精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

総説 | 783-790頁
奥村 雄介
触法精神障害者には『刑法』『精神保健福祉法』『医療観察法』の三つの法律が適用される.矯正施設は限られた医療資源を効率的に分配するために一般施設,医療重点施設,医療専門施設に分かれており,処遇部門と医療部門の緊密な連携・協力が必須である.釈放に際しては治療継続および社会復帰が喫緊の課題である.
症例報告 | 791-798頁
安本 眞衣,奥田 丈士,宮岸 良彰,廣澤 徹,菊知 充
悪性緊張病を発症した統合失調症の60代男性について報告する.血栓症の合併により修正型電気けいれん療法(ECT)が実施できず,ベンゾジアゼピン系薬剤の継続によって病態の改善が得られた.本症例は,発症早期にベンゾジアゼピン系薬剤に良好な反応を示す場合,ベンゾジアゼピン系薬剤がECTの実施が困難な悪性緊張病の有効な治療法となる可能性を示唆する.
特集 | 799-825頁
奥村 正紀,鈴木 孝浩,平田 卓志,鮫島 達夫
本特集では,「電気けいれん療法(Electroconvulsive therapy:ECT)の新たな局面」というテーマのもと,「ECTの麻酔管理の変遷―最新の麻酔管理を中心に―」,「ECT施行時に筋弛緩薬をスキサメトニウムからロクロニウムに変更した際の麻酔管理」,「深部静脈血栓症に対する経口抗凝固療法施行中の電気けいれん療法―自施設での8例の経験症例を踏まえて―」,「COVID-19が精神科病院でのECTにもたらしたもの」について論じる.

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