Advertisement第115回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第121巻第3号

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特集 精神病/統合失調症への早期介入―現在の到達点と臨床ガイダンス―
早期精神病の診断と評価―症候とバイオマーカー―
高橋 努
富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座
精神神経学雑誌 121: 187-192, 2019

 早期精神病とは,初回エピソード精神病(FEP)や精神病発症危険状態(ARMS)を含む概念である.FEPは明らかな陽性の精神病症状が生涯で初めて出現し1週間以上続く状態であり,統合失調症,統合失調症様障害,統合失調感情障害や精神病症状を伴う気分障害など,多様な病態から構成される.適切な早期診断による精神病未治療期間の短縮や発症後2~5年間のいわゆる治療臨界期における治療は長期的予後の改善に重要と考えられる.ARMSとは明らかな精神病症状を発症する高いリスクを有すると考えられる臨床的状態を指す前方視的概念であり,通常はComprehensive Assessment of At-Risk Mental State(CAARMS)やStructured Interview for Prodromal Symptoms/Scale of Prodromal Symptoms(SIPS/SOPS)といった構造化面接で診断される.ARMS症例の1~2年後の精神病移行率は20~30%程度と報告され,移行例の約60%は統合失調症と診断される.FEPやARMSの診断は臨床症状に基づき行われるため,脳画像検査や神経生理学的検査を行う最も重要な臨床的意義は脳器質因の除外である.一方,研究レベルでは,頭部MRI所見や脳波(特に事象関連電位)といったバイオマーカーが統合失調症患者と健常者の判別やARMS症例の精神病発症予測に有効との報告が増えており,今後の臨床応用が期待される.

索引用語:早期精神病, 統合失調症, 精神病発症危険状態, 症候, バイオマーカー>
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