精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

浜松医科大学精神科では神経性やせ症の身体治療と精神療法を包括した入院診療プログラムを考案した.その結果,身体治療にかかる負担が軽減し,より多くの入院患者の受け入れが可能となった.2015年,本学は静岡県摂食障害治療支援センターに指定され,総合病院精神科と精神科病院からなる診療ネットワークを構築した.今後,摂食障害診療の均てん化が期待される.
特集 | 93-136頁
上田 諭,坂寄 健,安来 大輔,大前 晋,三好 功峰,古茶 大樹
本特集では,「カタトニア(緊張病)の治療を問い直す」というテーマのもと,「カタトニアの「操作的診断・治療」化」,「カタトニアに対するベンゾジアゼピン治療と電気けいれん療法」,「昏迷とカタトニア(緊張病)再考」,「カタトニー(緊張病)の診断学的格づけ―たたかえ! チーム・クレペリン―」「カタトニア(緊張病)の身体的側面について」「理念型としての緊張病」について論じる.
第113回日本精神神経学会学術総会 教育講演 | 137-143頁
西園マーハ 文
摂食障害では,病状の否認の心理がしばしば観察される.否認のまま重症化すると,治療は強制的にならざるを得ない.しかし,早期に治療を開始すれば,本人の力を生かした治療も可能である.神経性過食症で活用されている「ガイデッドセルフ」(指導付きセルフヘルプ)の考え方を神経性やせ症に活用する方法や,治療の連続性を維持する方法などについて述べる.

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