精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

症例報告 | 0003-0012頁
畑 真弘,岩瀬 真生,石井 良平,池田 俊一郎,青木 保典,池田 学
症例は30歳代女性.強直間代発作後に意識障害が数日以上遷延し,脳波では全般性徐波が主体で棘波などのてんかん原性活動を認めなかった.診断に難渋したが、抗てんかん薬への反応性、脳波変化と臨床症状の対応などから最終的に非けいれん性てんかん重積(NCSE)と診断した.遷延する意識障害を呈する症例ではNCSEを疑う重要性が示唆された.
特集 | 0013-0038頁
小出 泰道,西田 拓司,岩城 弘隆,兼子 直,谷口 豪
本特集では,「精神科医が知っておきたい抗てんかん薬の使い方・付き合い方」というテーマのもと,「てんかん薬物療法の実際―治療の開始・維持・終結まで―」,「抗てんかん薬と精神症状」,「知的障害を伴うてんかんの薬物療法」,「抗てんかん薬のてんかん以外の精神・神経疾患への適用およびオフラベル使用について」について論じる.
連載 精神科多職種チームの協働 | 0047-0054頁
森川 将行
多職種チームの協働には,お互いの職種の理解が必要である.多職種連携能力には3つのコア・コンピテンシーがあり,専門職能力,すべての専門職が必要とするコミュニケーション能力などを含む共通能力,そして協働的能力が挙げられる.また,協働のための共通言語の1つに国際生活機能分類(ICF)があり,これにより障害を「生きることの困難」を理解できる.
連載 精神科多職種チームの協働 | 0047-0054頁
秋山 剛,ピーター・バーニック
管理医には,業務マネジメントにとどまらない、チームメンバーの円滑なマネジメントが求められる.精神医療についての十分な説明は,多職種スタッフと患者や家族が,同じ基盤に立って治療を進めるために欠くことができない.精神科多職種チームの円滑なマネジメントが,将来的には,当事者や非専門家支援者を含んだチームの有効な運営につながると考えられる.
連載 精神科多職種チームの協働 | 0055-0063頁
松原 六郎
精神科チーム医療の医師の役割と治療計画策定や展開方法に焦点をあてる.チーム医療内での医師はリーダーシップとメンバーシップのスキルが求められる.治療計画策定には最終目標達成のアウトカム設定が重要で各専門領域チームメンバーの情報がそれを容易にする.更に計画策定の展開にはAssessment→Need→Plan→Discussion→Do→Monitoring→Reassessment(繰返)のマネージメントサイクルが有効である.

このウィンドウを閉じる

Copyright © The Japanese Society of Psychiatry and Neurology