精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

総説 | 577-588頁
曾根 大地,品川 俊一郎,藤盛 寿一,高尾 昌樹,兼本 浩祐
精神医学と神経医学は,かつてほぼ同義であった歴史があるが,現在は各々独立した診療科となっている.しかし,両者の境界領域は常に存在し,神経医学の知識は精神科臨床でも重要になり,脳を侵す神経疾患では多くの精神症状や行動変容を呈しうる.本稿では,両者の境界域にある病態や臨床を扱い,精神神経医学(neuropsychiatry)について再考する.
資料 | 589-598頁
髙橋 隼,松田 勇紀,鬼頭 伸輔,中村 元昭,伊津野 拓司,野田 賀大
本研究は日本精神神経学会ECT・rTMS等検討委員会(現・医療機器委員会)を企画組織とし,治療抵抗性うつ病へのrTMS保険診療の導入施設を対象に実施状況および要望をアンケート調査し,rTMS保険診療の適切な普及と発展に向けて取り組むべき課題について検証した(アンケート配布期間:2022年12月14日-翌1月15日,回収率:71.8%).
特集 | 599-621頁
齋藤 正範,大野 裕,中島 振一郎
本特集では,「精神科診療におけるPrecisionについて」というテーマのもと,「精神科診療におけるprecisionについて」,「個別化治療と認知行動療法的概念化」,「難治性精神疾患のプレシジョン・メディシン」について論じる.
精神医療は社会の変化に大きな影響を受け,精神科医は対応に迫られます.一方で,精神医学の発展には継続的な研究も必要です.著者は「目の前の患者さんに最善の医療を提供し,将来さらに良い医療が提供できるように努力する」という理念のもと,社会の変化に対応しながら,精神疾患に関する臨床や研究,教育,精神医療体制の構築を行う機会を得ました.

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