ病)について,女性配偶者に尋ねた.
3)女性配偶者のEE
 自記式質問紙であるFamily Attitude Scale(FAS)日本語版15)を用いて,女性配偶者の批判的言辞(Critical Comment:CC)について尋ねた.FASは30項目からなり,各項目について「いつもそうだ」「たいていそうだ」「たまにそうだ」「まれにそうだ」「ない」の5段階(0~4点)で評価する.高い得点ほど高EEである傾向を表す.EEに関する研究では,面接法を用いて,批判的言辞,情緒的巻き込まれ,敵意の3つの要因について評価することが一般的である.しかし,今回はインターネット調査であったため,3つの要因の1つである批判的言辞を自記式で評価できるFASを用いた.FASはEEの面接評価法であるCamberwell Family Interviewによる批判的言辞の評価を外的基準としたとき,高い妥当性があることが検証されている15)
4)女性配偶者の負担
 自記式質問紙であるZarit Caregiver Burden Interview(ZBI)日本語版2)を用いて,家族の負担を尋ねた.ZBIは欧米で最も多く使用されている介護負担尺度であり,日本語版はArai, Y. ら2)によって信頼性と妥当性が検討されている.ZBIは22項目からなり,各項目について「まったく負担ではない」から「非常に大きな負担である」までの5段階(0~4点)で評価する.得点が高いほど,負担が大きいことを表す.
5)女性配偶者の抑うつ
 NIMH Center for Epidemiologic Studies-Depression Scale(CES-D)日本語版45)を用いて,家族の抑うつを評価した.CES-Dは20項目からなり,各項目について,過去1週間に「まったくない」から「週のうち5日以上」までの4段階(0~3点)で評価するものである.得点が高いほど抑うつ的であることを表す.
6)女性配偶者のソーシャルサポート
 Social Support Questionnaire(SSQ)日本語版16)を用いて,女性配偶者が知覚したソーシャルサポート源の数(SSQ-N)と満足度(SSQ-S)を尋ねた.SSQ-Nは「あなたを支えてくれる人のおおよその人数」を尋ね,人数が多いほどソーシャルサポート源の数が多い,すなわちソーシャルサポートネットワークのサイズが大きいことを表す.またSSQ-Sは,SSQ-Nで挙げた「支えてくれる人たち」からの支えについてどのくらい満足しているかを非常に満足から非常に不満までの6段階(1~6点)で尋ねるものであり,得点が高いほど不満であることを表す.
7)患者の軽躁傾向に関する女性配偶者の認識
 先行研究では,患者の軽躁傾向をSocial Behavior Assessment Schedule(SBAS)という半構造化面接で評価している.本研究は自記式調査であり,面接による評価を行うことができないため,家族の評価によって患者の軽躁傾向をスクリーニングすることを目的として,Angst, J. により開発された自記式質問紙である33-item Hypomania Check List-33-External Assessment(HCL-33-EA)13)26)を用いた.
 HCL-33-EAでは軽躁傾向を表す33の項目について,家族に「ある」「ない」「わからない」の三択で回答を求める.「ある」のとき1点,「ない」もしくは「わからない」のとき0点とし,得点が高いほど家族が認識する軽躁傾向が高い.
 HCL-33-EAは,2005年にAngst1)が作成し,軽躁状態のスクリーニング尺度として世界で広く使用されているHCL-32の改訂版であるHCL-3314)の他者評価版である.HCL-33-EAは,家族などの他者が,「患者が高い(ハイな)状態」であった時期を想起し,普段よりも「睡眠を必要としない」「より速く運転する,または危ない運転をしがちになる」「お金を使う,または使いすぎる」などの33項目の状態があったかどうかを問うものである.回答は「ある」「ない」「わからない」の三択であり,「ある」と回答した場合に1点,「ない」「わからない」と回答した場合0点と採点し,合計得点を算出する.
 本人が評価するHCL-32についてのシステマティックレビュー29)では,カットオフ値を14/15としたとき,感度79.99%,特異度65.30%で単極性のうつ病性障害と双極性障害を判別することが示されており,双極性障害のスクリーニング検査として一定の有用性がある.家族などの他者が評価するHCL-33-EAについてのカットオフの検討は行われていないが,本人が評価するHCL-33と一定の一致率もしくは相関を示すこと,一定の内的整合性を示すことから,患者の軽躁傾向のスクリーニング尺度として一定の有用性があると報告されている13)26)
 そこで本研究では,原著者の許可を得たうえで,心理尺度の開発にかかわったことのある3人の日本人研究者(2人の精神科医,1人の臨床心理士)および1人の日本語に堪能な英語ネイティブスピーカーが協議して,HCL-33-EAを翻訳し,これを逆翻訳して原著者の意見を求め,一部の日本語表現と回答形式について,原著者と協議のうえで調整し,最終のHCL-33-EA日本語版を作成し,これを対象者が同居する患者の軽躁傾向の指標として用いた.

3.分析方法
 ①各尺度の内的整合性について検討を行った.
 ②女性配偶者および患者の要因と,女性配偶者のEE,負担,抑うつの関連を明らかにするために,Pearsonの積率相関係数を算出し,相関分析を行った.カテゴリカル変数である就労状況,子どもの有無,診断,入院歴については,ダミー変数を用いた.
 ③女性配偶者のEE,負担,抑うつの間の関連を明らかにするために,Pearsonの積率相関係数を算出し,相関分析を行った.
 ④最後に,相関分析で女性配偶者の負担および抑うつと有意な関連が認められた要因が,女性配偶者のEEに影響を及ぼす経路について,パス解析による探索的な分析を行った.統計解析にはIBM SPSS Statistics 24およびIBM SPSS Amos 24を用いた.

Ⅱ.結果
1.女性配偶者および同居する患者の基本的特徴(表1
 女性配偶者および同居する患者の基本的特徴を表1に示す.女性配偶者の平均年齢は45.0歳(SD=8.4)であり,フルタイムで勤務する人が57人(22.1%),パートタイムで勤務する人が85人(32.9%),就労していない人が116人(45.0%)であった.157人(60.9%)に子どもがいた.
 同居する患者の平均年齢は46.4歳(SD=9.1)であり,フルタイムで勤務する人が188人(72.9%),パートタイムで勤務する人が29人(11.2%),就労していない人が41人(15.9%)であった.女性配偶者が報告した主治医による診断は202人(78.3%)がうつ病性障害,56人(21.7%)が双極性障害であった.初診時年齢は平均38.3歳(SD=9.7),罹病期間は平均8.9年(SD=7.5),入院歴がある患者は66人(25.6%)であった.

2.尺度の内的整合性と基準関連妥当性
 各尺度のCronbachのα係数を算出したところ,FASのα係数は0.96,ZBIのα係数は0.95,CES-Dのα係数は0.91,SSQ-Nのα係数は0.95,SSQ-Sのα係数は0.98,HCL-33-EAのα係数は0.90であった.

3.社会人口統計学的変数および臨床的変数と,女性配偶者のEE,負担,抑うつの尺度得点の相関分析(表2
表2に示すように,女性配偶者のEEは,患者の就労状況や軽躁傾向と非常に弱いが有意な相関があり,患者がフルタイムで就業しているとEEは低く(r=-0.13,P<0.05),患者が無職であり(r=0.14,P<0.05),軽躁傾向が高い(r=0.14,P<0.05)とEEが高い傾向が認められた.また子どもがおり(r=0.21,P<0.01),ソーシャルサポート源の数が多いとEEは低く(r=-0.31,P<0.01),ソーシャルサポートに対する満足度が低いほど(r=0.33,P<0.01)EEが高い傾向が認められた.
 女性配偶者の負担は,患者の就労状況,軽躁傾向,入院歴と非常に弱いが有意な相関があり,患者が無職であり(r=0.16,P<0.05),軽躁傾向が高く(r=0.15,P<0.05),入院歴があるほど(r=0.15,P<0.05),高い傾向があった.また女性配偶者の負担とソーシャルサポートには有意な弱い相関が認められ,女性配偶者のソーシャルサポート源の数が多いほど負担は小さく(r=-0.21,P<0.01),ソーシャルサポートに対する満足度が低いほど(r=0.29,P<0.01),女性配偶者の負担が大きい傾向が認められた.
 女性配偶者の抑うつは,女性配偶者自身の就労の有無と,有意な非常に弱い相関が認められた(r=0.19,P<0.01).またソーシャルサポート源の数が多いほど抑うつは低く(r=-0.33,P<0.01),ソーシャルサポートに対する満足度が低いほど(r=0.26,P<0.01),抑うつが高まる傾向が認められた.

4.女性配偶者の負担,抑うつ,EEの関連についての相関分析(表3
 女性配偶者の負担は,女性配偶者の抑うつと有意な弱い相関(r=0.39,P<0.01),EEと有意な中程度の相関(r=0.67,P<0.01)があり,負担が大きいほど抑うつやEEが高い傾向が認められた.また女性配偶者の抑うつはEEと有意な中程度の相関があり(r=0.42,P<0.01),女性配偶者の抑うつが高いとEEが高い傾向が認められた.

5.女性配偶者の負担,抑うつ,女性配偶者と患者の社会人口統計学的要因,患者の臨床的要因,女性配偶者のソーシャルサポートがEEに及ぼす影響についてのパス解析
 女性配偶者の負担,抑うつ,そしてこれらと相関分析で有意な関連が認められた女性配偶者と患者の社会人口統計学的要因,患者の臨床的要因,ソーシャルサポートに関する環境的要因が,女性配偶者のEEに直接的に,もしくは間接的に影響を及ぼすというモデルを作成し,パス解析による探索的な分析を行った(図1).データのモデルへの適合度はGFI=0.97,AGFI=0.95,RMSEA=0.038であった.さらに図1のモデルから有意ではなかったパスを削除したところ図2のようになった.この最終モデルの適合度はGFI=0.97,AGFI=0.95,RMSEA=0.036であった.
 最終モデルにおいて,女性配偶者の負担を大きくする要因として,患者が無職である(β=0.12,P<0.05),入院歴がある(β=0.15,P<0.05),軽躁傾向が高い(β=0.14,P<0.05),ソーシャルサポートへの満足度が低い(β=0.30,P<0.001)ことが挙げられ,これらの要因により女性配偶者の負担の分散の15%が説明された(R2=0.15).
 女性配偶者の抑うつを高める要因として,女性配偶者の負担が大きい(β=0.33,P<0.001),女性配偶者が無職である(β=0.15,P<0.01),ソーシャルサポート源の数が少ない(β=-0.25,P<0.001)ことが挙げられ,これらの要因により女性配偶者の抑うつの分散の23%が説明された(R2=0.23).
 女性配偶者のEEを高める要因として,女性配偶者の負担(β=0.56,P<0.001)や抑うつ(β=0.16,P<0.001)が寄与していた.また,これとは独立に,子どもがいる(β=0.19,P<0.001),ソーシャルサポート源の数が少ない(-0.16,P<0.001)ことが女性配偶者のEEの高さに寄与していた.これらの要因により女性配偶者のEEの分散の51%が説明された(R2=0.51).

表1画像拡大表2画像拡大表3画像拡大
図1画像拡大
図2画像拡大

Ⅲ.考察
1.女性配偶者と患者の特徴
 本研究の対象者の特徴を,双極性障害患者とその家族に関する大規模研究であるSTEP-BDによる先行研究35-38)の対象者となった家族の特徴と比較すると,平均年齢は45.0歳とやや若く,就業率は6割程度とやや低めである.これは本研究の対象者が女性配偶者であることと関連していると思われる.また対象者と同居している患者の平均年齢は46.4歳であった.患者のうち,フルタイムで就業している人が全体の7割程度であった.患者の診断は,うつ病性障害が8割,双極性障害が2割であり,双極性障害のみを対象とした先行研究との結果を比較する際には,診断の割合の違いに留意する必要がある.

2.女性配偶者の負担に寄与する要因
 相関分析およびパス解析の結果では,患者および女性配偶者の社会人口統計学的変数のうち,患者が無職であることが有意に女性配偶者の負担を大きくしていた.これは気分障害患者の配偶者を対象とした研究において,患者が無職であることが配偶者の負担の大きさと関連する12),家族の客観的な負担と患者が無職であることが関連する35),患者の職業機能の低さが家族の負担を高める41)という報告と一致している.その一方で,Perlickら38)の研究では,患者の就労状況と家族の負担との間に有意な関連は認められておらず,Bauer, R. ら4)は,就労している患者の家族のほうが負担が大きいと報告している.これらの先行研究では家族のうち配偶者が半数以下であったという対象者の違い,Bauerらの研究は半構造化面接による調査であったという調査方法の違い,そして精神障害者に対する社会保障が各国で異なることが,先行研究間の,そして本研究と先行研究との結果の不一致に影響している可能性がある.
 また患者が失職することが,女性配偶者の負担に影響を及ぼす理由として,患者が職を失うことで,女性配偶者が職を得て働かざるを得なくなるという関連があることが考えられるが,本研究の対象者においては,男性の就労状況と女性の就労状況に統計的に有意な関連は認められなかった.患者が無職となることが,どのようなプロセスで配偶者の負担に影響を及ぼすのかについては,今後のさらなる検討を要する.
 Perlickら38)は,家族の年齢が低いと家族の負担が大きいと報告しているが,本研究では女性配偶者の年齢と負担には有意な関連が認められなかった.Perlickら38)の研究対象者となった家族のうち,配偶者は36.4%にすぎないこと,配偶者のほうが負担が大きく,親よりも配偶者のほうが年齢が若い傾向があることが,結果の食い違いに影響している可能性があるが,これについても今後の検討を要する.
 ソーシャルサポート源の数が少ないこと,ソーシャルサポートへの満足度が低いことは女性配偶者の負担の大きさと関連していた.気分障害患者の家族の負担とソーシャルサポートとの関連を検討した研究21)27)38)では,主観的,心理的なソーシャルサポートの多さと家族の負担の小ささが関連すると報告されており,今回の結果はこれと一致している.
 本研究では,患者の診断は女性配偶者の負担に有意な影響を示さない一方,HCL-33-EAを用いて評価した患者の軽躁傾向に関する女性配偶者の認識と患者の入院歴が女性配偶者の負担と関連していた.この結果は一見,矛盾するように思われるが,本研究の対象者となった女性配偶者は「双極性障害である」というラベル(診断)によって負担を感じているのではなく,同居する生活のなかで体験する軽躁傾向により負担を感じていることを示しているのではないかと考えられる.半構造化面接を用いた先行研究においても,過活動,イライラ,浪費,性欲の亢進などの軽躁傾向による行動が家族にとって負担となるという報告があり,本研究の結果はこれと一致している10)33)41)
 一方,先行研究7)18)34)では,一貫して双極性障害患者の家族はうつ病性障害の家族よりも負担が大きいことが示されている.本研究は,患者の診断についての客観的な情報がないという限界があることが,先行研究の結果との不一致に影響している可能性がある.今後,患者の診断および患者の症状について,客観的な評価を行い,さらに検討していく必要がある.
 患者の入院と家族の負担については,過去2年の入院回数が客観的な家族の負担の高さと関連するという先行研究36)がある一方,入院回数,入院日数と家族の負担との間に有意な関連が示されていない先行研究もある4)38).今回の結果では,患者に入院歴があると女性配偶者の負担が大きいという結果であったが,今後の検討を要する.

3.女性配偶者の抑うつに寄与する要因
 女性配偶者の抑うつには,女性配偶者の負担,女性配偶者が無職であること,ソーシャルサポート源の数の少なさ,ソーシャルサポートに対する満足度の低さが有意に関連していた.パス解析においても,女性配偶者の負担,女性配偶者が無職であること,ソーシャルサポート源の数の少なさが,女性配偶者の抑うつを有意に高めていた.先行研究において,家族の負担は抑うつのリスクファクターであることが報告されており36)38)39),今回の結果はこれと一致するものであった.
 本研究の結果では,女性配偶者自身が就労していないことと抑うつの間に関連が認められたが,Perlickら40)は家族自身の就労状況と家族の抑うつには有意な関連はなかったと報告しており,家族の就労状況と抑うつの関連については,今後の検討を要する.

4.女性配偶者のEEに寄与する要因
 相関分析において,女性配偶者のEEの高さと有意な関連が認められたのは,女性配偶者の負担と抑うつ,患者が無職,子どもの有無,患者の軽躁傾向,ソーシャルサポート源の数の少なさ,ソーシャルサポートに対する満足度の低さであった.
 パス解析では,患者の就労の有無や軽躁傾向,ソーシャルサポートに対する満足度のパスは有意ではなくなり,これらは女性配偶者の負担を介して,EEの高さに寄与するという経路で関連していた.女性配偶者の就労の有無は,女性配偶者の抑うつを介して,EEの高さに寄与していた.
 女性配偶者の負担や抑うつのEEへの寄与については,女性配偶者の負担が抑うつを介して間接的にEEに寄与するパスと,抑うつを介さずに直接EEに寄与するパスがともに有意であった.この結果は,家族の負担は家族のEEの高さと関連する22)37),家族の負担が家族の抑うつを予測する40),家族の抑うつがEEの高さと関連する30)という先行研究の結果と一致している.
 また本研究においては,ソーシャルサポート源の数は,女性配偶者の負担,女性配偶者の抑うつとは独立に,女性配偶者のEEに直接影響を及ぼしていた.気分障害患者の家族に対するソーシャルサポートとEEの関連についての先行研究はないが,統合失調症患者の家族を対象とした研究42),および認知症患者の家族を対象とした研究では43),ソーシャルサポートが乏しいほど高EEとなりやすいことが報告されている.気分障害患者の女性配偶者においても,友人,家族,医療関係者など,女性配偶者がさまざまなサポート源をもつことは,EEを低くする可能性がある.
 本研究においては,子どもがいることが他の要因とは独立に,女性配偶者のEEに影響を及ぼしていた.双極性障害患者とその配偶者に対するインタビュー調査を行った研究17)では,配偶者が患者のケア,家事,育児を一人でこなさなければならないと感じていることを報告している.またPerlickら38)は,患者が家事や育児など家族内の役割を果たせないと,家族が果たすべき役割が多くなり負担が大きくなりやすいと述べている.今回の子どもがいると女性配偶者のEEが高まるという結果は,これらの報告と矛盾しないと考えられる.

5.知見のまとめ
 今回の知見をまとめると,これまでの報告と一致する,または矛盾しないものとして,女性配偶者の負担および抑うつがEEを高くする,患者が就労していない・入院歴がある,女性配偶者が患者の軽躁傾向を認識していると女性配偶者の負担は大きい,女性配偶者がソーシャルサポートに満足していると負担が小さく,女性配偶者へのソーシャルサポート源の数が多いと女性配偶者の抑うつが低いという結果が得られた.一方,これまで報告されていない知見としては,女性配偶者が就労していないと女性配偶者の抑うつを高める,また子どもがいることがEEを高めるという結果が示された.家族のEE,負担,抑うつの関連,およびこれらに影響を与える要因については,まだ知見が確定していない面も多く,今後,臨床群などを対象とした調査による検討を要する.

6.本研究の限界
 本研究の最も大きな限界は,インターネット調査であるために,患者の診断や症状などについて客観的な情報が得られていないことである.ただし,家族のEE,負担,抑うつには,患者の診断や症状に関する客観的な情報とともに,家族がこれらについて主観的にどう認識しているかが影響する可能性があり,今回の分析が臨床的に意味がないとはいえない.
 インターネット調査会社のモニターを用いた調査では,調査協力者が最小限の努力で効率よく調査協力による利益を得るために,問題をきちんと読まずに回答する傾向(satisfice傾向)が高頻度で認められることが報告されており32),回答の信頼性の保証について限界がある.
 また患者の軽躁傾向による行動の評価に用いたHCL‒33‒EAの日本語版の信頼性,妥当性については,まだ確認が行われていない.さらに,配偶者の負担には患者の精神症状の内容や重症度が関連する可能性があるが,本研究は女性配偶者のみを対象としたインターネット調査であるため,患者の精神症状についての客観的な情報は得られなかった.今後,臨床データ,もしくは家族会の参加者などを対象として,患者の精神症状を客観的に評価したうえで,本研究で得られた要因が女性および男性配偶者の負担,抑うつ,EEに及ぼす影響について検討する必要がある.
 さらに本研究のEE評価に用いた自記式尺度であるFASは,批判的言辞,情緒的巻き込まれ,敵意というEEの3要因のうち,批判的言辞のみを評価するものである.EEの他の要因については,異なる要因が影響している可能性があるため,今後の検討が必要である.

おわりに
 今回の研究では過去の報告と一致する知見として,①気分障害患者の女性配偶者の負担および抑うつはEEを高める,②患者が無職である,入院歴があるという特徴をもち,女性配偶者が患者の軽躁傾向を認識しているほど,女性配偶者の負担は大きくなる,③女性配偶者がソーシャルサポートに満足していると女性配偶者の負担が小さく,女性配偶者へのソーシャルサポート源の数が多いと女性配偶者の抑うつが低いという結果が得られた.
 また新しく可能性が示唆された知見として,①女性配偶者が就労していないと女性配偶者の抑うつが高まる,②子どもがいると女性配偶者のEEが高まる,という結果が得られた.
 気分障害患者の家族の負担,抑うつ,EEを高める要因について,今後,臨床データを用いてさらに検討を行うことには意義があると思われる.

 本研究はJSPS科研費17K04440の助成を受けた.

 なお,本論文に関連して開示すべき利益相反はない.

文献

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