現代における差別は医学的装いをとることがおおい.日本では精神疾患患者は差別の対象とされてきている.その端的な表現は,精神科病床にしめる公的病床の寡少さである.つまり,国および地方公共団体は精神疾患に対し十分な配慮をしてこなかった.優生保護法は精神疾患を主対象としてきて,精神疾患を排除するべきものとみてきた.1996年に優生保護法の優生条項がのぞかれて,母体保護法となった.しかし精神疾患差別の根はふかくのこっている.
第113回日本精神神経学会学術総会
差別の論理と精神科医療
青柿舎(精神科医療史資料室)
精神神経学雑誌
120:
221-226, 2018
<索引用語:国民優生法, 優生保護法, 母体保護法, 新優生主義, 相模原事件>