Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第117巻第1号

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教育講演
第110回日本精神神経学会学術総会
向精神薬の薬物動態学と薬物相互作用
鈴木 映二
国際医療福祉大学熱海病院心療・精神科
精神神経学雑誌 117: 49-55, 2015

 薬物動態学は,薬などの吸収,分布,代謝,排泄について検討する学問分野である.日常臨床において,薬の体内動態について意識することは少ないと思われるが,それは薬の効果に大きな影響を及ぼしている.薬は食事と併用すると,吸収が影響を受ける.薬によっては空腹時と食後の服用で効果が大きく変わるものもある.血漿タンパク結合率の高い薬同士の併用は危険な場合もある.どちらかの遊離形分率が上昇し,臨床効果が強く出る可能性がある.代謝に関しては薬物相互作用に最も注意が必要となる.特に抗うつ薬の代謝酵素阻害作用に注意が必要である.クリアランスを腎クリアランスに依存している薬の場合は,腎機能に影響する薬との飲み合わせに注意が必要である.薬の効果が変わった時,病状変化を疑うと同時に薬物動態学的変化に対しても考察が必要である.

索引用語:向精神薬, 薬物動態学, 薬物相互作用>
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