Advertisement第120回日本精神神経学会学術総会

論文抄録

第126巻第6号

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特集 総合病院で遭遇する精神科・精神医療に対するスティグマをどう解決したらいいか―長期的観点から―
ピアサポートとリカバリー
田中 悟郎1)2)
1)長崎大学医学部保健学科
2)令和健康科学大学リハビリテーション学部作業療法学科(現所属)
精神神経学雑誌 126: 377-383, 2024
https://doi.org/10.57369/pnj.24-063

 障害の有無にかかわらず,誰しも「自分らしく生きる」ためには,仲間と居場所が必要である.近年,欧米では障害者を「Expert by Experience(経験のある専門家)」と考え,自分の経験を活かし,仲間を応援するピアサポートが重要視されている.また,障害者と専門職などがコース(講座)を共同創造(co-production)し,受講者が主体的な学びでリカバリーをめざすリカバリーカレッジが世界的に注目されている.このような背景のもと,著者らはさまざまなピアサポート活動を実践している.「ピアサポートみなと」は,長崎県大村市で2010年から,障害者,家族,ボランティア,学生,専門職などが,「誰もが悩みを抱える当事者」との理念のもとで,参加者全員対等の立場から,さまざまなテーマをともに語り合う活動を行っている.この「ピアサポートみなと」のメンバーとともに,著者らは2018~2020年度に文部科学省の「学校卒業後における障害者の学びの支援に関する実践研究事業」を実施し,2021~2023年度は長崎市の「精神障害者ピアサポーター養成講座」に取り組んでいる.著者は精神障害者のセルフスティグマの軽減およびリカバリーの促進にピアサポートは必須であると考えている.

索引用語:ピアサポート, セルフスティグマ, リカバリー>
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