Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第7号

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特集 今後の医療計画の見取り図と連携―精神科医と地域連携―
総合病院精神科機能の充実と地域との連携
小石川 比良来, 大上 俊彦
亀田総合病院心療内科・精神科
精神神経学雑誌 116: 576-583, 2014

 精神疾患が5疾病の中に加えられ,医療計画の作成が求められるようになり,その中には身体合併症問題など総合病院精神科が中心となって対応すべき問題も多く含まれている.今回亀田総合病院精神科での実績をもとにして対応策の具体的提示を行った.具体的には精神科リエゾンチームの創設とその展開および臨床心理室の拡充強化の結合である.精神科病棟創設後の具体的諸問題を解決すべく創出された精神科リエゾンチームの活動は総合病院精神科の活動の可能性を大きく広げたといえる.有床総合病院精神科で精神科救急や身体合併症を抱えた精神疾患患者の切実なニーズに沿う形での治療病棟の確定や運用(精神症状や身体症状の質に応じた形での合理的で柔軟性のある病床運用)には,科の垣根を越えて稼働する多職種からなるリエゾンチームの存在が極めて重要であることを示すとともに,病院内でのチームの実効性を高めるためには病院外の治療諸機関との連携を円滑かつ迅速なものとすることが不可欠であり,医療のコーディネーター的な役割が重要になるということを示した.また臨床心理士の活動の充実とその保証は総合病院の精神科の活動領域の裾野の拡大に大きく寄与するとともにリエゾンチームの活動との結合の有効性も示しえた.

索引用語:総合病院精神科, コンサルテーション・リエゾンチーム, 臨床心理室の充実, 医療連携, 医療コーディネーター>
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