精神神経学雑誌

掲載論文ハイライト

大麻はLSDや幻覚サボテン,幻覚キノコなどのサイケデリック薬物と近似の作用を有し、精神病を発症すると宗教的・超自然的な内容の妄想を呈することが多い.本稿では大麻の喫煙がもたらす意識の変容=サイケデリック体験を詳しく描写し,症例のなかでその痕跡が中毒性精神病を発病後も残存している様相を詳述した.
新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言下で,クロザピンの血液モニタリング間隔が事実上延長される措置が一時的に実施された.本稿では,クロザピン治療の実情について概説し,緊急事態宣言下で血液モニタリング間隔の延長措置が講じられるに至った経緯を紹介するとともに,クロザピン投与中の検査間隔延長を検討する必要性を論じた.
特集 | 075-099頁
新開 隆弘,井上 幸紀,高野 知樹,塚本 浩二
本特集では,「うつ病からの復職就労者の再発再燃を防ぐために精神科医と産業医ができること」というテーマのもと,「うつ病理解と精神科医と産業医との連携」,「4つのケアを念頭においた職域との連携」,「休復職者の現状と実践的な対策」,「うつ病からの復職就労者の再発再燃を防ぐために産業医ができること―精神科医が産業医である場合―」について論じる.
ICD‒11「精神,行動,神経発達の疾患」分類と病名の解説シリーズ:総論② | 100-107頁
丸田 敏雅,松本 ちひろ,秋山 剛,神庭 重信
国際疾病分類第11回改訂版(ICD‒11)の導入版が2018年6月に公開された.改訂作業を進めるのに際し,最初に国際アドバイザリーグループが2007年に立ち上げられてから10年以上が経過し,2019年5月に世界保健総会でようやく承認を受けた.本論文ではICD-11作成の経緯や特徴について概説した.

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