Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第7号

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特集 今後の医療計画の見取り図と連携―精神科医と地域連携―
精神疾患の医療計画と精神科医への期待
江副 聡
厚生労働省社会・援護局精神・障害保健課
精神神経学雑誌 116: 555-562, 2014

 厚生労働省では,平成16年9月に,「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を提示し,「入院医療から地域生活中心へ」という精神保健医療福祉施策の基本的な考え方をまとめ,平成21年9月の中間点で「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」を開催し,医療計画に精神疾患を位置づけることの重点施策をとりまとめた.これを踏まえ,平成23年12月に,社会保障審議会医療部会において,医療計画に医療連携を記載すべき事項とされているいわゆる「4疾病5事業」に,新たに「精神疾患」を追加し,「5疾病5事業」とする意見がとりまとめられ,その内容については,「医療計画の見直し等に関する検討会」において,平成23年12月に意見がとりまとめられた.以上の経緯を踏まえ,平成24年3月30日に,精神疾患に関するものも含めて,医療計画関連通知が発出され,平成25年度からは,各都道府県において,原則,新たな医療計画の運用が開始したところである.精神疾患の医療体制の構築に係る指針は,平成24年3月30日付け医政局指導課長通知「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について」の中に,「精神疾患の医療体制の構築に係る指針」として記載されている.そのうち,「第2 医療機関とその連携」の中に,①予防・アクセス,②治療,回復,社会復帰,③精神科救急・身体合併症・専門医療,④うつ病,⑤認知症と,具体的な内容が記載されている.医療計画に精神疾患が導入されたことを契機として,精神疾患について,精神科医の積極的な関与のもと,地域の目標や役割を関係者が共有した上で,一層の施策の推進や医療体制の整備が進められることを期待したい.

索引用語:医療計画, 精神疾患, 医療体制, 指針, PDCAサイクル>
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