Advertisement第115回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第121巻第5号

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教育講演
第114回日本精神神経学会学術総会
内観療法の基礎から応用まで
塚﨑 稔
医療法人清潮会三和中央病院
精神神経学雑誌 121: 405-411, 2019

 内観療法は,森田療法と同様にわが国独自の精神療法である.その治療構造や治療者と患者との関係性は,東洋的思想にその基盤をおいている点で西洋由来の精神療法とはかなり相違がある.さらにわが国の精神療法,心理療法の源流は西洋からの理論,技法が大半を占めていることから,わが国において内観療法は臨床の場に普及が進んでこなかった.その理由の1つに,内観療法がもつ治療効果に関する作用機序が十分に説明されてこなかった点がある.内観療法にはどのような仕組みがあって,それが患者にどのような作用の仕方をしているのか,治療構造の意味や治療者・患者関係について,臨床医に理解できるような言語化が必要である.もう1つの理由は,内観療法の体験や研修の場,つまり内観療法を学ぶための研修システムがいままで確立されていなかったことである.研修医が新たに精神療法を学ぶには研修の場が必要不可欠である.日本内観学会は,2018年度から内観研修制度ならびに資格認定制度を実施している.この制度化によって,内観療法の理解と活用が深まることを期待している.現代の内観療法は,認知行動療法や心理社会的療法の側面以外にも,心身医学領域やカウンセリングにも広く応用されている.近年は,マインドフルネスとの共通点も指摘されている.諸外国に目を向けると,内観療法は徐々に認知されてきており,その応用範囲は医学領域を超えて普及してきている.わが国における内観療法の発展が期待される.

索引用語:内観療法, 内観法, 内観研修, 東洋的思想>
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