精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

覚醒剤は長期乱用により精神病を発病させ,凶悪犯罪の原因になったり,精神病症状が慢性化し重篤化することがある.依存症治療の領域でハームリダクションが脚光を浴びているが,安易な容認化は危険であるばかりでなく,病状の改善にも悪影響があることを論じた.当院で10年以上治療を続けている覚醒剤精神病患者の症例を報告した.
特集 | 771-800頁
小口 芳世,笠貫 浩史,倉持 泉,岩山 孝幸,下津 咲絵,堀川 直史,渡辺 雅子,入來 晃久
本特集では,「本人のもつセルフスティグマに気づき,支えよう―統合失調症,認知症,そして,てんかん,ギャンブル依存症―」というテーマのもと,「統合失調症とセルフスティグマ」,「認知症とセルフスティグマをめぐって」,「てんかん患者のセルフスティグマの実態とその低減に向けて」,「ギャンブル障害当事者のセルフスティグマ」について論じる.
第117回日本精神神経学会学術総会 会長講演 | 801-808頁
木下 利彦
第117回日本精神神経学会学術総会のテーマは,「革新と伝統が紡ぐ質の高い精神医学」とさせていただいた.会長講演は「精神科医として40年」と題して,私自身を精神医学に導いたものや,40年にわたって精神科医として過ごしてきた足取りを,研究や芸術を中心にお話しさせていただく.
ICD-11「精神,行動,神経発達の疾患」分類と病名の解説シリーズ:各論⑱ | 809-814頁
池田 学
本稿では,神経認知障害群のなかでも,研究の急速な発展によって他科の疾病分類と同様に生物学的(病因に基づく)分類が可能になりつつあり,そのためICD-11の作成過程でその分類をめぐって大きな論争があった認知症に焦点をあて,ICD-10からICD-11への主な変更点,DSM-5との異同について概説する.

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