Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第116巻第5号

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特集 認知症診療システムの構築と精神医学の貢献
認知症患者を支える地域ネットワーク―熊本モデルにおける実践を通して―
池田 学
熊本大学大学院生命科学研究部神経精神医学分野
精神神経学雑誌 116: 395-400, 2014

 今後の人口動態を考えれば,わが国の認知症医療における喫緊の課題は,認知症にかかわる既存の社会資源は可能な限り維持した上で,その質を上げつつ当事者や家族の多様なニーズに十分応えることのできる社会資源をシステムとして整備することではないだろうか.熊本県とわれわれは,認知症の早期診断や地域の医療支援体制を充実させ,専門医療機関の地域偏在を解消することを目標に,地域の認知症医療(診療拠点ならびに地域連携)を担う7ヵ所の「地域拠点型認知症疾患医療センター」を精神科病院に(現在は9ヵ所),人材育成や研修などを通して県全体を統括する「基幹型認知症疾患医療センター」を大学病院の神経精神科に設置し,2層構造による疾患医療センターのシステムを整備し,国に逆提案をして認められた(熊本モデル).本稿では,事例検討会を活用した人材育成とネットワーク構築,かかりつけ医やサポート医との連携構築,多職種によるアウトリーチなど,認知症疾患医療センターを中心とする熊本県の地域ネットワークを紹介した.

索引用語:認知症, 地域連携, 認知症疾患医療センター, 熊本モデル>
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