Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第7号

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特集 精神障害と自動車運転―運転事故新法および添付文書の現状を踏まえた今後の方向性―
向精神薬の自動車運転に対する影響の評価方法と結果の読み解き方について
中林 哲夫
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
精神神経学雑誌 119: 500-508, 2017

 精神神経疾患領域の医薬品開発における安全性評価では,これまでは臨床的な重要性から,自殺や乱用のリスクなどの評価が注目されてきた.そして近年は,自動車運転能力に対する影響の評価も重視されている.薬剤の自動車運転に対する影響は,臨床試験や疫学情報に基づいて評価される.一般に,臨床試験(臨床薬理試験,探索的試験,検証的試験および長期投与試験)による検討は安全性プロファイルの評価には有益であるが,自動車運転に対する影響を結論づけるには限界がある.このため,医薬品が自動車運転に影響しない用量範囲を明確にするために自動車運転試験が行われることがある.今日では,向精神薬の自動車運転への影響に関するエビデンスの一定の蓄積もあるが,各々の評価方法の特性を理解した上で結果を解釈することが重要となる.このため本稿では,医薬品の自動車運転に対する影響の評価方法とその課題などについて概説する.

索引用語:向精神薬, 医薬品開発, 安全性評価, 自動車運転試験, 日常生活機能>
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