認知行動療法(CBT)の有害事象には,CBTが適正に実施された場合とCBTが適正に実施されない場合との2つに分けることができる.CBTが適正に実施された場合の一例として,RCTの研究結果によれば,CBTの有害事象はピルプラセボと同等もしくは低い.CBTの有害事象の多くは,治療者の知識不足,技術不足,経験不足による適正に実施されていないCBTのクオリティの低さに関連している.RCTレベルのクオリティをもつCBTをめざすために,治療前や治療中の患者状態の頻回のアセスメント,セッション後の治療評価尺度の利用,セッションの録音に基づくスーパービジョンなどが重要と考えられた.
認知行動療法の有害事象と実践に際しての留意点
1)広島大学医歯薬保健学研究院精神神経医科学
2)杏林大学医学部精神神経科学教室
3)椙山女学園大学人間関係学部
4)国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
2)杏林大学医学部精神神経科学教室
3)椙山女学園大学人間関係学部
4)国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
精神神経学雑誌
117:
445-451, 2015
<索引用語:認知行動療法, 有害事象, 副作用, 留意点>