Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第119巻第1号

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教育講演
第112回日本精神神経学会学術総会
産業保健における精神医療の役割―ストレスチェック制度の位置づけ―
中村 純1), 吉村 玲児2), 堀 輝2)
1)社会医療法人北九州病院・北九州古賀病院
2)産業医科大学医学部精神医学教室
精神神経学雑誌 119: 59-67, 2017

 産業医には企業側と労働者,さらに労働者と治療者との連携を図る役割がある.したがって,産業医学は企業と労働者の間に医師が介入するという意味ではリエゾン精神医学の実践の場ともいえる.一方,精神科医の中には,患者側の立場だけで休職や復職の判断をする人やストレスチェック後の面接指導をする人がいるが,精神科医は事例性をよく理解した上でメンタルヘルス不調者に対する判断や治療を行う必要がある.その意味では,産業医と精神科医とのより綿密な連携が必要である.ところで,ストレスチェック制度の目的はメンタルヘルス不調の一次予防ということになっており,個人および集団のメンタルヘルスの改善が目標である.このことは先制医療の概念にも一致する.一方,現実的には精神科医療が不得意な産業医は,「なじみの精神科医」をつくることがメンタルヘルス対策を行うためには有効な方法と考えられる.

索引用語:産業医, 連携, ストレスチェック制度, 産業精神保健, 先制医療>
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