精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

討論 | 745-752頁
Akira Nakazawa, Masami Nakajima, Ko Otagaki, Takuya Kunishima, Naomichi Tamura, Katsuya Ohno, Taketo Mimaru, Hideyuki Hara, Hidenori Sekiguchi
This study aimed to examine the validity of including the patient’s preference as an indication for the primary use of acute electroconvulsive therapy(ECT). We compared the guidelines of various countries and organizations. Since the question of whether the patient’s preference should be included in the medical indications is ethical, we referred to clinical ethics. Guidelines for acute ECT should distinguish the patient’s preference from medical indications, and the patient’s preference should not be included in the indications for the primary use of ECT.
精神科診療所および精神科病院が,その施設名に「精神科」を掲げている割合は極端に低かった.また,どちらについても,標榜している診療科目は,精神科,心療内科,内科が第1~3位を占めていた.「精神科」の抱えるスティグマは,調査結果に大きく影響した可能性がある.啓発活動などにより,「精神科」のスティグマが軽減される未来を展望したい.
特集 | 762-798頁
竹島 正,奥村 泰之,杉山 直也,北村 立,森 隆夫
本特集では,「曲がり角に立つ精神科入院医療―マクロ状況と精神科臨床から―」というテーマのもと,「統計からみた精神科入院医療の変化」,「医療計画の指標等をもとにした精神科医療サービス提供の経年変化―レセプト情報・特定健診等情報データベースの活用(2013~2019年度)―」,「精神科領域における実効的な行動制限最小化の普及について」,「人口減少地域における精神科救急医療の実状」,「臨床現場からの改革は可能か―Micro総合病院の必要性―」について論じる.
精神医療奨励賞受賞講演 | 799-807頁
橋本 亮太,EGUIDEプロジェクトメンバーズ
精神科医療においては病院ごとの治療のばらつきが大きく,標準治療とされるガイドラインの普及が不十分である.そこでEGUIDEプロジェクトはガイドラインの講習を全国で行い,受講した医師は受講していない医師よりもガイドラインで推奨される治療を行うことを示し,講習の効果を立証した.この活動が今後の精神科医療水準の均てん化につながると考えられる.
21世紀の「精神医学の基本問題」―精神医学古典シリーズ― | 808-817頁
久江 洋企
Kretschmer, E. の業績を,心の理解,多次元診断,治療のテーマに沿って紹介する.彼が厳密さを欠くという批判を受けながらも相対的な立場をとり続けた理由は,治療に役立つ理論であるべきという,目的を意識していたことにあると考える.彼の理論を,臨床場面で応用すると,治療者としてより患者を「わかる」ことが実感できるだろう.

このウィンドウを閉じる

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology