東日本大震災では，宮城県にはみやぎ心のケアセンターが設立され，被災者の心のケアにあたっている．本稿では，2013～2017年のみやぎ心のケアセンターの活動統計を提供した．復興のフェーズによって住民が抱える課題，地域が支援団体に求めるニーズが変化すると考えられた．地域の変化を丁寧に観察し，適切なタイミングで支援を提供する必要があると考えられた．

本特集では，「摂食障害の連携指針と簡易治療プログラムの研究開発」というテーマのもと，「摂食障害の治療支援ネットワークの指針と簡易治療プログラムの開発の背景と概要」，「認知症とセルフスティグマをめぐって」，「『精神科領域における摂食障害の連携指針』の作成」，「『神経性やせ症（AN）初期診療の手引き』の開発と概要」，「過食症に対するオンラインガイドセルフヘルプ認知行動療法の開発」について論じる．

物質使用症又は嗜癖行動症群は，いわゆる依存または嗜癖に関係した症群である．この症群はICD-10からICD-11で大きく変わった．最も大きな変化は，この疾患群に嗜癖行動が加わったことである．物質使用症群においても，新しい診断カテゴリーが追加され，物質依存の診断要件が簡素化され，さらに，物質使用による他者への健康被害の診断対象となった．