原著 | 0683-0688頁
山口 博行,早坂 俊亮,高橋 雄一,平安 良雄
統合失調症の急性期興奮状態の患者でカタトニア併発を判断するのはしばしば困難である.しかし,カタトニアを併発した場合の治療法は通常の統合失調症治療とは異なり,早期の鑑別が患者の予後にかかわる可能性がある.本研究において,統合失調症で入院した患者におけるカタトニアおよび幻視の出現頻度を調査し,両者の関連性を検討した.
原著 | 0689-0699頁
馬場 美穂,伊藤 弥,鮒田 栄治,長島 健太郎,志村 浩,東 彦弘,鈴木 成治,飯島 隆史,手塚 佳明,中田 裕,窪地 智也,兵藤 博信,清水 光政,糸川 昌成,伊澤 良介
統合失調症の母親が内服する抗精神病薬と母親の精神症状が妊娠出産にどのような影響を与えるのかを調査し検討した.母親の内服していた抗精神病薬は児や妊娠の経過に影響はなかったが,母親の精神症状と妊娠後の抗精神病薬の減薬は有意な負の影響を与えていた.妊娠後も抗精神病薬を減薬せず,妊娠中の母親の精神症状の安定に努めることが重要であることが示唆された.
特集 | 0700-0714頁
須賀 英道,高橋 英彦
本特集では,「科学的エビデンスと脳基盤に基づくポジティブ精神医学―最前線と臨床応用の発展性―」というテーマのもと,「ポジティブサイコロジー理論によるポジティブ精神医学への発展」,「ポジティブ精神医学の神経科学」について論じる.
特集 | 0715-0735頁
岡田 俊,渡部 京太,青木 豊
本特集では,「児童精神医学と精神分析という「隣人」たちの対話」というテーマのもと,「発達障害のある人の育ちを通した理解と育みの支え」,「神経発達障害の子どもが仲間集団体験をやり直す場を提供することの大切さについて」,「愛着とパーソナリティ障害―愛着理論はパーソナリティの適応化にどのように貢献できるか?―」について論じる.
第113回日本精神神経学会学術総会 先達に聴く | 0736-0738頁
小木 貞孝
この研究と整理および発表は,1955年11月から1959年10月にかけて行われた.2017年6月,名古屋における日本精神神経学会総会で「先達に聴く」として60年ぶりに再発表した.